そして………
これでたぶんきりの良いとこだと思います
これで連日投稿ラストです!!
その後として、最低でも一ヶ月に一回のペースで投稿します
どうかよろしくお願いします
「――――っ」
話を聞き終えた義哉は息を呑んだ。思いつかない、想像を絶する弥嗣の過去はかなり重い。そして大きな十字架を背負っていた。
敵の呪いのせい、とは言え両親をその手で葬ったのだ。その思いは計り知れない。
そう考えて、導いた結論に義哉は驚きの眼差しを弥嗣に向けた。
「弥嗣、呪いはまだ……」
その言葉に弥嗣はワイシャツのボタンを外した。
弥嗣の胸にある黒い茨のアザに目をひかれる。それは円を描き、中央にその茨を伸ばしている。しかも、その茨はもう少しで繋がるほどだった。
それが意味するのは――。
義哉は固まるしかなかった。弥嗣に残された時間はあと少ししか残されていない。そして、茨が繋がれば弥嗣は死ぬ――。
そんな思いが駆け巡る義哉の様子が弥嗣には手に取るようにわかった。
弥嗣はワイシャツのボタンを止めて呪いのアザが見えないようにした後、固まったままの義哉に告げる。
「義哉、もういいんだ。俺は十分生きた。親を殺した罪を全て償えてはいないけど、もう無理だから」
そうして、儚い笑みを浮かべた。
弥嗣の浮かべた儚い笑みは今にも消えてしまいそうで、義哉は口を開く。
「お前はそれで、いいのか!!」
弥嗣は義哉の言葉に俯き、拳を握りしめる。
「――いいわけ…ないだろ…」
硬く握られた手が白くなるほど強く握られ、呟かれたその声は悔しさや苦しさが滲む。弥嗣は続けて、口を開いた。
「今まで、親が死んでからずっと呪いに苦しめられた……。ここ一、二年は犯罪者を見た途端、自分が自分じゃなくなるみたいになるときがある……俺はそれに逆らえなかった。そうして、殺し続けて今まで生きてきた。学園で犯罪者を見た時にそれを押さえられたのが奇跡なぐらいに。自分の身勝手な理由で犯罪者を殺すのは悪だとわかってる。けど、そうするしか、両親にたいしての償いをすることしかできない。そして、その償いすら満足にできてない――――だが、もう時間がないんだ」
弥嗣の口から紡がれた言葉。それは真実であり、弥嗣の心の叫びであった。
悔しそうに顔を歪める弥嗣。そんな弥嗣に義哉は口を開いた。
「弥嗣、明日の朝からちょっとつきあってくれないか?」
「いいけど、何で?」
弥嗣にとって、何故そんなことを突然言い出すのか疑問だった。
「いきなりで驚くかも知れないけど、俺も弥嗣に隠してたことがあるんだ」
そう告げて、懐から出したのは一つのガード。そこには、こう書かれていた。
【警視庁 特殊事件科
嵯峨 義哉】
「え……」
呆然と呟く弥嗣。そんな弥嗣を見て、義哉は頭を下げた。
「黙っていてすまなかった」
瞠目する弥嗣。だが、次の瞬間には笑って口を開く。
「頭をあげろよ、義哉。黙っていたのはおあいこだ。それに、俺が巻き込まれるのを避けたんだろ。見たところ、危険そうな科だし」
今度は頭を上げた義哉が、瞠目する番だった。
弥嗣の言ったことはまさにその通りで、義哉の所属する特殊事件科は危険がつきまとう仕事だ。実力がないとやっていけない世界だ。それに加え、周りの人に危険が及ぶことだってある。義哉はそれを危惧して、秘密にしていたのだ。
義哉は2年前、その実力を見抜いた警視庁によって勧誘され、所属することになった。最初の時は死にかけたことなんて、数えきれないぐらいあった。今ではあまり危険な目にあったことは少ししかない。
やっと、慣れてきたということなのだろう。
「まぁ、俺に危険なバイトしてないか聞いてきたやつが、危険な仕事してたのにはさすがに驚いたが」
その事を聞いて自然と義哉の頬が緩む。
「あぁ、そうだな」
懐かしむかのように義哉は天井を見る。
「色々あったが、俺はお前を許すよ」
「ありがとう」
弥嗣の言葉を噛み締めて義哉は顔をあげる。そして、大切な友達を救うための方法を告げた。
「1年前ぐらいの仕事仲間だった奴がいたんだ。そいつが呪いを解けるかも知れない――――」




