49話 一大事
「サイネリア様の住んでいる森が攻撃されたのですか!?」
<あぁ…。今はなんとか見つかってないけど、いつ見つかるかもわからない状態なんだ。>
サイネリアの森においてきたオスマンのことが心配になったリズ。
しかし、昔からの友達であるソレイユは、血の気が引いたような真っ青な顔になり、自分の手を抑えて震えていた。
「オスマンは大丈夫なの…?」
震えた声でソレイユが尋ねる。
サイネリアは先ほどと変わらず、真剣な声で
<無事だよ。だけど夜中に襲撃されたからかな…疲れ切ってるみたいだ。>
ホッとしたように、ソレイユが息を吐き出した。
だが安心できるほど、サイネリアたちの現状は優しくない。
チェスとレオは焦燥感に駆られ、どうすればいいのかを考えていた。
「まさか…その場にいる人間がサイネリア様を陥れるために人間を先導しているのではないですか?」
<そんなわけないだろう…!オスマンは事情があって僕の所にいるんだ。>
サイネリアは呆れたような声でスピネルを叱責した。
しかし、スピネルはサイネリアの言葉を信じず
「そんなのわかりません!私の前にいる人間の仲間なのでしょう?きっと騙されているのです!始末しなければ……!」
スピネルの憎悪のこもった声や顔を見て、リズたちの間に緊張が走った。
一歩間違えばスピネルによって命を狩られるかもしれない。
サイネリアは大きな声で
<いい加減にしろ!!僕は今悠長に話しているほど暇がないんだ!>
はっきりと怒りの感情をあらわにした声でスピネルを咎めた。
流石に怯んだのか、スピネルは言葉を飲み干した。
<リズ、ラタムは見つかったのかい?>
「見つかったよ。あと、パームも自分は神獣だって…。」
リズは自分のパートナーであるパームも神獣だったということを話した。
正直リズは、本当にパームが神獣なのか半信半疑だった。
まぁ、ラタムとアルフがパームと知り合い?だったので、神獣であることは本当なのだろうが。
<パーム?あぁ、彼もいたんだね。>
サイネリアは懐かしそうに言葉を発した。
だがそれもほんの一瞬で、すぐに真剣な声に戻ってしまった。
<とにかくラタムとパームを呼んでくれ。なるべく早く。>
「わかった。すぐに呼んでくる!」
リズは走ってラタムやパームのいる方へ走って行った。
リズが走って行ったのを見て、慌ててチェスが追いかけていった。
ーーー
その頃、ラタムやパームたちは比較的のんびりと過ごしていたが、リズとチェスが走ってくるのを見て、何事かとかけよって来た。
「どうしたんじゃ?」
「何かあったパムか?」
「大変なの!サイネリアが…!」
「頼む!早く来てくれ!」
ラタムはアルフにも声をかけたが、アルフは『興味ない』だの『サイネリアは気にくわないから俺は行かない』だの言ってきてくれなかった。
ーーー
リズとチェスはラタムとパームにサイネリアが言っていたことを、走りながら伝えた。
ラタムとパームは、サイネリアの言っていたことを聞くと、一大事だと考え、真剣な顔つきになった。




