第025話:実技訓練1
五十嵐優:ゲーム中の主人公。仲間思い。
柳伸:五十嵐のルームメート、女性主人公の場合攻略対象の1人
吉野織姫:ヒロインの1人、世話焼き体質であり、五十嵐の幼馴染ポジ
三島風音:ヒロインの1人、曲がったことが嫌いな性格、刀術道場の娘
日陰忍:ヒロインの1人、目隠れ美少女、千鶴と同室
平岡昭義:F組担任
■鑑定眼鏡:
虫眼鏡のような形をしたアイテム、5層ごとに存在する階層ボス呼ばれる強いモンスターからのドロップが多い。
鑑定眼鏡を通してダンジョンから出たアイテムを見ると名称や効能、効果が分かる。装備品はさらに攻撃力や防御力なんかもわかる。
鑑定眼鏡には鑑定可能レベルがありそれを超えるアイテムは表示されない。強化パーツは20層以降から取得可能
DRDでは全てのアイテムはダンジョン産だったため不明だったが、リアルではダンジョン外の素材もあり、それらは覗いてみても表示されない。
打ち上げられたガスマスクがいた。
「シュコーシュコーシュコーシュコーシュコーシュコー」(白雪)
「生きてるかー?」(加藤)
「シュコーシュコー」(白雪)
「だめらしい」(加藤)
「運動苦手そうだしな」(黒田)
その隣には打ち上げられた忍がいた。
「…………」(忍)
「忍大丈夫?」(千鶴)
「……ぁぃ」(忍)
「おお、返事したぞ」(黒田)
「白雪より上だな」(加藤)
その隣には打ち上げられた陽子がいた。
「陽子ちゃん大丈夫? ゴブリン肉食べる?」(小町)
「……それはいやっす」(陽子)
「こっちも意識はあるな」(黒田)
「白雪より上だな」(加藤)
その隣で七森が座っていた。
「疲れた」(七森)
「そうかにゃ」(ミーナ)
「七森は意外と体力あるな」(黒田)
「白雪より上だな」(加藤)
「ところで加藤、語彙力無くなってるぞ」(黒田)
「移動すら車を使う営業職なめんな……逆になんで黒田はそんな元気なんだよ。同じレベル1だろ?」(加藤)
「野球やってたからな、加藤は文科系か?」(黒田)
「ふっ、一応生徒会やってたぜ。書記だがな」(加藤)
「まじかよ」(黒田)
「あら、私は会計やってました」(千鶴)
「あ~なんかわかる」(加藤)
「もしくは風紀委員な雰囲気」(黒田)
「よく言われますね」(千鶴)
加藤達が自身の体力の無さに打ちひしがれている頃、同じ運動量の五十嵐達は大きく疲れていないことに感動していた。
「凄いな、あんだけ走ったのに全然疲れていない」(五十嵐)
「レベル3で人外とはよく言ったもんだな」(柳)
一通りの逃走訓練が終わると生徒を一所に集める。
「それじゃ今日はスキル実習の予定だが、その前にHPの回復とMPの回復について話そう」(平岡)
「まずHPだが、左と右に別れていて、左がLP、右がBPというのは説明したな。そしてLPの方が重要というのも前回の説明通りだ」
「BPについて1つ踏み込んで話そう、まずモンスターからダメージを受ければBPが減る。最もBPが減る原因がこれだ」
「他にもあるんですか?」(五十嵐)
「ある。しかもBP自体ではなくBPの最大値が減る現象だ。これは無理な動作をしたときに発生すると思われる」
「例えば肉離れやアキレス健が切れるといったものがあるだろう? そういうときに探索者はBPの最大値が減少してそれを肩代わりすると推測されている」
自傷によるBPの最大値の減少は故障が起きた部位のみの話である。その部分だけ脆くなると考えれば問題は無いだろう、当然減少分のBP自体が無ければ故障する。
現実ではBPの細かい仕様が解っていないため当然このことも判明していない。ただ判明していないだけでそうではないかと思われている。
「BPの回復についてはは単純で非戦闘状態のときに自然回復していく、非戦闘状態とは何かといわれると答えづらいのだが、体が緊張状態でないときだな」
「休んでいるときはもちろん、ただ歩いているときも回復していく。回復する値は1分毎に最大BPの4%で固定されている」
「つまりどんなにBPが上がっても25分で完全回復することになる。また、【レッサーヒーリング】等のスキルでも回復する」
「ただしBPの最大値の回復は長時間を要する、1日2日とかそういった単位の話だ。もし25分経ってもBPが少なく感じたらそれ以上の探索はやめた方がいいだろう」
「LPの回復については説明がしずらい」(平岡)
「なんでですか?」(五十嵐)
「まずどういうときにLPが減少するかから話そう、探索者は基本的に外傷を負うことがあまりない」
「理由は言わずもがなBPがあるからだ。だがBPが無くなると普通の人間と同じように外傷を負うようになる、そしてこのときLPが減少することが確認されている」
「一番単純なのが出血だな、基本的に人間は血液の25%を失うと失血死することになる」
「探索者も人間と同じ原因で死亡するとLPは血液量の4分の1ということになってしまう」
「だがLPはレベルが上がると増加する、そうするとレベルが上がると血液が増えてしまうことになるわけだ、さすがにそれはありえない」
「そうすると出血量が減少するのでしょうか?」(千鶴)
「いや、レベルが上がってもそのようなことは確認できなかった」(平岡)
「止血までの時間ですかね?」(白雪)
「かもしれんな、出血だけならそう結論付けられるのだが内蔵の損傷、骨折などでもLPの減少が発生するのは確認されている」
「LPがどんなに上昇しても心臓や脳にダメージを受ければ即死する。だが、肺や肝臓その他臓器に関してはLP増加による延命が見られるんだ」(平岡)
「う~ん、細胞自体が活性化してるとかですかね?」(白雪)
「多分な、そのためLPはライフポイントもしくはライヴポイントの略だろうといわれている」(平岡)
「そうすると理論上、LPが1のときに箪笥のカドに小指をぶつけて骨折したら死ぬこともありえると」(白雪)
「まぁ、そうなるな。理論上だが」(平岡)
「BPはどうなんですか?」(五十嵐)
「うん? ああ、今の所はバリアポイントじゃないか? と言われているな、少数だがバトルポイントとも言う人がいるな」(平岡)
「バッファポイントはどーですかぁ?」(メリッサ)
「何故?」(平岡)
「バッファには余剰とかー余裕いう意味がアリマース。ライフポイントだとするなーら命の幼女ーでバッファデース」(メリッサ)
「……うーん、最後のは天然かわざとかわからないが、それは置いといて面白い例えだ」(平岡:白雪を見ながら)
「アメリカ人はカタコトで話せとお母さんの教えです」(メリッサ)
「「「「「「「「…………」」」」」」」」
あまりのCOに平岡もクラス全員も加藤たちでさえ固まった。白雪、愛宮姉妹は除く。
DRDではメリッサの考えでバッファポイントとなっている、次点でアーマーポイントという案もあった。
「おっと、話を戻すぞ、このようにLPの仕組みがよくわかっていないため回復についてもよくわかっていない。そのためわかっていることを言っていこう」(平岡)
「まず骨折はひびが入ったくらいなら1日程度で治る。綺麗に折れていたら2日程度、複雑骨折でも3日か4日くらいで治る」
「内蔵に重大な損傷や、骨が内蔵に刺さったなど厳しい状態になると2週間くらい掛かったこともある」
「四肢の欠損なんかも、普通の人間なら治らないが探索者だと一か月くらいでほぼ元通りだ。また欠損中LPが減少したままになることも確認している」
「あれ? ロスト状態になると傷は全快するんですよね?」(加藤)
「そうだな」(平岡)
「そしてロスト状態は1週間で治ると」(加藤)
「そうだな」(平岡)
「死んだ方が速い?」(加藤)
「一応な、だがそうそう自殺なんか選べられるものじゃないし、ロスト中はスキルも使えないし、パラメーターも元に戻っている。つまり一般人と同じだ」
「しかし、存在は探索者のままだから探索者ルールの適応外となる。つまりちょっと探索者に小突かれたくらいで死ぬことになるぞ。しかもロスト状態で死んだら本当の死だ」(平岡)
「なるほど……それはリスクが大きすぎますね」(加藤)
「そういうことだ」(平岡)
「よし、加藤! 辛い時は言ってくれ介錯してやる」(黒田)
「断る!」(加藤)
「あと、止血や添え木等の応急処置をするとLPの回復も早まるようだ。多分来週が再来週、道具の準備が整い次第応急処置の実習も行う予定だ」
「余談だが『LPが回復するから傷が治る』のか、『傷が治ったからLPが回復する』のかは決着がついていない」
(LPに関してはゲームと大分変ってるんだな。まぁそれに関しては当然か)(加藤)
「次はMPだ。MPはスキルを使用する毎に消費していく。しかしHPとは違いMPは戦闘中であっても回復していく点がBPとの大きな違いだな」
「一見有利なようだがスキルを使うたびにMPの最大値が使用したスキルで消費するMPの半分減る」
「つまり50MP使うスキルを放つとMPの最大値が25減るわけだ」
「だから大技ばかり使っているとすぐにガス欠になるから注意するように」
「最大MPは戦闘状態でなく近くにモンスターがいないと1秒毎に最大MP1というスピードで急速に回復していく」
「まぁ基本的にHPと同じと思ってもらえばいい。モンスターの近くで休む奴はいないだろうからな」
「逆に最大MPが回復しなければ近くにモンスターがいると言える。あまりないが壁越しで反対側にいるとかだな」(平岡)
「さて、これからスキルを使ってもらうがMP以前にまず発動させるところからだな。何か質問はあるか?…………特になさそうだな」(平岡)
「魔術のスキルは左に的があるだろう、あれに向かって撃ってくれ。別に当たらなくてもいい。まず撃つことからだ、他アクションは右だ」(平岡)
使うスキル毎に皆を並べる。魔術スキルのような飛び道具は壁に向かって撃つように厳命されている。
「スキルのセットを忘れた奴は……、しょうがない見学だ。あとで使い方をちゃんと試しておけよ」(平岡)
「さて、スキルをセットしたならわかると思うがダンジョンカードでセットしたスキルを触っていると頭にイメージが浮かぶと思う」
DRDでも同様である、スキルに手を当てているとそのスキルを使ったときの動作を3人称視点から見ることができる。
このとき動作をしているのは本人のアバターでなくデッサン人形のような木人だ。
スキル発動の仕組みは以下のようになっている。
①動作を見せることでその××というスキルは〇〇の動作をすると印象付ける。
②スキルを意識しながらその動作をおこなおうとする。もしくはスキル名を口にだす。
③大体イメージ通りでありそのスキルがセットされているとスキルが発動し、体の動きを現実離れしていてもサポートする。
しかし、人間の脳は融通を利かせようとする、例えば【エアスラッシュ】は本来であれば上段に構えた武器を振り下ろすことで空気の塊が飛ぶものだが。
横振りや突きでも【エアスラッシュ】が出るイメージを強く印象づくと、本人はそれがそのスキルだと思っているためゲーム機の方が誤作動を起こしスキル発動命令を送ってしまうのだ。
そしてそのときにスキル欄に【エアスラッシュ】があると発動してしまうのだ。
これは開発段階から発生したバグだった。しかし発動条件を厳しくしてしまうとそもそもスキルが発生しなくなってしまう。
最終的にむしろいいんじゃないか? というあきらめの元そのまま実装されることとなった。
その結果、空に向かって放つ【対空エアスラッシュ】、 【アッパー】と組み合わせたアッパーエア、
2回連続で突きを放つ槍のスキル【ダブルスラスト】と組み合わせたダブルエアスラスト(クールタイムを減少させる何かが必要)。
など他のスキルと組み合わせる概念の発生に繋がり、これがスキルに対する奥深さへと繋がる思っても無い効果が出たのだ。
さらにこの考え方はDRDだけでなく、以降に発売されるバーチャルリンクのソフトにも大きな影響を与えることになる。
この技術は白雪の学習実験の成果の一つである。自衛隊の犠牲を伴ったデータも含まれているため、白雪としては複雑な気分だ。
須藤の親友と恋人を吸収してしまったことはAIを通して知っている。
白雪が悪いわけではないが思う所はある、そしてそれを告白できないことも、昨日の須藤を見て思った。
ガスマスクを被ったのもそのためだ
……いや、言い訳はやめよう、被りたいから被る! それが紛れもない本音だ。
DRDもこの世界も、自分と彼等が転生したことも、どこか作為的なものを感じずにはいられない。
「スキルの使い方だが、それ程難しくはない。スキルをセットしたときに見た動作をイメージしながらスキルを使おうとすれば使えるだろう」
「もし発動しずらいようだったらスキル名を発声すれば発動しやすい」
「話は変わるが、モンスターに話は通じない。しかし、ゴブリンなんかはこちらが何かを喋っているのは理解していると思われる」
「これは何度も声に出してスキルを使うとそのイントネーションからスキルの内容を推測して躱したり防いだりしてくることが確認されているためだ」
「そこでぜひとも習得してほしい技術が、無発声スキルだ。内容はそのままだ、声に出さずにスキルを発動させることを指す」
「スキルを何度か発動させているとスキルを発動するスイッチみたいなものがわかるようになってくる。スキルを使うコツみたいなものだな、それが分かってきたら何も言わなくてもスキルが発動できるようになる」
「では、始め!」
「【スラッシュ】!……あれ?」(加藤)
「【スラッシュ】……うん?」(黒田)
「なんかDRDとスキル発動が違わないか?」(加藤:小声)
「あぁ、うまく発動できないな」(黒田:小声)
【スラッシュ】や【正拳突き】といったアクション系スキルの人はスキルが発動しなくて首を傾げている。
ダンジョンカードで確認して素振りを試してを繰り返す加藤達の横で、魔術組はわりとすぐにスキルを発動出来ている。
実際前回のゴブリン戦で白雪はともかくDRDをやったことが無い長谷川も【ストーンブレット】を使っていた。
探索者のスキルは基本2種類ある、何もせずともセットするだけで効果があるパーク系、そして自分から起動させるアクション系の2種類だ。
そこからアクション系はさらに3種類の系統に分かれる、魔術系と体術系の2種類、そしてその両方の複合系の3種類だ。
魔術系は昨日のゴブリン戦で白雪が使った【アクアシュート】や【ストーンブレット】といった水球や石礫を飛ばすもの。
明らかに普通の人間では出来ないことなので初期の探索者に人気がある。事実柳を始めとしたクラスの半数が魔術系スキルを使っている。
魔術系の人気の一つに発動させやすいことが挙げられる、理由は単純に自分の体を動かすものではないからだ。
だが熟練してくると、逆に威力の無さに幻滅して使用者が離れる悲しきスキル達だ。
体術系は結構発動させるのにコツが必要になる、理由として行動が伴うからだ。頭の中で腕を動かすイメージをしても実際に体は動かないだろう。
だが実際に手を動かしているときに頭でイメージしているか? と言われれば答えはNOだ。
実際にFDSもここは難しかった部分だ、昔黒田は事故で左腕を複雑骨折したことがある。
そのときFDSのリハビリ応用の治験を買って出たのだが、ほぼ効果がないという結果に終わってしまった。
だがこれは予想通りと言えた、考えるのは大脳の役割だが、体を動かしているのは小脳だからだ。
しかし、夢で見た行動が体に反映されることもあるのは事実だ、例えば犬や猫が寝ているときに体が激しく動くことがあるのは走っている夢を見ていると言われているし、夢遊病といったことも実際に起きている。
だが、FDSが実用されている加藤達の世界でもこのメカニズムの解明は出来ていなかった。
複合系は村田が愛用した【エアスラッシュ】が有名だろう、こちらは発動が体術系とほぼ同じである。魔術が飛ぶのはほぼ意識が介入しないので発動されれば半ば自動的に実行される。
「【アクアシュート】!……ふむ」(白雪)
「花籠さん、結局魔法にパラメーターってどう影響するの?」(長谷川:小声)
「あぁ、まず魔法には威力、速度、反動、持続時間、範囲、発動までの時間、そして魔法抵抗といったパラメーターが合ってね、それが身体パラメーターの値を参照しているんだよ。まず威力は筋力。つまり魔術は筋肉で出来ている」(白雪)
「魔法は筋肉……」(長谷川)
「他は腱力が速度、これは魔術の飛ぶ速度。反動が体幹だね、体幹が大きいほど反動が小さくなるんだけど魔術は一律反動が大きく設定されているからあまり期待しない方がいい」(白雪)
「なるほど、そういえば反動があるのって珍しいね」(長谷川)
「それは基本的に飛び道具が有利だからっすよ。さっきの村田みたいに連発していれば一方的にモンスター倒せてしまうっすから」(陽子)
「なるほど」(長谷川)
「とはいっても基本魔法ってダメージは大きいけど全体のBPを削るからあんまり歓迎されないんだよね」(白雪)
「DRDはいかに早くLPに到達されるかが基本っすからね。後属性による威力の上昇や減少もあるっす」(陽子)
こちらの世界でも魔術系メインの探索者は少ない。初期の探索者には人気なのだが、話題に上がった反動や、ダメージの仕様がありスキル欄が有限なためすぐに外されてしまうのだ。
もう一つは武器だ、魔法杖等魔術が強化される武器は人工的に作り出せない。そのため供給はどうしてもダンジョン頼りとなる。必須なものであれば需要はあり続けるだろうが、そうではないため魔術師という括り全体の縮小に繋がってしまっている。
「なるほどね。他は持久力が持続時間で、骨力が範囲、感覚が発動までの時間、魔法抵抗は抵抗値そのままかな」(長谷川)
「そういうことっす」(陽子)
「範囲って射出系の弾が大きくなったりする?」(長谷川)
「ならないっす、全体攻撃系だけっすね」(陽子)
「そうなんだ、使われないパラメーターがある魔術もあるってことか」
「そっすね」
「魔術適正ってあるじゃん、魔術系は身体パラメーターに魔術適正を掛けたものが参照される形だね。私は魔術適正が2.0あるけど身体パラメーターは多分他人の半分くらいしかないんじゃないかな?」(白雪)
「あれ?じゃぁレベルも低くなる?」(長谷川)
「いや、水準値が魔術適正で割られるから他と同じになるはず。魔術適正が1.0以上の人だけだけど」(白雪)
しばらくすると魔術系のスキルを試していた人も満足したのか段々と体術系のスキルの輪に移動しだす人がちらほら現れ始めた。
「【スラッシュ】!おっ発動した」(加藤)
「おっ、どうやった」(黒田)
「あれだ、【スラッシュ】の動作を自分でやりながらやると出やすい」(加藤)
「【スラッシュ】!おっ本当だ」(黒田)
加藤の言葉を聞いてたクラスの皆も続々と発動しだす。
「おー本当だ」
「ねーどうやんの?」
「スキルの動作しながらスキル名言うと発動しやすいってよ」
「おーでたー」
「【スラッシュ】う~ん、なんかもやっとする感覚だな、体が勝手に動くような動かないような」(黒田)
ただの横振りとスキルを使った横振りを交互に繰り返しながらなんとも言えない顔をする。
「たしかにな、手を持たれてこういう風に振れって感じじゃなくて……なんて表現したらいいんだ?」(加藤)
「なんか正しい剣の振り方みたいなテレビを見て確かこんなこと言ってたなーって思い出しながら振ってる感じ?」(モブ)
「あーそれそれ、手首はしっかり固定して、脇を閉めてみたいにしなきゃな感じに誘導されるっていうか」(加藤)
「なんかこう深く考えるともやっとするね。気持ち悪いっていうか」(モブ)
「こう手の指だけぐーぱーを繰り返してると感じる微妙な気持ち悪さっていうか」(モブ)
「あー、にゃーーーってなる奴にゃん」(ミーナ)
「そうそう」(モブ)
加藤達同様に【スラッシュ】と横降りを繰り返していた風音が首をひねりながら誰に言うではなしに自問自答する。
「ううむ、普段から刀を振っているから正直どう違うのかが良く分からないな」(風音)
「では試してみようではないか、あれを使ってね!」
問.振り返るとガスマスクが居た、このときの三島風音の気持ちを答えよ。風音は答えが返るとは思っていなかった、さらに独り言を聞かれて少々気まずかったとする。
■語彙力:
語⇒単語 彙⇒同類のもの、つまり語彙とは単語の総体。ぶっちゃけ『言い換え』『類語』。それに力をつけてボキャブラリーの豊富さを示す。
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