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魔法頂点  作者: 案山子凛
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プロローグ

 ラシエルが生まれたその年。

 魔法界の頂点に君臨する大魔導士に任ぜられたのは「エルーラ」という魔法使いだった。


ーーこれは、魔法界初の女性大魔導士の誕生を意味した。


 一般魔法使いの父と母を持ったエルーラは、成り上がりの大魔導士であったことから、上級魔法使いからのやっかみは激しかった。

 一方で、一般魔法使いからの支持が厚かった。


 ラシエルが2歳になろうとする頃。

 エルーラを排除しようとした7名の魔法使いによって、魔法界は7つに割れ、戦いの火の手が上がった。


 エルーラは最強だった。

 エルーラの魔法に勝てるものなど、その年には存在しなかったのだ。

 エルーラは、自分の信頼できる部下たちとともに、7名の反逆者たちを治めようとした。


 エルーラは、魔法界に生きる人々を守りながら戦った。

 それにはとてつもない力が必要だったが、エルーラは1秒たりとも魔法を止めることはなかった。

 戦いの口火が切られてから3ヶ月経った頃。

 エルーラが冷戦状態だった戦争下で、一度だけ愛娘の顔を見に行ったときのことだ。

 自分の子を抱き抱え、微笑んだときに見せたエルーラの一瞬の隙を7名の魔法使いは見逃さなかった。


ーーエルーラは封印された。


 愛娘は、信頼している部下のひとりと何とか逃げ切ったが、行方はわからず、7名の魔法使いはエルーラの愛娘まで排除することはできなかった。


 そして、魔法界はプライドリア、グリードリア、エンヴィリア、ラースリア、ラストリア、グラトニア、スロウシアの7つの国に分かれたのだ。

 それからは、それぞれの国のNo. 1魔法使いが国王となった。

 エルーラが封印されて以来、魔法頂点には誰も君臨していない。



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