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異反者  作者: 二代目とくとくかい
第一部:慚愧服膺篇
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第十二話:ロリ


「確か……ここら辺って聞いたけど………」


僕が今いる場所は先ほどまでいた学校の屋上ではなく、そこから少し離れたところを歩いていた。

時刻は考えるのがめんどい。

けど割と夜。

夜といっても、そんな深夜じゃない。

19とか、そんくらい。


「なぜ僕がこんな夜に外をブラブラしているかって?別にいいだろぶっ殺すぞ!!!」


と、着いた着いた。

僕が行き着いた先は氷室先輩のご実家……だと思う。

社号標に氷室って書いてるし。

な、なんか緊張するな………。

ていうかなんかデカくね?

入り口に鳥居ついてるし。


「オジャマシマス」


鳥居をくぐり、僕は氷室先輩の家に失礼する。

邪魔してやろ。

屋敷の前に僕は仁王立ちで待つ。


「来ないな。まぁ時間より少し早めに来たからそういうことなんだろうけど」


チャイムは押せないしな。

怖いし。

家の人とか出てきたら、ビビッて僕おしっこ漏らしちゃ―――。


「ッ!!!」


その刹那、僕は一瞬でその場から移動し、近くにあった木のてっぺんまで登る。

すると、ドアが開き、中から人が顔を覗かせる。


「んん?まぁ、確かに居ないわね………」


「だから言ったでしょ。ただ夜のジョギングに行って来るだけよ」


「ならなんであんなに髪の毛のセットを入念にするのよ。それにちょっとメイクなんてしちゃって」


「ちょっと顔に塗ってるだけよ。全然すっぴん」


「私思うのよね。それってすっぴんじゃなくない?」


「もういいから戻ってて!」


出てきたのは昨日僕の命をかっさろうとした辻斬り。

氷室先輩の姉、氷室氷花である。


(そっかぁー。ここ氷室先輩の実家だからあの人がいても別にいいのか」


顔を覗かせて周囲を見渡した氷花さんを氷室先輩は無理矢理家の奥に戻す。


「はぁ…まったくお姉ちゃんは過保護すぎるのよ………」


そして、次に出てきたのはため息をつきながら出てくる氷室先輩。


「にしても、累君まだかしら。そろそろ来ると思うんだけど………」


あ、これ僕を待ってるってこと?


「よっす」


「うわ!びっくりした!」


なので木から降りて氷室先輩に挨拶をする。


「い、いつの間に来てたのよ」


「遥か彼方…ですかね」


「…………」


「さっきです。氷花さんが顔を出した時に咄嗟に木の上に隠れました」


こわいよその目。


「とりあえず、ここを離れるわよ」


「え?ここで特訓するんじゃないんですか?」


そう、僕が氷室家にお邪魔した理由はあの時先輩が言っていた、クレイルやモノノケから身を守るために特訓のためである。


「もっと最適な場所があるし、ここじゃお姉ちゃんもいるしね」


「あ、はい」


    ◇


「ここよ。大丈夫、広いけど、人は全然来ないから」


先輩に連れられ、たどり着いた場所はぼろっちい鳥居がある神社である。


「先輩んちって神職なんすか?」


「う~ん、神職と言えば神職なんだけど、どちらかというと異能力者家計なのよね。氷室家っていう割と有名なとこで、もともととある神様を信仰してたのよ」


「へー、由緒正しきお家柄って感じなんすね。そういうのってやっぱり、氷室先輩以外にも兄弟とかいっぱいいる感じですか?」


「う~ん、うちはそんなでもないかな。大抵のそういう昔から続く家って、後継者をたくさん産めよ孕めよって感じで、今でもそういうところが多いんだけど、私の家はお姉ちゃんが生まれたからもうOKってなってるの。お姉ちゃんの異能『氷晶』は昔氷室家の当主だったすごい人と同じ異能で、霊力の量も申し分ないからね」


「じゃあ何で氷室先輩は出てきたんです?」


「言い方失礼。昔、お姉ちゃんが「妹が欲しい」ってうちの両親にねだったんだって」


なるほど、それで氷室先輩が生まれたってわけ。

境内に入り、そのまま足を進めながら僕は辺りを見渡す。


「で、ここは?」


「ここは結構前まで本殿として扱われてたんだけど、古くなりすぎて、修繕も不可能だったから、放置されてる旧本殿ね」


そういうのって大丈夫なのかな。

こう、不敬とか。


「神徒壇とか、大事なものは全部移してあるらしいから大丈夫らしいわ。それに私神様とかあんま信じてないし」


少し歩いて、開けた場所に出る。

すると――――。


「神を信じないとは、なんと不敬な」


「ッ!」


突然声が聞こえ、僕はその声に反応し、その声のする方へ視線を向ける。

視線の先は古くなったお社の屋根の上。

そこには、夜だというのに全く衰えることのないほどの美しさと眩さを放つ白髪の女児がいた。

美しくも可愛らしい顔つきに、純白のワンピースのようなものを身にまとっており、足先まで届くのではないかと思えるほど長く綺麗な白髪をしていた。


「? ど、どうしたの?」


氷室先輩は視えていないどころか、先ほどの声が聞こえないような素振りである。


「ひ、氷室先輩には……視えないんですか?アレが…」


僕がその女児を見ながら氷室先輩に聞くと、屋根の上の女子は「お?」と反応し、屋根から飛び降りる。

パンツ確認チャンス!!!!!

クソッ!!


「なんじゃお主、視えとるのか?儂が。こりゃ珍しいのぉ」


「え、えっと…君は?」


その女児は僕の方へ近づいて言った。


「うむ、だがまずはお主から語ってみせよ。まずはそれからじゃ」


「ああ、えっと僕は神白累と申します。歳は今年で16です。よろしくお願いします」


「うむ、よかろうなのだ。では、儂も名乗るとしよう。儂の名は久遠刻守之神(くおんときもりのかみ)。時間を司り、支配する、時の神じゃ!」


よし、ちょっとイタイ子だけど、可愛いから良しとしよう。

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