報告の来たホーデン領とフソウ国
セリカからメールが来たので、見てみるとルバス領の東にある男爵領で作っているワインを使っての新種のお酒の話だった。
「ふぅ〜また始めるのか。やる事が増えてくるな。
取り敢えず義兄上に連絡をしてみるか」
ダイナがレックスに電話をかけると丁度こちらにかけるところだったらしい。
義兄上は面白そうと言っていたが、鉄道の事を考えると頭が痛い。
義兄上はルバス家と男爵家がメインになってやれば良いと言っていた。
取り敢えず年末にでも王都に集まって話しをすれば良いと言っていた。どちらにしても直ぐに出来る物でもないから、それで良いのか。
ルシーダとカリーナにも言っておくか。
◆
夕食の後にリビングで、ルシーダとカリーナにセリカからのメールの事を話した。
「今日セリカからメールがあり、新しいお酒を作りたいと書いてあった」
「それはシュワシュワのプハーとか言うやつなの?」
ルシーダが期待しながら聞いて来た。
「いや違う物で、ワインを使うと書いてあった。セリカが4歳の時にそんな事を言っていた記憶があるのだが」
「そう言えばあったわね。あの頃のセリカは可愛かったわ〜。最近は生意気なとこがあるわよね。誰に似たのかしら」
ダイナとカリーナはルシーダの方を見た。
「えっ私?」
「そうですよ、お母さんにそっくりですよ。暴走具合が」
カリーナが言った。
「私暴走なんてしてないわよ」
ルシーダは素知らぬ顔をする。
「そう言う事にしておきましょう」
カリーナはやれやれと呆れている。
「話を戻すとワインの工房のある男爵家とルバス家、ホーデン家の3家での合同事業としたいそうだ」
「何故3家で? 単独で良いと思いますけど」
カリーナは疑問に思った。
「作る物がお酒だからだよ。ワインとエールは色々な所で作っているが新しいお酒が出れば、その利権を欲しがる貴族は大勢いる。物が良ければ独占して高値で売れるから、その対策だろう。ルバス家は高位貴族で、家は魔導具や食品等をその領から撤退させる事が出来るし、鉄道が通っていれば毎日停まっていたのを週に1回にするとかにも出来る」
「後ろ盾をつけると言う事ですね」
「そう言う事だ。それでルバス家と話したが年末に王都で話そうと言うことになった。セリカも王都だからな。それと王城での情報の収集だな。
取り敢えずはその様な話があると承知しておいてくれ。
それから来週からは鉄道の工事に入るから準備をしておいてくれ」
話しは鉄道の方に移り、これからの予定を打ち合わせていた。
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ルバス家でも同じ様になっていた。
レックスは執務室にトレジア、シフォン、プレオを呼んで、セリカが送って来たメールの事を話した。
「今度はお酒ですか? セリカさんも色々と思いつきますね」
シフォンが言って来た。
「そうだな、最近では船の改造迄やっているからな。船から帆を無くして風に左右されない様にしているそうだ。それに試験航行迄やっていると言っていた。
船の話はまたにして、ダイナと話したが年末に王都で話す事にした。セリカも向こうにいるからな。
それでシフォンに私の補佐をして欲しい。
セリカと仲が良いのと領内の発展をやっているなら勉強にもなるはずだ。それによってシフォンもレベルアップ出来る。どうだ」
「はい、やりたいです」
シフォンがやる事を決めたので、今後の打ち合わせを続けた。
◆
打ち合わせを終えたシフォンは自室に戻り、先程の話の事を考えていた。
(お酒の事は良く分からないけどやり方によっては家の領地も潤うと言うことよね。
今まではセリカさんがやって来た事は見て来たけど、各工程とかは分からないから今回の事は良いチャンスよね。頑張ってみましょう。先ずはワインの事を勉強してみましょう。
そうだカリーナさんにもメールしておきましょう)
シフォンは決意をかためた。
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フソウ国ではミラージュから来た手紙を皇王が読んでいた。
「風に左右されずに航行出来るスクリュー式が形になったと言うのか。それにコンテナと言うのを使っての貿易か。ホーデン男爵は面白い事を良く考えるものだ。ミラージュもそうだがその上を行く、面白いな。
この手紙に書いてある事が本当ならば、輸送日数の短縮、大量の輸送が出来ると言う事だな。
荷物の積み降ろしも楽に出来、時間の短縮になるのか。
それにこの国で船の改造、販売も出来ると言うのもありがたいな」
皇王は暫く考えた後に侍従を呼び、宰相を呼ぶ様に指示をした。
暫くすると宰相が皇王の執務室に来た。
「陛下、お呼びでしょうか?」
「あぁこれを読んで意見が欲しい」
皇王が宰相に手紙を渡すと、読み始めていたが内容に驚いていた。
「驚きました。エンジプト王国と言うのはこんなにも技術が進んでいるのですか?」
「国自体ではなく、ホーデン男爵とその子飼いの者達と言う事だな。ミラージュの話では魔法以外ではそんなにも変わらんそうだが、フソウは戦争からの復興を最優先にしてきているから上から下迄考える事をしている、向こうの国はホーデン男爵の周辺以外はそうでは無いと見ている。実際向こうではホーデン男爵が今までやった事が最先端であるからな。
ミラージュも触発されて負けじと頑張っているが、中々追いつけないそうだ。
まぁホーデン男爵もミラージュにそう思っているかもしれない。あの2人は良いコンビだな。
話は戻すが、船の改造をこちらでやりたいと思っているのだが意見が欲しい。
出来ればスクリュー式の魔導具もこちらで作りたいと思っているのだが」
宰相は少し考えてから発言をした。
「少し時間をいただけませんか? 魔導具師や造船関係者と話をしたいです」
「かまわんぞ、直ぐにやる事でもないからな」
皇王の話しが終わると宰相は退出して、関係者を集めるのだった。
皇王はこれからを思うと楽しいと思っていた。
鉄道や船もそうだが、ミラージュの成長が嬉しかった。
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