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3-4 魔法少女杖を作る

魔法の杖を作るよ

「適当な杖が欲しいんだけど。魔法使いなので」

「捻れた感じの木の杖ですか?」

「最近は綺麗な王笏や錫杖みたいなのとか、指揮棒みたいなのも流行りみたいよ?」

「最近の流行り、ですか?」


アナスタシアは基本的に林の中に建つ別邸の自分の部屋から出る事がないので、部屋にない物が必要な時はアーニャに頼む事になる。


「とりあえず、人に見せるわけじゃないから見た目はなんでも良いんだけどね」

「では、サイズはどのくらいにしますか? 大きくなっても使えるような物の方がよろしいでしょうか」

アナスタシアはまだ6歳なので110cmほどしかない。

身長180cmのナイスバディでハイヒールとか履くようなら今持ち歩けるような杖では物足りなくなるだろう。


そんなには育たないが。


「たぶんいくつか作る事になると思うから、杖どころか『ちょっと丈夫な良い感じの棒』で良いわ」

「承りました」



翌日、アーニャが良い感じの棒を持って現れた。

「申し訳ありません。流石に杖が必要な理由が思いつかなくて取り寄せられなかったので、本邸との行き来の途中で拾った棒なのですが、さしあたってこれでいかがでしょうか」

申し訳なさそうに60cmほどはあろうかと言う棒を差し出す。


「なかなかの『良い感じの棒』じゃないの。気に入ったわ」

アナスタシアが持っても手に馴染むし、重さも硬さもそこそこでなかなかどうして良い感じの棒である。

怪我をしないようにか、両端と途中所々がきちんと加工されていた。

人に相談しづらいように言っていた事を考えるとアーニャが自分でやったのだろうか。


「それで、魔法の杖と言うのは、どう言ったものになるのでしょうか」

嬉しくなって棒を振り回すアナスタシアにアーニャが凄んだ。

「アブナイモノジャナイヨ?」

「………」

ジト目で睨まれた。


「ホ、ホントダヨ…」

良い感じの棒を抱きしめて涙目のアナスタシアにアーニャはゆっくりと息を吐き出した。

「分かりました。信じます」


「んふふ」

アーニャの腰にアナスタシアが抱きついた。

相変わらず猫ごっこはしていたが、アナスタシアからアーニャに絡むのは珍しいかもしれない。

アーニャが赤い顔であわあわしているがアナスタシアからは見えない。




「ふう。危うくどこかに旅立ってしまうところでした」

「ん?」

アーニャが額の汗を拭った。



ダイニングのテーブルに良い感じの棒と何やら書かれた羊皮紙などが並べられている。


「簡単な魔法で使う図形、便宜上魔法陣と呼ぶ事にしますが、これは基本共通です」

「毎回書く必要はないと言う事ですか」

「そうです。このように羊皮紙に書いてそれを持ち歩いても良いのですが、杖などの道具に埋め込む事が出来るのでそれをしたいと思います」

「手で掘り込む、とかではないのですよね?」

「そうです」

杖を振り上げる。

「実際に彫金したものを埋め込んだり、宝石の中に掘り込んだりと言う物理的な方法もありますが、魔法っぽくしたいと思います」

「魔法っぽいと言うか、魔法ですよね」

「そうですが」


「とりあえず、試作品と言う事で、呪文を唱えると魔法陣を投影する魔法を組み込む魔法を作って、この棒を魔法の杖にします」


「なんだかあまり使い回しの効かない魔法がたくさん出来そうな気がするのは気のせいでしょうか」

「一応、何回かは使う、はず………」

うんうん唸りながら考え出す。

「組み込む魔法陣を選べるようにして、組み込まれた方も魔法陣を切り替えられるようにしたらどうかしら…」


悩み出したアナスタシアを見て、アーニャがそっと部屋から出てお茶とお菓子を用意して戻って来た。


「休憩しませんか?」

「そうね、ありがとう」


一旦テーブルの上を片付けて休憩にする。

「なんだか余計な事を言ってしまったようですみません」

「んーん、これはこれで楽しいのよ」

小さな子供の体は無理もきかないが、特にすることもないのだ。幸いにも裕福な家庭に生まれたので時間だけはたくさんある。


「出来たら呪文唱えたりするのも省略したいんだけど、この世界には魔力と言う概念が無いのよね」

「魔力と言うと、魔法の力、でしょうか?」

「んー、どちらかと言うと、魔物の力、かな。この世界には魔物は居ないかもしれないけども」

「えっと、お嬢様がおっしゃる物と全く同じかは分かりかねますが、居ます、魔物、自体は…」

「へー。そうなんだ」

何やら書きながら返事をするアナスタシア。


「ふうっ」

「ん? どうしたの?」

「いえ、お嬢様のことですから、魔物が居るかもしれないと聞いて探しに行きたいとか言い出さないかちょっと心配だったので」

「んー、気にならなくもないけど、今は良いかな。アーニャに心配かけたくないし」

「今は、でございますか…」

少し心配そうなアーニャににっこり笑って答えるアナスタシアだった。魔物が自分の生活領域を犯さなければ別に関わる必要はないが、もしも自分やアーニャに危害を加えるようならただでは済まさない。そう思っている。


「とか言っているうちに、魔法の杖試作1号完成」

良い感じの棒改、魔法の杖試作1号をかざし、なにやら呪文を唱えると杖の先端部分に光の魔法陣が投写され、さらに呪文を唱えることで部屋の中なのにそよ風が吹き抜けた。

魔法の杖に実際に何かこう、組み込まれるような感じにした方が良かっただろうかみたいなアレもありつつ

アナスタシアは中の人がもう十何年も生きているので、たまに書いている私が子供だと言う事を忘れがち(

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