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魔科学世界のリズ  作者: Luna(ルナ)
3章  神の使い
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48話  緊急事態

「ソレイユ!?何してるの!?」



あまりに突飛な行動だったため、リズは思わずソレイユに上擦った声をあげた。

ソレイユは不安そうとも、悲しそうとも取れる顔を見せてきた。



感情が入り混じって複雑な顔になってるいるのを見せられ、リズはなんだか罪悪感を覚えた。

ソレイユはスピネルに向かって大声で



「私たちだってあなたの卵を取りたいわけじゃないの!あなたも卵と引き離されるのは嫌だと思うわ。だからお願い、私たちに協力して!」



先ほどと似たような言葉を再度、スピネルに訴えかける。

スピネルは怒りを忘れることなく、さらに警戒をしてソレイユたちを見ていた。



「其方…何をする気だ?」

「何もしない。卵を取らなくてもいい方法を探したいだけよ。」



スピネルはソレイユの言葉を微量も信じていないようで、警戒心を含んだ目を細め



「そのように言って卵を奪うつもりか?それともなんだ?私の命を狙っているのか?其方等人間が思いつきそうなことだ。」

「ちがっ!違う!」



スピネルの言葉に、リズは少し苛つきを覚えた。

ソレイユがここまでスピネルに訴えかけているのに、スピネルは信用どころかこちらのことを見透かしているかのような顔でひどいことを言ってくる。



譲歩してるんだから受け入れろ、とまでは思っていないが、何故そこまで皮肉めいたことしか言わないのだろうか。



リズはスピネルのことが嫌いになりかけているが、大昔に起こった大戦では、スピネルたちのようなドラゴンが多く被害を受けた。



リズたちがあったことのあるドラゴンはサイネリアと、今目の前にいるスピネルだけだが、サイネリアは大戦が起こった頃下界にいなかった。



サイネリアとは違い、大戦で自分の家族や友を失ったスピネルは、人間を信用することなんてできない。



それもこれも、大戦の時に人間が使った戦法が、相手と友好な関係を作り、内側から奇襲をかけて殲滅するという、極悪非道な戦法だったのだ。



方法としては効率的かもしれないが、人としてはどうなのだろうか…。



「嘘をつくな!其方等の先祖はそのようなことを言いながら私たちを絶滅に追い込もうとしたのだ!!」

「なんでソレイユの言っていることを信じてあげないの!?昔と今は違うんだよ!?」



ついにリズの堪忍袋の尾が切れた。

ソレイユは今にも泣き出しそうな顔をしていた。



友達が傷つけられて、黙っているわけにはいかない。

しかし、リズがスピネルに向かって怒りをあらわにすると、チェスやレオが慌てだした。



「おいリズ!気持ちはわかるが落ち着け!」

「そうだぞ!小生たちがここにきた理由を忘れるな!」



「だっておかしいもん!わかってくれたっていいじゃない!」



スピネルはイライラしていることを隠そうともせず、無意識に自分の体内に魔力をためていた。

リズたちは気づいていないが、スピネルは無意識のうちに体内に魔力をため、リズたちに向かって攻撃しようとしている。



しかし、今それに気づくほどリズたちは冷静ではない。

ついにスピネルが攻撃魔法を打とうとした時



<マリー!魔法を打ってはいけない!>



リズたちが聞いたことがある声がその場に響いた。

しかし、その声はどこか焦りを感じさせる声色だった。



「サイネリア様!?何故ですか!?」



どうやらサイネリアの声だったらしい。

しかし、この場にサイネリアの姿は見えない。



リズたちは知らないが、この時サイネリアはテレパシーの魔法を使っている。

しかし今、スピネルはサイネリア様と呼んだが、スピネルはサイネリアのことを知っているのだろうか?



「サイネリア?」

<あぁ。そこにいるのはリズたちなんだね。>



サイネリアはリズたちがいることを知ると、どこかホッとしたような声で話しかけてきた。

だが、すぐに真剣な声になり、スピネルに言葉をかけた。



<君が相手にしている人間たちは、本当にこの戦争を止めたいと思っているんだ。攻撃なんてしてはいけない。>

「ですが…!」



<それよりも聞いて欲しいことがあるんだ。リズたちも聞いて。>



サイネリはリズたちが思っていなかったことでもあり、恐れていたことを口にした。



<随分前、人間たちが本格的に戦争の準備をし始めたんだ。>



サイネリアは続けて



<実は僕の森が人間たちに攻撃されたんだ。まだ炎の魔法は使われなかったから森自体は無事なんだけど、僕たちは今追われてるんだ。>



ついに自分たちの故郷はすぐ近くにあるサイネリアの森の生き物たちに攻撃を仕掛けた。

炎は使われなかったと言っていたが、何をされたかわかったものじゃない。



リズはその報告を受けた時、自分の体内の血液が冷めていくのを感じた。

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