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3-5 魔法少女魔剣を作る

もうちょっと準備回と言うか、幼少期編が続きます。

一応伏線っぽくしたいなぁとは思っていますので、良かったら読んでね(ならなかったらごめん

相変わらず別邸の屋内ではあるが、アナスタシアは剣術の指南を受け始めた。


髪の色から余計な誤解を受ける危険性を考えてなるべく不特定多数の人間にアナスタシアの姿を見せないと言う方針は相変わらずであり、指導はアーニャが行っている。


アーニャ自身12歳からアナスタシアの専属メイドをしているのにいったいどこでそれほどの知識や技術を身に付けたのか。


「ふー。結構良い運動ね」

「短剣サイズとは言え道具を使いますからね」


剣術といっても夫人向けの護身術がベースなので全長30cmほどの短剣と言うか大振りのナイフ、を模した木製の模造刀を使う。服装は比較的動きやすいワンピースで、靴もヒールは低いがパンプスだ。


戦闘訓練ではない。


「最後に軽く手合わせしてみましょうか」

「うん」


部屋の真ん中でアナスタシアとアーニャとが向かい合わせで立つ。

右手で模造刀を持ち、左手は腰に当てる。


「参ります」

「お手柔らかに〜」


アーニャから仕掛ける。あくまで護身術である。攻撃を躱し剣で凌ぐ。

敵を倒すと言うより、自分が怪我をしない戦いを心がける。

身長差が50cm近くあるので、手加減して相手をするだけでも大変そうだ。


とは言え、大人になっても成人男性とはある程度身長差が出来るはずだからちょうど良いと言えばちょうど良いのかもしれない。現状はどうだろうか、もし事件が起きてしまったら護身うんぬんより抵抗しない方が安全かもしれない。普通の少女であれば。


「アーニャは何をやらせても器用に(こな)すわね」

「そんな事はありませんよ」

「はいはい。そう言う事にしておきましょうか」

「…」


武術の訓練はある程度感覚を身に付けさせつつ、変な自信過剰などにならないバランスが重要だ。完全に手に負えないような攻撃をしても練習にならないが手加減してもらっている事を忘れないような絶妙な塩梅が必要なのだ。


運動の後は汗を洗い流し昼食をとり、お昼寝の時間だ。

ベッドに寝かしつけてアーニャが離れようとしたが、アナスタシアが手を離さない。

「?」

「そうだ、アーニャ。魔剣を作りたいわ」

「魔剣、でございますか」

アーニャの眉間に少しシワが寄る。


「護身術の練習で使っているような模造刀で良いの、いいえ、むしろ叩いても痛くないような材質の方が良いかしら。ただし、持つところや鞘は普段持ち歩けるようなお洒落なのが良いのだけれども」

「危ない事をしないと約束してくれるのでしたら、おやすみの間に交渉して参りましょう」

「お願いね」

「とりあえず、眠ってください」

「もう寝たよ」

目を瞑っただけのアナスタシアがドヤ顔で答えた。




「先日発注してあった模造刀を受け取ってきました」

アーニャが鞘に収まった状態で全長40cm近い長さの短剣を差し出す。

鞘には美しい装飾が施され、柄の部分は皮を編んだように彫刻が施され、宝石のような石が埋め込まれている。一応、高価な宝石などでは無いと言う事らしいが、平民から見たら子供に持たせるような物では無いのは明らかだった。


「なかなか素敵なデザインね」

受け取った短剣の鞘を抜くと縫い目のあるクリーム色の諸刃の刃が現れる。

「刃は革製になっています」

「これならちょっとやそっとでは怪我はしないわね」

「目などを突けば怪我をしますし、強く擦れば痛いと思いますので、あまり乱暴には扱わないでくださいませ」

「そうね、気をつけるわ」

短剣を鞘に戻す。鞘にはめる部分は剣と同じ作りになっていて、ガチャリと良い音がする。


「それで、魔剣と言うのはどういった物なのでしょうか」

「そうねぇ、刀身が炎でぶおおおっ…」

アーニャの目が据わる。

「うそ、うそです。魔法の杖だと持ち歩きに難が出そうな時に、これなら目立たないでしょう?」

右手に短剣、左手に良い感じの棒を持ってアーニャに見せる。


「まあ、将来的には攻撃魔法も仕込む事になるかもしれないけれどもね」

さすがに6歳で護身用の武器と言うのは変だが、この先学園に通ったりするようになれば、それなりの物を持参すると言う事も出てくる。


「本物の剣は奪われたらこちらが危険になるけど、これならよっぽどの事が無い限り使われる心配もないし、むしろこれにちょっとした魔法を組み合わせた方が安全だとは思わない?」

「物はいいようですね…。なるべく安全を優先していただきます」

「アーニャは心配症だなぁ。ふふふ」

「………」



「とりあえず、まずはこの短剣そのものを魔法陣代わりに登録して呪文を唱える事で魔法陣を描き出す様に…」

良い感じの棒を魔法の杖にした時に使った魔法の契約が記された羊皮紙を広げて短剣を置き呪文を唱える。

登録する魔法陣の描かれた羊皮紙を並べていく。

後から追加もできる様に作ったので、とりあえず基本形の魔法用の魔法陣と目ぼしい魔法用の魔法陣を組み込む。


「これで、火をつけたり風を起こしたりする低級魔法と、風の防御魔法、それに回復魔法を使えるわ」

短剣を翳すと呪文を唱える。

短剣の先に魔法陣が現れるのでまた呪文を唱えると風が吹いた。


「やっぱりいちいち呪文を唱えるのはめんどくさいわね。人に聞かれても怪しまれそうな呪文だし」

「そうですね、正直私もびっくりします。その呪文」

アーニャもちょっと困り顔だった。

そう言えば、歳の離れたお姉さんメイドとお嬢様的なのを書きたかったのを思い出したけど、どうですかね

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