11.なろう作家のためのワープロ設定
古いPCでもLinuxで使えるようになりました。
次にやりたいことは、「自分も小説家になろうに投稿してみたい」だと思います。もともとこのシリーズは「パソコンを持ってない人が小説を書いて小説家になろうに投稿できる」ためにやっています。
Ubuntuをインストールした時に「拡張選択」を選んでいれば既に、LibreOfficeというオフィスアプリがインストールされています。Microsoft Officeのようなものですね。フリーソフトですが、Officeに匹敵する機能があり、Officeのデータも読めますから互換ソフトとして十分使えます。
LibreOfficeはフリーソフトとしてWindows版もMacOS版もありますから、既にパソコンがある方はそちらを使ってもいいです。
小説はエディターなどで書くのではなく、ワードプロセッサを使ってください。
実際に「小説家になろう」に掲載されるイメージがつかめないと、改行、空白、区切りなどの感覚が書いていたときと掲載されたときで異なってしまいます。
できるだけ「小説家になろう」サイトに近い画面で小説を書いていくことをお勧めします。
以下に小説家になろう掲載画面と、Linux機でLibreOffice Writerを使って小説を書いた場合の画面比較を載せます。Webの掲載された小説の画面が上、ワープロでこの原稿を書いている時の画面が下です。
「プロはエディタを使う」と思っていた人には衝撃だと思いますな。エディタで執筆するよりはるかに掲載時のイメージが分かりやすく、こっちがいいと思うでしょう。
やってみる価値があると思いませんか?
●画面倍率の設定
・LibreOffice Witerをクリックしてください。初めて起動したときはちょっとした説明やヒントなどが表示されますので目を通しておきましょう。
まず縦のA4用紙一枚が画面に出ます。
最初は横長画面の中央にA4用紙の上半分だけが表示されていて非常に狭く感じます。長文を長時間書くことになるので少し拡大しましょう。
キーボードのCtrlを押しながらマウスのスクロールホイールを回すと好きな大きさにできますから、自分が見やすい大きさに拡大縮小してください。
●フォントを設定
小説家になろうではサイトで表示されるフォントはWindowsだとMeiryoです。WindowsにLibreofficeをインストールした人はフォントをMeiryoに変更すればいいです。
Linuxを使っている人はゴシックフォントで表示されています。Writerの初起動時は明朝風のフォントが選ばれていますので同じデザインのゴシックのフォントにしておきます。
Writerの上のメニューの中から「Noto Serif CJK JP」と書かれているフォント選択ボックスの右の▼をクリックしてドロップダウンメニューから(見たことが無い外国語が網羅されていて驚きますね!)「Noto Sans CJK JP」に切り替えます。
●行間
何行か書き始めてください。実際に「小説家になろう」のサイトで見るより行間が狭いと思います。これ行間が狭いままだと、やたら改行を打ちたくなりますので実際に掲載されてから全部のセリフにいちいち改行が入るような、間延びした文章に見えてしまいます。初心者やエディターで書いている人がやりがちな失敗ですね。
実際に「なろう」の画面と見比べて調整するのがいいでしょう。
上のメニューから「書式」>「間隔」>「行間:1.15」にしておきます。
●段落
ワープロでは段落(改行のためにEnterを押す)すると次の行まで自動的に少し行間が広がります。小説家になろうではこれは反映されませんので段落の行間をゼロにしておきます。
メニューバーから「書式」>「段落の書式」>「間隔」の段落上部を「0行」にする。(プラスマイナスで調整するのではなく実際に0を打ち込む)、
段落下部を「0行」にする(プラスマイナスで調整するのではなく実際に0を打ち込む)
これで段落ごとに行が開かないようにできます。段落を開けたいときはワープロに頼らず自分で改行してください。
●オートコレクトのOFF
小説の書き始め、最初はスペースで1字分字下げを行います。
最初の設定ではこれ自動でやってくれますので、そのままにしておくと、あとでテキストを「小説家になろう」の投稿ページに張り付けたとき字下げが全部なくなります!
なので、字下げは全て自分でスペースを入れなければなりません。OFFにしておきましょう。
字下げをやらない人の小説は、たいてい改行が物凄く多いです。字下げは積極的に取り入れていきましょう。
上のメニューの「ツール」>「オートコレクト」>「オートコレクトオプション」で、
☐ ☐ 先頭が大文字2文字の場合は修正(日本語では不要な設定)
☐ ☐ すべての文を大文字で始める(日本語では不要な設定)
☐ ☐ 段落頭と段落末のスペースとタブを削除(テキスト投稿では邪魔な設定)
☐ ☐ 行の先頭と最後のスペースとタブを削除(テキスト投稿では邪魔な設定)
のチェックを外しておきます。
日本語訳が少々おかしいのですが、☑は余計な空白スペースやタブを除去してかわりに字下げを自動に行う設定で、本来英文のための設定ですからおかしなことになります。
下の「OK」を押して設定終了です。
●行の文字数
小説家になろうでは特に書式をユーザーが変更しなければ、通常一行の文字数は37です。
残念ながらWriterには一行の文字数を決める書式がありませんので、余白とフォントサイズで決めていきます。アルファベットには「W」のように幅が広い字もあれば「i」のように狭い字もありますので、海外のワープロ開発者には「文字数をそろえる」という発想がそもそも無いのですな。
フォントサイズを「10.5pt」から「12pt」
「書式」>「ページスタイル」>「ページ」タブ>「余白 左 2.80cm」
これでだいたい一行37字になります。違うフォントを使っている方は調整してください。
一行に、
1234567890123456789012345678901234567890
と打ってみるとうまく調整できます。
●編集記号の表示切替をオンにする。
ツールバーのボタンに「q」に似た記号があると思います。改行記号を表示します。通常これを表示させたまま書いていきます。行末に「q」が表示されると思います。
これを出しておくと、改行したか、してないのに行が飛んでないか、余計な空白が無いかがわかります。消したいときはまた上の「q」を押すと消えて見やすくなります。
●小説はテキストだけで書くこと。
小説家になろうではテキスト投稿だけしかできません。なのでこのワープロ機能を使って太文字にしたり斜体にしたり段落を設定したり色を付けたりアンダーバーを付けたり傍点を付けたりフォントを変えたりタブで段落付けたり挿絵を挟んだり自動で箇条書きにNo.を振ってもらっても一切反映されません。
なので書くときはそれらを一切使わずに書いてください。
レイアウトを工夫したかったら、そこはスペースと、改行だけでなんとかします。
例外的に 漢字や英文字のすぐ後ろに「半角()」で文字を追加すると、その部分はルビになりますので書いている途中に混沌とかUbuntuとか表示したかったら、混沌に続けて半角かっこの中にカオスと書いておきましょう。
※【重要】逆に言うと、小説中で半角かっこは使えないということになります。アップロードして文字列が乱れていたら、半角カッコを使っていないかチェックしてください。
●テンプレートとして保存する。
ここまでできて、微調整して満足したら、上のツールバーから「ファイル」>「テンプレート」>「テンプレートとして保存」をクリックし、「自分のテンプレート」として『小説家になろうフォーマット』とかテンプレート名を付けて保存をしておきます。
文字が書かれたままですよ。全部消去して白紙で保存すると、今までの設定全部白紙で保存されてしまい、なかったことになります。理不尽ですねw
テンプレートというのは、既にある定型文書の「空白部分」に必要事項を書き込む、という用途で使うに決まっているので、その定型文を消してしまうと書式設定も無かったことになるのです。
なろう小説がよく「テンプレ」と呼ばれているのは認めますが、そこをどうオリジナリティを出していくかが勝負ですな。
次回、新作に取り組むときは、メニューバーから
「ファイル」>「テンプレート」>「テンプレートの管理」から、『小説家になろうフォーマット』をクリックして呼び出します。前に書いた小説の冒頭が残っていますが、全消ししないで続きを書くように新作を書き始めてから、後で残っていた分を消去しましょう。
●文書の保存
テンプレートとして保存した後は、普通に「ファイル」>「名前を付けて保存」でドキュメントフォルダに保存しましょう。小説が「****.odt」で保存されます。
.odtはISO・国際標準規格ですので、どの国のどんなワープロソフトでも読み書きできる互換性の高いファイル様式です。OSやソフトが違うから読めないと言うことがありません。
Linuxのワープロファイルは全てこのISO規格に従っていて独自なものが入っていませんので、他のアプリで読んだときにレイアウトが崩れたり文字化けしたりということが一切無いです。
近年、WordやExcel以外の格安の互換Officeアプリなんかが売ってますが、あれが使えるようになったのはこの国際規格が整備されて互換性問題が無くなった、というのが大きいですね。
私の古い投稿作品なんかは全部.odtで保存されていますな(笑)。
小説をエディタで書く理由の一つに、「****.txt 以外のファイル方式は信用できない。文書ファイルが将来使えなくなったり読み込めなくなったらどうするんだ」というのがあると思いますが、.odtファイルでしたら大丈夫です。UTF-8とかShift-JISとかで文字化けするテキストより信頼できます。長期保存を想定して公的機関でも採用されているぐらいですから。
当然 Microsoft Wordも、.odtで読み書きできますから将来MS-Officeに移行しても全く問題ありません。
ワープロでやるべきことはそれぐらいです。テキスト投稿なのでエディタで書く程度のことと何も変わらないかと思います。でもこれはたとえプロの作家さんでも条件は同じです。
もし書籍化するという話が出版社から来たら、原稿のやり取りは全てMicrosoft Wordでやることになります。出版社のWord原稿フォーマットにテキストを張り付けて編集します。印刷に回す原稿がもうWordファイルそのものなので、原稿用紙やエディタを使ってるプロ作家なんてもういません。
プロになるための必要な投資だと思って、Linuxを卒業してWindows11かMacのパソコン(縦書き2ページを見開きで全画面表示できないと話にならないので必ずデスクトップを選ぶ。ノートPC不可)とOffice365を買ってください。それまでは、LibreOfficeは絶対に役に立ちます。
期待していますので面白い作品を書いてくださいね!
2026/3/21
※なお、出版社から様々なファイルが.ZIPファイルで圧縮、まとめられて送られてくることがあります。
出版社はMacを使っていることが多く、これで圧縮されたファイルはWindowsで解凍すると文字化けすることがあります。その場合はフリーソフトの7-Zipを検索してダウンロードしてWindowsにインストールし、解凍にはそれを使うようにしましょう。
これはMacが悪いのではなく、古いフォーマットと現在のフォーマットの区別ができていないWindowsが悪いです。Windows同士では問題ないからと現在まで改善されていません。なおLinuxでは正常に解凍されます。




