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ep60.貴方が思っているよりもずっと『公爵視点』

「ソフィア…顔を見せてくれ」


「…今は無理です」


「お願いだ…」


粘り強くお願いすると、ソフィアは泣いている顔を俺に見せてくれた。

俺はその涙をソフィアの肌を傷つけないように拭う。


「前に言った。ソフィアの悲しみを取り除くのは俺だ。」


「……はい…」


「…ソフィアの父と母は、ソフィアを生かすための犠牲を犠牲だとは思っていないと思うぞ。」


「…っ分かっています。だけど、…でも…」


ソフィアの気持ちは痛いほど分かる。


俺も母を失った時、本当に悲しかった。

それから継母となった人に毒を入れられた時も、人は信用出来ないんだと失望した。


もう2度と父と母には会えない事実。

いずれこの辛さも乗り越えなければならない。

もう既に一度はソフィアも乗り越えていた。


不運な事故だった。仕方ないと割り切っていた。

だが、2度も別れを告げないといけないのは、どれだけ悲しくて辛いことか。


「苦しいんだよな。【自分のせい】だというその事実が悲しいんだな。」


「…っはい__…」


ソフィアがあまりにも悲痛な表情をするから、俺はもう一度抱きしめた。


「ここで泣けば良い。ソフィアの泣く場所は俺の腕の中だ。泣きたい時はいつでも俺を呼べ。その度に、必ず抱きしめてやる。」


「ありがとう、ございます…。」


それからしばらくソフィアは泣いていたが、次第に落ち着いたのか、俺の顔を見て「もう大丈夫です」と言った。

絶対にまだ大丈夫ではないが、今は騙されたフリをしていてやろうと俺も「分かった」と返事をする。


俺がどれだけソフィアのことを好きで大事にしたいかを、まだ彼女は分かっていない。

だがそれもここまでだ。これからは思う存分ソフィアに俺の好きを味わってもらいたい。


それから俺がソフィアをこの上なく愛しているのだと自覚してほしい。


そのためにはまず


「ソフィア。結婚式を挙げようか」


「………………えっ?…」


あまりにも突然すぎたのだろう。俺もそう思う。

だが、俺の愛の深さを知ってもらうためには致し方ないことだ。


「ドレスを一緒に決めて、食事はソフィアの好きな食べ物で揃えて、飾り付けもソフィアの瞳の色を使用して、指輪の色も決めよう。それから」

「待ってください…!?」


何故か疑問の入り混じった声で待てと言われたので、俺がソフィアの言葉に逆らえるわけもなく、今までペラペラと話していた口を閉じた。


「…その、結婚式を挙げるというのは…本当ですか…?」


「俺がそんなくだらない嘘をつくように見えるか?」


「見えない、です…。」


「俺はソフィアが思ってるよりもソフィアが好きだ。そして始めはそれを自覚してもらうところから始めようと思っただけの話だ」


"俺はいつからこんな恥ずかしいことが平然とした表情で言えるようになったんだ?"


だが言ったことは全て事実であり本音なので一切否定しない。


むしろ肯定する。全肯定だ


「…分かりました。」


「…?」


何が分かったのかと問おうとしたが、その前にソフィアが嬉しい返事をくれた。


「結婚式、一緒に開きましょう。」


「本当か…!?」


「私がレオ様に嘘を吐いたことがありますか?」


この質問は先の仕返しだろうか、こんなことを言われてしまっては俺のソフィアへの愛が増していくからやめてほしい。


「ないな。ソフィアが俺に嘘を吐いたところを、俺は見たことがない。」


「なら信じてください。後、レオ様の結婚式でもあるので、私の瞳の色を入れるのは良いですがレオ様の瞳の色も入れます。」


「…!」


ソフィアはどれだけ俺を虜にさせれば気が済むのだろう。

こんな些細な発言でも、俺にとっては全く些細ではない。


いつだって俺のことを公爵でもなく騎士団長でもない、レオというただの人として見てくれるのはソフィアだけだ。


「ああ…一緒にって約束したんだもんな」


「はい…!」


元気よく返事したソフィアを俺は抱き上げた。

やはりどこかに飛んでいってしまいそうなくらいソフィアの身体は軽くて心配になる。


「…!重いですよレオ様」


「重いものか。今にもどこかに消えてしまいそうなくらいには軽い。」


"本当に…軽すぎる……。"


ソフィアは何かを感じ取ったのか、俺の頭を撫でた。

少しくすぐったくて心地良い。


「……もう離れませんよ。ずっと一緒です。」


「…だな。ずっと一緒だ」


自分に言い聞かせるようにソフィアの言った言葉を反芻する。

ソフィアがいなければ、俺は愛という感情を知らずにいた。

この気持ちがここまで人を弱く強くさせるとは知らなかった。


ソフィアがいないと俺はとてつもなく弱くなるし、ソフィアのためだと思うと今まで以上に強くなれる。

弱い俺を知っているのはカルロスとソフィアくらいだ。なんだかカルロスに弱い自分を知られているのは癪に触る。


そんなことを考えていると突然、額に柔らかい感触があった。


「……………え……」


そんな呆けた声しか出てこなかった。


"俺は今何をされた?"


「…何か考え込んでいるようでしたので。恥ずかしがってるお顔も好きですよ。」


「…__っ……!!!」


ソフィアは俺より何倍もイケメンだ。


俺の顔がいいのか職業がいいのか、それとも爵位を狙っているのかで好きだと告白してくるやつはごまんといた。

その中で、俺の方から好きになった女性なんて無論ソフィアが初めてだったしこの気持ちに戸惑いを覚えた。


ソフィアは可愛くもあるが他の令嬢にはないかっこいいところや人を思いやる優しい心を持っている。俺にはなかったところだ。


そんなソフィアは俺よりもイケメンでカリスマ性溢れている。いつどんなやつがソフィアに惚れるか分からない。


これから社交界にも顔を出していくだろうしソフィアの知名度も高くなっていくだろう。

俺のいない隙にソフィアに近づくやつは必ず出てくる。


「ソフィア」


「何ですか?」


「愛してるよ。世界で一番」


「…!っふふ、私も大好きです。レオ様」


「まだまだ。俺がソフィアを大好きな気持ちと同じくらい、ソフィアも俺を好きになってくれ。」


「えへへ、がんばりますね」


そして今日、俺は世界で一番愛おしい人と唇を重ねた。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

一応ここでストーリーは終わりになりました!

あとは後日談やその後の話をちょこっとあげようと思います!

グットやブクマ、とても励みになりました!!

次の作品が上がる次期はまた1.2ヶ月後くらいに上げようと思います!

改めて、本当にここまで見て下さったみなさま、ありがとうございました!


 みなさんはどんな感じのお話が好きなのでしょうか?

 私の好きな物語がどん底に落とされて落とされて救われて報われるハッピーエンドが好きなので書かせてもらっていますが、みなさんの好きな物語も知りたいので良ければどこかに書いていってくださいませ


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