第十九話 終わりと始まり
「お疲れ様でした。イツ・キ様」
学校に戻ったイツ・キ達をレイ・ラが出迎えた。
「戻りました。何か変わったことは?」
荷物を下ろしつつイツ・キが言った。
「一件後で報告することがありますが、急を要することはありません」
「分かりました。私は塔に今回の報告に行きます」
イツ・キは荷物を持つとそう言った。
「はい。その後にお時間を」
「分かりました。では、後で」
「はい。荷物は部屋まで運んでおきますので、このまま塔へ」
レイ・ラは自分の言葉通りに荷物を受け取るために、手を伸ばした。
「そう…では…」
イツ・キは一瞬考えるしぐさをすると、素直にレイ・ラに荷物を渡した。
「お気をつけて」
イツ・キと共に帰ってきた二人も加わり、三人でイツ・キを見送った。
―――――コンコンコン―――――
「どうぞ」
塔への報告が終わり、部屋に戻ると落ち着くまもなくレイ・ラが尋ねてきた。
「失礼します」
「レイ・ラ。荷物をありがとう」
イツ・キはレイ・ラにソファーを勧めつつ、自分も座った。
「いいえ。…塔のほうはいかがでしたが?」
「いつも通りです。あそこは人は変わっても、何も変わらない…」
何世代人が変わっただろう。
それでも変わらない不思議なところ。
「そうですか…明日には増援の隊がこちらに戻ってきます」
イツ・キが塔にいる間に上がってきた情報だ。
「分かりました」
「それから、一つ報告が」
「さっき言っていたことですね」
「はい」
「何がありました?」
イツ・キが先を促した。
「今は何も」
「今は?」
「はい。巫女達が騒いでいるのです」
巫女とは神聖な場所を守る番人。
神に仕えし者達。
巫女には大人も子どももいる。
巫女のいる所には参拝者が頻繁にやってくる
その中でソウルハーフが見つけるので、イツ・キほどでないが、長い間子どもでいる者が多い。
「…どこの巫女が?」
「はい、霊山を守る巫女です」
「西の御山…」
国の西には大きな山がある。
そこは『力』にあふれていて、その『力』はずっとこの国を支え守ってきた。
そこを人は霊山と呼ぶ。
「はい。そうです」
イツ・キは座ったまま窓の外を見た。
「…何を言ってきました?」
「はい。『山が騒ぐ』と」
「『何かの前兆かもしれない』と?」
「はい。そのためにイツ・キ様の派遣を要請しています」
「…分かりました。神殿との連絡を密に。何かあれが連絡を」
「はい。分かりました。しかし…」
レイ・ラが言いよどんだ。
「何か?」
「はい。巫女達はすぐにでもイツ・キ様に来てほしいいと…」
「…分かりました。では、明日ここを発つことを知らせておいてください」
「はい。すぐに」
そう言うとレイ・ラは慌ただしく部屋を出て行った。
「『混乱期』がどこまで…」
ポツリとこぼされた言葉は誰のものだったのだろうか。
翌日。
イツ・キは出発した。
それが、イツ・キの人生にとって運命の分岐点となる。
ここから先は、他の小説にイツ・キが出てきてしまうんです・・・
どっちを完全に終わらせるか決め手から色々しますんで・・・




