とある字書きと執筆スタイル
割と実験的にやってみた連載執筆だったけど、やってみると結構いいかも?
割とお試しで、というつもりで始めた今の連載小説だけれど、思った以上に上手く続けられているように思う。
他の回でも書いたけれど、今の連載している「この異世界によろしく -機械の世界と魔法の世界の外交録-」は、ある作家さんや動画作成者のやり方を見て、気づいたこと。長編小説の書き方についての記事を見て、そっちのやり方でやっている。
で、結論から言うと、この「自分に合った執筆スタイルを知る」というのはかなり重要だったのではないだろうか?
そんな風に思うのだ。
小説の基本的な書き方の指南では。
まず、プロットを考えよう。
次に、下書き(ラフ書き)して、捨て原稿を作って全体イメージを固めよう。
最後に、清書しよう。
ね? 簡単でしょ?
な、ものを見かけた事が多い気がする。全然、簡単じゃないけれど。
しかし、これが自分には出来ない。
自分の抱えていた悩みとは何か? 指南通りに出来ない問題とはどこか?
それは「プロットや設定を最初から細かく詰め過ぎる」である。
プロットの時点で細かく考えすぎて、設定の矛盾を埋めようとあれこれ考えて、塩漬けになる話。なお、ここまでで大抵挫折。
じゃあ、設定も問題無さそうとかまでクリアして、下書き(ラフ書き)しようとする。今度は凝り性な性格がむくむくと表に出て来て、気付けば本番原稿になってしまうという。そして、設定の粗を見付けてしまい、再設計からの塩漬け行きとなる。
あとは、どこかに応募しようみたいな話を考えると、当初の予定の1.3から1.5倍くらいの字数となり、募集要項の規定を守れなくなってしまうという。
これじゃあ、「あわよくば」の夢も抱きにくい。
短編だったら、問題無いのだ。
数千字から2万字程度の話なら、設定もシンプルでいい。執筆も最初から清書モードで一気に書けばいい。
ある意味では、ストーリー構成力を鍛えよう、文章表現力を鍛えようと、こうした短編を(主に二次創作で)やってしまったがための問題なのかも知れない。
本当に書きたいのはオリジナル長編だったのだけれど。
そんなとき、長編の書き方には二つあると知った。
1つは「最初から最後まで完全にストーリーを決めているもの」。
もう1つは「短いエピソードを繋げ、結果、長編となるもの。場合によっては結末も最初は決めていない」。
後者の方法を知り。 創作論で見かけた「ストーリーというのは入れ子構造になる」みたいな話の意味が漸く分かった気がする。
ふと、ここで自分は考えた。「あれ? 無理に全部考えなくていいんじゃね?」と。
というか、本当に向いているのはこっちではなかろうか?
だって仕事がそうなのだ。プロジェクトの大雑把な年単位スケジュールが有って、フェーズが近づいたら、そのときになって数週間から数ヶ月の計画を考える。
要するに行き当たりばったり? いや、実はプロジェクト管理手法として普通の事だし。でもって、これで仕事してきて何とかなってるし。
となると、次はこのやり方の実行方法について考える。
体力的に無理の無いペース。週に一回か二回。1エピソードにつき数千字くらいなら?
設定。まずは大雑把に。致命的に詰む可能性のあるものだけ、回避する方向で。
ジャンル。これまで書いたもの(塩漬けの社会学的恋愛物語)から考えて、性格的に社会的な考察、シミュレーションするのが向いていそうだからそれでいこう。
ネタや話の基本構成。要するに、その場で考えられる「問題」を何とかしていけばいい。プロジェクトと同じ。
字数。枠を考えると面倒だから、今回は考えない。
モチベーション。反応を知らないと維持は辛いから、どこかで投稿連載で。少しでも見て貰えたらラッキーと考えよう。
こうして始めたのが「この異世界によろしく」である。
やってみると、かなりやり易い。作中時間の経過とともに問題は発生するし、困ったらその場で設定追加すると何とかなる。
大雑把なシナリオはあるから、あとはそれを逸脱しない範囲でエピソードを作ればよいだけ。
色々と、これまで越えられなかった壁は越えられたような気がする。
字数見積りだけは、予定オーバーだけど。
そんな訳で、創作のやり方は様々かも知れないけれど、実は本人合ったスタイルを見つけ出すというのは、結構重要なのではないかと思った。
知っていた人には、「何を今さら」とか笑われそうだけど。
自分の場合、字数制限あるときは、まずは短めの話にしておいて、適当に字数やエピソード水増しした方が楽なのかも知れない。