閑話 東部方面
東の公爵領に辺境伯や砂糖の伯爵等の主だった貴族が集まっていた。
最初に辺境伯が話しを始めた。
「良く集まってくれた。本日は東部方面のこれからの事を話し合いたいと思い、公爵様より話があったので集まってもらった。
先ず各方面で現在わかっている事を言って行く。
○ 北部 海産物の出荷の増加。
王都でのパイロットショップの開設。
鉄道の準備。
○ 西部 鉄道の延長工事。
隣国との貿易量の増加。
公爵領等主だった領都の発展。
○ 南部 南側からに西側にかけて発展。
鉄道の東への延長工事。開通済。
別大陸との貿易。
隣国との貿易。
最先端の魔導具の開発。
食品の開発。
化粧品等の開発。
塩、砂糖の販売。
領民への寺子屋教育。
以上となる」
辺境伯が言った後に公爵が聞いて来た。
「鉄道の東延長は何処までやるのだ? 西の様にこっち迄来るのか?」
「いえ、3領で現状は終了です。この工事はホーデン家の3女が居ない状態での工事が出来るかの実験だそうです。上手くいったので西の工事の前倒しで始めるとの事です」
「それが終われば延長すると言うことか?」
「いえ、開通部分の経営や北部、フソウ国へのアドバイザー的な事をやる様です。
フソウ国からは研修と言う事で一緒に西の工事をすると聞いています。北も入って来る可能性は有ります」
「東はどの様にするのだ?」
「何もしていないので決まっていません。一応下調べはしていますが、利益を求めると辺境伯領から砂糖の伯爵領を通り南側の伯爵領に向ってから南側の侯爵領に入り、公爵領が終点かもしくは南の侯爵領にもって行き南の公爵領ですね。後者の方が利益が多いです」
「そこまでやって何故やらん!!」
「東としての方向性が決まっていないからです。
特に出資の関係ですね。東には南のホーデン家の様な所はありません。それに失敗した南の公爵様は相当な借金となっています。とてもでは無いですが単独や地方領では出来ません。その辺りをしっかりやらないと失敗すると思われます。公爵様にも考えてもらます」
「ワシもか」
「そうです、公爵様は東の頭ですから、この問題は誰かに投げて終われる程簡単な事ではありません」
「わかった、少し時間をくれ。それで砂糖の方はどうなんだ?」
公爵からの質問に砂糖の伯爵が答えた。
「南以外では順調です。南でも売り上げは0では有りません。使い分けをしている様です」
「使い分けだとー、どう言う事だ」
この事については、引き続き砂糖の伯爵が話しをして、南では混ぜたりする物には南部の砂糖を使い、見映えが必要な所は東の砂糖を使っていると言い、高級品扱いとして販売されている。
甘味等では粉の様にして、ふりかけて使っていると聞いたと言った。
砂糖の話の後も東部での問題点等の話し合いをしたが、国内において東部が1番遅れていると言う認識になった。
ホーデン家との繋がりも砂糖の販売開始時迄なのでほぼ無いといわざるを得ない。
学園でもセリカとの縁を持った生徒はいないと分かった。
セリカとの政略結婚をと言う話しになったが、経済力ではほぼトップと言うこともあり、こちら側が下になってしまう。また以前海が無い所には行かないとの発言を聞いたと言う話も出た。
ホーデン家に協力要請してはと言う話も出たが、何に対しての協力なのかは思いつかなかった。
今回の話し合いは終了となったのだが、珍しく何も決まらない話し合いとなった。
解散となり各々の泊まっている宿に戻った。
◆
宿に戻った東の辺境伯は同じ宿に泊まっている貴族と軽く酒を飲みながら話しをしていた。
「やっぱりこっちに押し付けるつもりだったんだ。
とりあえず釘は刺しておいたから良いだろう」
辺境伯が言うと他の貴族が言った。
「鉄道と言うのはそんなにも難しいのですか?」
「簡単ではないな。初期投資が結構かかる。
前に新年の後に決闘が有っただろう。確かホーデン家が勝てば東への延長分の借金を払ってもらうとか言っていたから、負けた侯爵に其の金額を見せてもらったが結構な金額だったよ。3領を通すだけでこれだけかかるのかと思った。ただ作るだけだと赤字の垂れ流しだよ」
「そう考えるとホーデン家は凄いのか?」
「ホーデン家だけではないな。鉄道や砂糖をやり始めてからは地域的に纏って来ていて、お互いに助けあっているのもあるが、商会を上手く使っている。
今1番勢いがあるはずだ。国内の販売、食品の製造、貿易と手広くやっている。8年前は南部の特産品を販売するだけの商会だったはずだった」
「やっぱりホーデン家の3女がキーマンになるのか?」
「そうだな、全部と言っていい程3女がやり始めている。それで学園に入ってからは3女に触発されて、西の公爵家や北の辺境伯家、王族迄が動き出している。
後、未確認なのだが使っている魔法が我々と違うそうで、学園でも何やら動いているそうだ」
「もしかして現陛下就任の時の花火の事ですか?」
「そうだ、あの時東の公爵様が全部の門でやるべきと言ったのだが、やれる魔法師がいないと言って却下されて、それでもと言ったら宰相閣下に「出来る魔法師を集めてくれ。勿論西の分もな」と言われて引き下がった」
「あの時機嫌が悪かったのは其のせいか」
「そう言う事だ。今回の事は取り敢えずは公爵様次第と言う事だな。一応皆も考えておいてくれ」
一緒にいた貴族は頷き、酒宴を続けた。
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