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ある魔法使いの旅路 〜儚げな公爵令嬢だと思っていたら、ただのチート主人公でした〜  作者: 大貞ハル
異世界から召喚されし勇者アナスタシアちゃん14歳さん
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2-19 王女の決意

王女様回。一応アナスタシアも出るよ(

第3王女セフレ。

王女と言えば聞こえが良いが、実際には兄2人姉2人が居て、王位継承権は低い。

王が歳をとってから生まれた娘なので可愛がられて育ったが、最終的には隣国へ嫁に出されるだろうと言われていた。


ただ、この国は勇者召喚と言う技術を持っていたため、隣国との関係はあまり良く無かった。

現在もまた、新たな勇者を召喚し、戦力の増強を図っていた。



ところが今回の召喚によって現れた者たちはだいぶ様相が違った。

皆、好戦的な印象はなく、人間同士の争いに加担する気はなさそうだと言うのだ。


そして1人、明らかに異質な娘がいた。


「お姫様が居る…」


その少女を最初に見た感想だった。

謁見の間で優雅に挨拶をするその少女は明らかに高貴な家の者だ。王女自身も貴族としての教育を受けていたが、この国のレベルはあまり高く無いのではないか、そう思わせた。


アナスタシアと名乗るそのお姫様は、自分より弱かった。

だが、豊富な知識と発想力を持ち、様々な物を生み出して見せた。

そして自ら森へ分け入る行動力も持ち合わせている。


この世界を観光すると言って旅立った彼女を一度は見送ったが、どうも怪しいと勇者である命と共に調べたところ、アナスタシアを抹殺するための部隊が組織され、既に出立したとの情報を掴んだ。


「今回の勇者はおそらくお姫様であるアナスタシア様を守るための騎士です。その騎士を奪い、その身に危害を加えようなど許される事ではありません」

そう言って勇者 命と護衛の騎士を従えて後を追い、追跡していた部隊と合流して命令を破棄させたが、彼女の行方は掴めなかった。




「結界を張ります、集まりなさい」

王女は騎士たちを集めると収納魔法で仕舞われていたスクロールを取り出した。

河原は敵国が操る魔物で埋め尽くされている。

どうやってかは分からないが魔物を操り、王女の居場所を調べた挙句、こうして取り囲んだのだ。


命は圧倒的な戦闘力を持っているし護衛の騎士も精鋭だが、流石に数が多すぎて捌き切れない。


王女がスクロールを封印していた蝋を引き剥がし、開いて翳すとスクロールが燃え上がる。一瞬圧力を感じた次の瞬間、光の円が地面に、いや地面から立ち上がり、それがすーっと広がって行き彼らの周りに光のドームを形成した。見た目は上だけだがおそらく球形の結界だ。


周りにいた魔物達は驚いて逃げ出すが、逃げ遅れたほとんどの魔物はその場で崩れ去り核となる石だけを残して消失してしまうのだった。


「これが、聖域化…」

なるほど、何人もの魔法使いが時間をかけなければ出来ない結界だと納得してしまう力だった。


だが。


「おうおう、随分と面白いもんを持ってんじゃねーかよ」


大柄な兵士が森の中から現れた。どうやら敵であろうと人間は入り込むことが出来る様だ。

その後ろには彼の部下と思われる一軍が居るのが見える。

後ろは川であり簡単には逃げられそうもない。


川沿いにじわじわと退くので、敵も大半が河原に出てくる。そもそも人数がこちらより多い上に結界から出てしまえば魔物も居る。そしてこちらは王女を庇いながら戦わなければならない。戦っても無事では済まないのは見ただけで分かる。かなりの手練れたちだ。


「他国に武装して訪れた上に、王女に剣を向けると言うことは、死ぬ覚悟と神への祈りは済ませたと思って良いか?」


突然二つの陣営の間に白いマントの小柄な人物が現れ問いかける。


「なんだてめ…」

先頭の3名がそのまま崩れ落ちる。


「どうした、それだけか? 死ぬ覚悟のある者は、まとめてかかってこい」

誰も動けない。

攻撃された気配はない。

だが、自分たちのリーダーが突然倒れた。

何が起こっているのか理解できない。


「どうした。私に敵意を向けろ、それだけでバルハラへ送ってやるぞ」


敵は動かない。いや、動けない。思考まで停止している様でそれ以上倒れるものも居ない。

彼女のユニークスキルは敵対した相手にデバフをかける。

ただし、状態異常と一言で言ってもレベルがあり、人間が耐えられる威力ではない為一瞬で死ぬが。


「仕方ない、王女」

振り返りもせずに王女を呼ぶ。

「は、はい」

「私と臨時パーティーを組め、それだけでお前の敵も死ぬ」

臨時パーティーとはフィールド上で一時的にパーティーを組むことである。

魔法的にいくつかの特典が発生するが、それによって不利になるような現象はない。


「う、うわー!!」

敵の何人かが逃げ出す。


「どうした、王女。お前は国の頂点に立つのだろう? これからお前の行動に伴い大勢の人が死ぬ。これはもう避けることはできない事実だ。ならばその死を認識しろ。せめてもの慰めに」

大袈裟なポーズで問いかける謎の人物に戸惑う王女。

だが、言われたことは否定できない。


もし親兄弟に何かあれば自分が国を率いなければならない。

一切の犠牲なしに国を運営できる様な世界ではないのだ。

ならば。


「…はい。パーティーに入ります」


王女の宣言とともにそこにいた敵の兵士たちが崩れ落ちる。

瞬く間に。


逃げ出した兵士たちも例外ではなかった。


そしてそれは王都にいる自国の貴族や、敵国にまで及び、一瞬にして数百の命が消えたのだった。



結局、王女様の預かり知らないところで100人単位で死んでいますが、まあ、そこはそれ(

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