1.リナックスってなんですか?
LinuxはOSです。PCのパソコンはWindowsというOSで動いている、MacはMacOSというOSで動いているのと同じで、PCをLinuxで動かす、ということです。Linuxは第三のOSなのです。
(リナックスはOSじゃねーよカーネルだ情弱のくせに語るなとかここでは無視)
見てもらうのが一番早いかもしれませんので、下にLinuxをインストールしたパソコンで表示させた「小説家になろう」のこのサイトと、それを投稿前にワードプロセッサで編集している画面を並べてみました。
リナックスはもうWindowsやMacと変わらず使える! ということがわかるかと思います。
元々パソコンはどんなOSを入れても動くようにできていて、今はWindowsやMacOSが一番売れているから主流になっている、というだけの話なので、そのOSをLinuxにするのはパソコンの本来の使用目的から見れば特別なことではありません。世の中には工業機械に組み込まれたコンピューターなど、Windowsを使っていないパソコンはいっぱいあります。
Linuxをパーソナルコンピューター(パソコン)で使っている人は世界ではまだ5%を超えたことがありませんが、世界の数パーセントですからもうすでに億を超えるパソコンがLinuxで動いています。特にスマホのアンドロイドはLinuxカーネルのOSですので、世界のスマホユーザーの半分はもう既に知らないうちにLinuxを使っています。
かつて簡単なことにしか使えなかった、あるいはマニアックな方向に特化している、というイメージを持たれていたLinuxのOSですが、現在は世界中で改良され続けた結果とても簡単になっており、後付け後付けで拡張されてもう何が何だか分からなくなっているWindowsやMacOSよりシンプルで使いやすいぐらいです。
WindowsやMacでやっていたことはほとんどLinuxで代替できます。パソコンでやっていたことをスマホでやるようになったなら、それはLinuxでも全く問題なくできることですからおすすめです。
Linuxなんて使えるのか? という疑問はあるかもしれません。全く大丈夫です。ワープロで小説を書いてなろうに投稿する、なんて普通にできます。なにしろ私が書籍化するまではそうしていたんですから!
●Linuxのメリット
・Linuxは無料です
OSは大企業のコンピューターメーカーが技術者を集めて作った既製品しかありませんでした。ですが、パーソナルコンピューターの普及でプログラミングが誰でもできるようになると、「OSそのものを自作してみよう」という一個人のアイデアから基本のプログラムができ、それに仲間たちや賛同者が集まってどんどんOSという体裁を整えていきました。
プログラマーたちの趣味、遊び、そして大企業の独占に反発し「コンピューターは自由であるべき」という夢と熱意から始まったこの動きは利益を目的としていないため、Linuxは誰でも使える無料のOSでありそのことを大原則としています。ですから、多くのLinuxOSは無料であり、Linuxで使うソフトウェア・アプリケーションは無料なのです。
・Linuxは古いPCでも古いMacでも動きます。
多くのLinuxが、「OSのアップデートで使えなくなった古いPCの再利用」を目的に作られています。また、そうでなければわざわざLinuxを使おうという人がいるわけ無いのも事実です。
そのため、Linuxは最新のパソコンを使わなくてもいいのです。
・Linuxはシンプルで独立しています。
WindowsやMacOSは古い時代から使われているユーザーインターフェースを長年そのまま継承しています。新しいパソコンや新しい機能、新しい用途に対応するため後付け後付けで積み重ねている一方で、ユーザーが一度も使わない機能も捨てられず残しておかなければならないため、メニューから目的の機能を探すだけでも一苦労になってしまいました。
その点現代にゼロから作られたLinux OSはどれもシンプルでよく整理されており使いやすくなっています。
また、全てがフリーソフト環境なためネットワークを通してサービスを押し売りされることがありません。ソフトウエア企業が勝手に自分のPCで何かやってたり、メールアドレスやその他の個人情報を提供させたり、クラウドサービスにデータを勝手に保存したり、見たくも無いCMを見せられたりクレジットカード番号を打ち込まないといけないということが皆無です。
・Linuxでできないことはもう無いです。
Linuxではできなかったり、WindowsやMacでなければできないことが昔はいっぱいありました。しかし、スマホの普及でこの状況は劇的に変わり、なんでもネットからブラウザ(インターネットに接続するアプリ)でできるようになりました。
実際、LinuxにもMicrosoft Edge、Google Chrome、Firefoxなどの主流ブラウザをインストールすることができるのでもうWindows、Macと変わりないです。例えばメール、XといったSNSやグーグルドライブ、OneDriveというクラウドサービスもLinuxのブラウザで実行できます。Lineもブラウザの拡張機能でインストールできますね。
アプリケーションは「インストールする」形から、「ブラウザで動かす」形に急速に移行していて、ハードウェアの垣根はどんどんなくなっています。
異なるOSにインストールするアプリケーションを何種類も用意するより、ブラウザで動くアプリケーション開発のほうがコストが安いからという理由もありますね。Windowsにしかなかったアプリも、スマホに移植しようとすればiPhoneとアンドロイドはシェアが五分五分なんだから両方作らなければいけません。だったらそれブラウザで動くアプリにしてしまえば一つ開発するだけでOK、ということで副産物的にWindowsでもMacでもLinuxでも使えるアプリが激増しているわけです。
どのデバイスでも同じアプリを使うのだから、Linuxでそれができることに違和感はもうありません。
・Linuxは(比較的)安全です
Linuxで使われるOS、ソフトウエア・アプリケーションは全てオープンソースです。プログラムが公開されていますしそれが義務ですから、そこにウィルスやバックドアを仕込んでもすぐばれるように出来ています。これは無料を前提に利益を目的としない大原則があるため、顧客情報を得るシステムがそもそも入っていないのです。また、まだまだ利用者が少ないLinuxユーザーをあえてターゲットにするハッカーもいないので危険性は格段に下がります。なにしろ「WindowsもMacOSも米国製だから信用できない」という組織、政府が使うぐらいですから。
Linuxにはウィルスセキュリティソフトが独立していないため入っていないように見えますが、毎回のアップデートで内部で更新され続けています。
Windows、Macで動くようになっているウィルスも、Linuxではシステムそのものが違うためエラーになります。ブラウザで怪しいネットに接続してしまっても、システムがユーザー領域と分けられているため、パソコンが止まったり暴走したり、勝手にウィルスがダウンロードされてパソコンの中でこっそり動く、ということができないようになっています。
SNSサービスやアマゾンや楽天のネット通販も、ブラウザにEdgeやChrome、Firefoxを使うのですからクレジットカード番号などの暗号通信はWindowsやMacやスマホと全く同じもので、Linuxだから安全性が劣るとかいうことは無いです。
●リナックスのデメリット
・Linuxは商用アプリケーションが使えません。
WindowsやMacで使えるWordやExcelといった市販のアプリをインストールできません。財務会計ソフトやダウンロード販売されている多くのアプリもインストールできません。
こうしたアプリはメーカーの商品なのですから仕方ないですね。しかし多くの場合それらの市販ソフトに代替するLinuxアプリはあります。WindowsやMacで作成したWordやExcelのデータファイルを読み込んで普通に編集できる互換アプリはLinuxに無料で用意されていますので、そう不自由でもありません。
Wordで出版社とやり取りをしているような人、Excelでデータを出せと役所に言われたりマクロを組むような本格的な使い方をしている人、日本の税制に対応した財務会計ソフトを使っている人にはLinuxはお勧めできませんが、「書籍化」なんて話が来るまでは、Linuxでワープロで小説書いてなろうに投稿、というのは普通にできます。
WordもExcelもブラウザ版で用が足りている人、グーグルアプリで済ませている人ならば、それはLinuxでもそのまま使えますから大丈夫です。
プリンター、スキャナーなどのサードパーティーの機器もメーカーでLinuxデバイスドライバを公開したり、汎用ドライバで代替できたり、おおむね使えます。要するに「何かのプロ」でない人には支障は無いということです。
・初心者に難しい部分はまだあります
サポートセンターに電話をかける、ということができませんのでLinuxは全て自力解決できなければいけません。WindowsやMacのように「はじめてのLinux」なんて本も全然ありませんから、ネットで情報を探し、最悪場合によっては自力で対応プログラムをネット検索してコマンドラインからアプリケーションを打ち込んでインストールする、ということもあるでしょう。
しかし今はこれほとんどやらなくても良くなっています。市販OSのようにメニューからマウスでクリックで大部分のことができるように改良され続けています。
また、今はGoogleやMicrosoft他のAIに尋ねれば(意外なことに)実に親切にやりかたを教えてくれますから、もうサポートに電話するなんてことは必要無いですね。そもそもマイクロソフトやアップルもサポートの電話に出てくれるなんてことはなく、「AI対応」「チャットで聞け」に移行していますしね。
・どうしても動かないデバイスはあります
パソコンに組み込まれているカメラ、非常に凝ったデバイス(機器)は、メーカー独自の仕様でメーカーサイトからドライバーをダウンロードしてインストールしないと動かないものがあります。特に国内向けPCやMacなど規格非公開、独自規格の場合Linuxのドライバが無い、ということは起こります。
ですが、USB、グラフィック、Bluetooth、有線、無線LANなどのインテル又は国際規格で作動しているデバイスについてはLinuxの汎用ドライバで100%動きますから、よほど特殊な用途でない限り心配ないです。むしろWindowsのバージョンアップで捨てられた仕様や32Bit時代のデバイスが未だに動くので、古い機器を使い続けている人にはありがたがられています。
●Linuxに向いたパソコン
Linuxに向いているパソコンは、以下の通りです。
・Core i3かそれ以上の64ビットCPU。
・メモリーは4GBか以上。
・HDDもしくはSSDが120GB以上。
こんなところです。TPMのバージョンがどうのこうのと言った難しいことはありません。Windows7、Windows10がサポートが終わるまでバリバリ動いていた64ビットパソコンならまず問題ないです。
HDDも本当は32GBもあれば十分で、軽く動くのでSSDでなくても実用上問題はありません。昔流行したネットブックなどにもお勧めできます。
CelelonやAtom、Core2Duoなどの性能を押さえたモデルやメモリが少ないモデルは別に軽量Linuxを選ぶ必要がありますが、使えます。
Macにインストールする方法もちょっとやり方が違いますので、別に紹介する予定です。
残念ながら32ビットCPUに対応したLinuxはさすがに少なく、アプリもアップデートで64bitに移行していますので32ビット機は使用範囲が狭くなっていますね。
では、次回から実際にお勧めディストリビューションでインストールから起動まで、やってみましょう。
●ディストリビューションとは
Linuxをインストールしようとすると「じゃ、どのディストリビューションにする?」という話に必ずなります。これは、Linuxの骨格を原型に、様々な人たちが数多くのLinux OSをデザインし公開しているためです。ディストリビューションというのはLinuxのシステム、画面構成、グラフィックユーザーインターフェイス(GUI)、アプリケーションをまとめてインストールするためのパッケージのことです。要するにインストールディスクですね。
古いPCでも動くよう軽量に特化したもの、Windowsにそっくりにしたもの、MacOSに似せたもの、スピード重視、美しさ重視、全部乗せの多機能重視、サーバーなど特定の用途特化型などに分かれているのです。逆に言えばそれだけLinuxの世界は自由だということでもあります。どれにも、「こんなOSがあったらいいのに」というきっかけで作り始めた開発者の思想が見えるのが面白い。
もちろん、どれを選んでも自分の用途に合えばそれが一番です。
次回はそのディストリビューションの中から、古参でアップデートやアップグレードのサービスが信頼できて、現在一番使用者が多いと思われるメジャーなディストリビューションであるUbuntuとLinux mintと、ZorinOSを選んで、実際にインストールをするところまでやってみましょう。
UbuntuはLinuxの中ではスタンダートで多くのディストリビューションのリーダー的存在で使用者が多いですが、近年プロユースに舵を切り有料サービスや高機能化による要求スペックが高度化されていて、インストールできるアプリの互換性も切り捨てられ始めており古いPCの再利用には向かなくなりました。
対して、Linux Mintも古参ディストリビューションではありますが、個人使用にターゲットを置いた使いやすさを優先しており、より万人向けでUbuntuを抜いて現在人気ナンバーワンのディストリビューションとなっています。全部入りでLinuxで何でもやりたい人向けとなりますか。
ZorinOSはWindowsを使用していた人がスムースにLinuxに移行できるよう配慮された見た目もWindowsそっくりなOSで、覚えないといけないことも少なく現在人気上昇中です。
LinuxをインストールしようとしているPCがメモリ容量が8GBある人、仕事でLinuxを使えるようにならないといけない人はこのまま「2.Ubuntuをインストールしよう」をご参照ください。
メモリが4GB固定(増設できない)の人や、ビジネスで本格的に使いたい人は「16.Linux Mintをインストールしよう」、個人使用で面倒が嫌いでぱっと見、Linuxに見えないWindowsっぽいOSが使いたい人は「21.ZorinOSをインストールしよう」まで飛んでいただければと思います。
次回、「Ubuntuをインストールしよう」
スマホやタブレットしか持ってない人も、小説を書くにあたって、必要となるパソコンとは? どんなものをそろえればいいのか? を書いたエッセイ「なろう小説家のためのパソコン講座」も興味があったら読んでみてください。




