ep37.公爵の優しさ、私の弱さ
「大丈夫だ」
レオがそっと私の頭を撫でてくれる。
レオが頭を撫でてくれるととても落ち着く。
レオが大丈夫だと言う時、本当に大丈夫だと思えてくる。警戒しないといけないはずなのに、そんなことしなくて良いと言ってくれているようで。
だから安心できる。
「ソフィ、大丈夫?」
「あいつ家名はなんだ?今すぐに乗り込んでやろうか?」
私を心配してくれるリアム兄様とルイス兄様も着いてる。だから、大丈夫。
そう自分に言い聞かせる。
どうしても義母のことを思い出すと、恐怖で身体が竦んでしまう。
今まで色々されたから。次は何をされる?何を奪われる?そんな考えに頭を支配されてしまう。
やっぱり生きることを望むべきではないのだと考えてしまうのだ。私が生きることを望んでしまえば他の人にも迷惑がかかる。巻き込んでしまう。
私のせいで私の大切な人たちに迷惑がかかるのはなるべく避けたい。
「ありがとうございます。ですが大丈夫です。少し驚いただけですから…。」
「そうか。だが侯爵の言っていたことは気になるな。少し調査してみよう。ソフィは心配せずこれまで通りゆっくり過ごせ。分かったな」
「……はい…。」
「今日はもう帰ろう。念の為リアムとルイスはソフィアの側を離れるな。騎士なら護衛くらい容易いだろう?」
「「当たり前です。」」
それから馬車に乗るまでリアム兄様とルイス兄様は私の側を離れなかった。レオも同様だ。
話す時も、なるべくサミュエルが言っていたことには触れないでいてくれた。サミュエルと再会する前のように三人とも優しく笑いかけてくれた。
本当は聞きたいことが沢山あるはずなのに申し訳ない。
馬車に乗ると、私と二人で話がしたいからとリアム兄様とルイス兄様を別の馬車に乗せた。
そして馬車の中、以前出掛けていた時は向かい合って座っていたのに、今回は帰りもレオは隣に座った。
「ソフィア、俺の肩に顔を預けろ。もう疲れただろ…?」
「……ありがとうございます。」
「疲れていないので大丈夫です」とはとてもじゃないが言えなかった。
レオの言う通り体力的にも精神的にも結構疲れていたから。今にも眠ってしまいそうだった。
だけどレオから質問されて、一時的に眠気がとんだ。
「俺が今から質問することに、話したくなければ言わなくていい。」
「…わかりました。」
「ソフィアの前の婚約者とは、何があった?」
そんなこと、公爵の位があればいくらでも調べられるはずなのに、レオはいつも真正面から聞いてくれる。
それも、話したくなければ話さなくていいと言っていたけど、レオは多分私が話すまで待ってくれる。
何日、何ヶ月と。レオはそういう人だから。
きっとレオは何年でも待ってくれる。それでも私とレオとの約束は半年だから、一年以上なんてない。
「以前の婚約者は、ずっと私の義妹であるラリアに私ではなくラリアが好きだと迫っていたんです。」
「なっ…!」
「最後には向こうからこの婚約は破棄だと言われて、私も了承しました。なので何の未練もないんですよ。」
にこっと笑って返して見せると、レオは私の頭をグッとレオの肩に寄せてきた。そしていつものように撫でてくれた。
「…俺はそんなことしない……。だから俺の側から離れるな…。」
「…はい。離れません。私からは絶対に、公爵様のお側を離れませんから。」
私からは離れない。
病気が物理的にレオと私を離してくるだけで、私から離れることは契約が満了した時以外ありえないだろう。
「言ったな?その言葉、後悔するなよ?」
「っふふ、しませんよ。」
少し揶揄うつもりで言っていたと思うけど、私にはレオのその後の言葉が本気に聞こえてしまった。
それが少し寂しくも感じてしまう。
すると、それを察したのかレオは「もう疲れただろうから今日は寝ておけ」と優しく言ってくれた。
「…では、お言葉に甘えますね。」
数分後にはやはり疲れていたからなのかマナー違反でもあるのに眠ってしまった。
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