7.Windows用アプリをWineで使ってみよう
Linuxはアプリも充実しもはやWindowsアプリに頼らなくても十分活用できるレベルにあります。ブラウザで動くアプリのサービスも主流になりつつありハードウェアの垣根はどんどんなくなっていますが、ひと昔前は、LinuxでなんとかWindowsのアプリを動かしていたんです。
これは、まだまだ使いたいWindowsアプリを、Linuxでまた使ってみる試みです。
●Wineってなに?
WineとはWine Is Not an Emulatorという意味で、Windowsアプリを、アプリからのコマンドをLinuxに橋渡しする役目を持たせたソフトです。Windowsのプログラムは一つも使ってないぞ! だからライセンスに一切引っかかってないぞ! と強調されているわけですな。Windowsエミュレーターじゃない、Windows互換でもない。Windowsアプリ実行ソフトなんです。
Wineは何かのWinアプリを動かそうとするたびに、足りないものをその都度同じ動作をするLinuxプログラムを作って代替すると言うことを積み重ねて、まるでOSみたいな規模にまで出来上がったアプリです。
Wine単体だともう自分であのプログラムを当ててこのプログラムを当ててと、コマンドラインから自力で構築するのはもう不可能なレベルまで発達したので、これを自動的またはGUIで構築できるWineのユーティリティも開発されていますから、ド素人の私達でも使えるレベルになっています。
そんなわけでここでは使いやすくなったWineアプリの「Q4wine」と「winetricks」を使っていきます。
なお、IME系の日本語入力がWindowsVista~7前後で大きく改変されていますので、WindowsXPより古いアプリだと「インストールはできるし正常に作動するのに日本語入力だけができない!」ということがWindowsで起こりますが、これはLinuxでも同様です。
できない理由はかつて半角英数、カナは一文字1バイト、漢字を使う日本語はShift-JISで2バイトでしたが、現在は全世界で全言語を網羅したUTF-8規格で最大8バイトの文字を使っているからです。
すべてのOSでUTF-8で対応することになったので、韓国語だろうとアラビア語だろうと海外サイトが文字化けせずにインターネットで閲覧できるようになりました。その代償でWindows7や10で昔のアプリの日本語入力ができなくなったり、LinuxのWineでWindowsアプリが日本語入力できなくなってしまったのです。仕方ないですね。
この問題は中国語や韓国語などの「変換してから入力する」人たちだけに発生している問題で、そんな必要が無いアルファベット文化の西洋の皆さんには「しらんがな」な話だから改善されておりません。
現行のWindowsソフトや昔のアプリでも英文字だけしか使わなかったり、日本語入力が不要なゲームなどは良好に再現されます。
私は父に碁のゲームをやってもらうために、27インチの古いiMac(画面が大きいのに安かった)にUbuntuをインストールしてWineでWindowsの碁のゲームをスタートアップで電源を入れるだけで起動するようにしていました。Windowsシステムに依存しないアプリだったら問題なく動くと言うことです。
Windowsのシステムやハードウェアに依存するようなアプリは動くかどうかは運次第です。Timeshftなどのシステムバックアップソフトを使ってUbuntuのバックアップを行ってからトライしてください。
●Wineをインストールする
・メニューから「ソフトウェア(白い買い物袋)」を起動します。
・右上の虫眼鏡の検索アイコンをクリックします。
・「アプリを検索」のボックスに、
wine
と打ち込みます。検索できた「Q4Wine」と、「Winetricks」の二つのアプリケーションをインストールします。
Q4Wineが本体で、WinetricksがGUIで設定ができるアプリ、という感じでしょうか
一つのOSを再現するのですから巨大なアプリで「フリーズしたか?」と思うほどインストールは時間がかかりますので辛抱強く待ちます。
・メニューに「Q4Wine」と「Winetricks」があるのを確認して、「Winetricks」を起動します。
メニューが連続で出ますが、「OK」、「OK」、「はい」、「OK」と何も考えずにクリックします。
ラジオボタンの「● install a font」を選択してから「OK」をクリックします。
リストの「☑cjkfonts」他のTitleに「Japanese fonts」とある日本語フォント全部に☑をクリックして「OK」をクリックします。まず日本語フォントを入れないといけないわけです。これを忘れると文字化けします。
それぞれのフォントのインストールが終わるまで「OK」を押し続けます。
終わったらwineの設定画面に戻ります。
次に「● Run winecfg」を選択してから「OK」を押します。
「Wine設定」の画面になりますので、下の「Windowsバージョン」を選択して使用したいWindowsアプリのWindowsバージョンをドロップダウンメニューから選択します。
Windows7ぐらいにしておくとたいていのアプリは動きますな。
「適用」をクリックして「OK」をクリックします。
Winetricksが終了するまで「キャンセル」を連打します。
●Windowsアプリのインストール
・Uninstallerからインストールする
Windowsアプリのインストールディスクを光学ドライブに入れます。
端末から
wine uninstaller
と打ち込みます。名前はuninstallerですがインストールとアンインストールの両方を管理するアプリです。「インストール」を押して「マイコンピューター」からドライブまたはフォルダを選びます。
setup.exeなどのインストールファイルがありましたらそれをクリックします。
・「初回実行ウィザード」が開いたら、特に操作する必要がある部分はありませんので、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「完了」をクリック。
Windowsの画面でインストール操作ができますのでアプリに従ってインストールしていきます。
インストールができたら、uninstaller画面で「OK」を押して終了します。
メニューを見るか、再起動してから見るとメニューにWindowsアプリのアイコンが増えているかと思いますので動作確認してください。
・Q4Wineからインストールする
マウントされたディスクがドックに表示されますのでそれをクリックして開き、インストーラー(setup.exeなど)を右クリックし、「アプリケーションで開く」を選択します。
・関連アプリに「Q4Wine」がありますのでそれを選んで「開く」をクリックします。
・「初回実行ウィザード」が開いたら、特に操作する必要がある部分はありませんので、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「次へ」、「完了」をクリック。
・「プログラムを実行」で、アプリのインストール先が表示されますので「OK」をクリック。
ここで懐かしのWindowsインストール画面が表示されたら起動成功です。後はそのWindowsアプリの起動順序に従ってユーザー名の登録とかプロダクトIDの入力などを済ませてください。
・インストールが終了したら、メニューに新しく当時のWindowsアプリのアイコンが増えていると思います。クリックして動作を確認してください。
動きが妙なときは、「Winetricks」を起動して「● Run winecfg」で「Wineの設定」を開き、「アプリケーションを追加(注:インストール画面ではありません)」からインストールされているアプリのEXEファイルをプログラムファイルの中から探してクリックして登録し、「Windowsバージョン」を変えてみると良好に動く場合があります。
・インストーラーが無い場合
フリーソフトなど.dllファイルなどが.exeファイルと一つのフォルダに同梱されている場合は、そのフォルダをお好きな場所にコピーして、中の.exeファイルを右クリックからq4wineで起動します。
同梱の.dll、config.txtなど自動的に読みに行きます。
Windowsで使っていたちょっとしたアプリや十数年ぶりにあのアプリを再現できて感涙にむせぶこともあるでしょう。しばらく楽しんでください。
・まともに動かない。削除したい場合は、端末に以下のコマンドを打ち込んで「プログラムの追加と削除」ウィンドウからプログラムを削除してください。
wine uninstaller
もしメニューにアイコンが残ってしまったら、「ファイル」を開いて左上の「≡」から「隠しファイルを表示」をクリックしてフォルダを表示させ、
/.local/share/applications/wine/Programs/
の下にあるインストールしたアプリ名のフォルダにアイコンが入っていますから、そのフォルダを削除してください。再起動したら残ってたアイコンが消えています。
さて次はわざわざそんなことやらなくても、と思うかもしれないLinux界の鬼門。
「独自規格すぎる」「絶対まともに動かない」「論外」とリナックス勢から毛嫌いされている……。
でも再利用したいデバイスのNo1でもある……。
MacにLinuxをインストールしてみましょう!
次回「MacにLinuxをインストールしてみよう」




