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閑話 友達




 今日は友達について話すね。


 親と友達の違いって分かるかい?


 友達って嫌いになると、友達じゃなくなるよね?


 でも親って、嫌いになっても親じゃなくなるわけじゃないよね?


 これが親と友達の違いだよ。



 ん? 嫌いになったって、友達は友達だよだって?



 うん、そういう親のような友達は、特別に『親友』って言うんだよ。


 そういう友達こそ、大切にしなさい。


 一生のうちで一人か二人くらいしかできないからね。




 いいかい? 友達は、お前に心を開いている。


 心を開いているとは、お前が楽しいと友達も楽しく、お前が苦しいと友達も苦しい。


 だけどね、親友でないただの友達は、お前から楽しさだけが欲しくて、苦しみや悲しみのような辛い心を共にしたくなんかないんだ。 


 それどころか、苦しみや悲しみを友達に与えるお前を敵だと判断しちゃって、攻撃ーーーイジメてくるようになるんだよ。


 ただ、好きなだけだから、嫌な感情は受けとりたくないんだよね。


 ハルだって、自分を嫌な気持ちにさせる友達とは一緒に居たくないだろ?


 だからね、親友でないただの友達には、自分の悲しみや苦しみ、心の辛さーーー自分の弱味を見せてはいけないよ?


 それを作り笑顔で隠さなくちゃいけない。お前が笑顔でいる限りーーーそう、その限り、限定で、友達はお前の味方でいてくれるよ。





 そして、友達ってね、選ぶものなんだよ。


 ハルがいくら好きでも、相手がハルのことを好きじゃなかったら、友達とは言えないんだ。


 逆を言えば、ハルも好きじゃない人と、友達にはならなくてもいいんだよ。


 そういう人と友達になっちゃダメだ。


 イヤな(やつ)とは仲良くしなくてもいいんだ。


 お前には、憎しみが足りないんじゃないか?


 憎しみはなにも生み出さないと言うが、憎んで当然な時に、憎しみを持たないような、不自然な人間にはならなくていい。


 そんな場合に憎まないような、強固な人格(ペルソナ)は、命の呼吸を止めるぞ。


 精霊使いは、愛も憎しみも、存在の全体性から来る力ーーー全力で生きる。


 以前、「自分と同じものを大切に思ってくれる人のそばにいなさい」って言ったけど、今回はそれを逆から言うね?


 「自分の大切なものを大切にしてくれない人のそばにいてはいけない」


 だから、ハル。


 大切なお前を大切にしてくれないーーーお前をイジメる人のそばにいちゃダメだぞ?


 友達は選びなさい。


 悪い人と友達になっちゃダメだ。



 ん? 昔は仲好しだったのだって?



 あぁ、そうそう、言って置かなくてはならないね。


 信じられないかも知れないけど、友達って変わるんだよ?


 時間とともに変わっていっちゃうんだ。


 時間は、時に優しく、時に残酷(ざんこく)に全てを変えて行くのだから。




 人は全知全能の神様ではないよね?


 人はみんな、自分のできることまでしかできないよね?


 ハルにイヤなことを言ったり無視したりする人はね、こう言っているんだよ。



 「私にハルを助けてあげることのできる力が足りません。申し訳ありませんが、私の手と目の届くところには居ないでください。そうしないと、助けることができないのに、助けようとしてしまうから。このような無理をすると自分が(こわ)れてしまうのです」




 全ての人を助けられるわけがない。


 これが人の(うつわ)だよ。





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