63話 8人結集
秋とはいえ、一面が鮮やかな黄色や赤で埋め尽くされた風景は今まで見てこなかったため、思わず綺麗と、言葉に出してしまいそうなほどだった。
しかし、そんな感傷に浸っていられるのも束の間、金切り声が聞こえてきた。
「離しなさいニック!!私はフェリシア様の命令に従って任務を遂行しようとしているだけです!」
「それを止めるために僕がきたんだよ……。」
疲れたような声が聞こえてきて、さらに感傷に浸ることができなくなった。
声のした方を向くと、そこにはフェニックス、ユニコーン、グリフォン、そして尾が二つある猫、つまるところ猫又と呼ばれているオプティルトがいた。
オプティルトたちの姿はとても優美で、高貴な存在だと一目でわかるほど、彼らは美しかったが……
「うげっ……まだ生きてたのか…。」
「見たくもないものを見るこっちの身にもなってくれるかしら?あなたがどこかへ行けばいいじゃないの!」
会話がひどい、サイネリアが仲の悪い神獣もいるとは言っていたが、ここまで仲が悪いとは思っても見なかった。
特にベルとアルフの会話がひどかった。
なんせ彼らは神獣の中でも一番仲が悪い。
「元をたどればあなたの主人のせいでフェリシア様が私を使わさなくてはならなくなったのよ!」
「そっくり其のまま言い返す。お前の主人が自分を美しく着飾ることだけしか考えていなかったからグラッドが俺を遣わしたんだ。」
「2人ともどんぐりの背比べって知ってる?」
グリフォンのオプティルトがアルフとベルに話しかけた。
ニコニコしていながらも、言っていることは『どっちも同類だ』と、暗に語っている。
「なんだと!?ライサ、貴様は俺とこいつを比べるのか?」
「ライサ、冗談はやめてちょうだい。こんな低レベルのやつと比べないでちょうだい。」
どうやらグリフォンの名前はライサというらしい。
ライサは2人の言葉を聞き流し
「そもそも私たち全員が地上に降りることになった原因はあなた達2人の主君よ。」
「そんなことはない!」
「今だけはアルフの言葉に賛成だわ!私の主君は正しいことをしているのに阻まれているの!」
「ニック、ベルのこの性格まだ治ってなかったの?」
サイネリアがうんざりした声色でニックに聞いた。
どうやらサイネリアはベルのことが苦手らしい。
「あの頃からあってないし……そもそもなんで僕に聞くんだい!?」
ニックは大層びっくりした様子でサイネリアに言葉をぶつけた。
サイネリアは驚いた様子のニックを見て笑っていた。
どうやらサイネリアにも苦労をかけられているらしい。
少しして、ベルとアルフの罵り合いがヒートダウンした。
ベルはふと視線をリズたちの方に向け、動揺していた。
「なんでここに人間がいるの!?」




