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底辺から這い上がる少女  作者: 雛月いお
普通の暮らしへ向かって
39/39

底辺から這い上がった少女

小鳥の声が朝を告げる。


しかし街の人々はすでに活動を開始していた。


街の復興のために。





ーーーーーーーーーーーー





「おーい、これはここでいいの?」


「だー!!違う違う違うっつーの!それは向こうだよ」


「なんだよ俺はここだって言われたんだよ!!文句あんのか!?」


「いいから働きなさいよあんたたち。アッシュ兄もロキ兄もミラ姉も街のために戦ってきてくれたんだよ?今度はあたしたちが頑張る番なんだからね?」


「あったりまえだ!!あんなかっこいいことして帰ってくるなんてかっこよすぎるぜまったくもー!!」


「俺たちも頑張らないとな!!」


「おう!!」


「仲がいいんだか悪いんだか...... 」




ーーーーーーーーーーーーー





私たちが帰ってきてからのシンテイムはあっという間に復興を遂げ.........はしなかったものの、街の人々の心は前よりも団結したように思える。そのせいか確実に笑顔が増えている。


崩壊前まで復興を遂げるの日は、そう遠くないかもしれない。



一方私はというと



「フィオラはさ、動けるようになったらまずどこ行きたい?私フィオラとたくさん出かけたい!」


「んー.......。ハーヴェスト、かなぁ」


「ハーヴェストって、確か森でしょ?ついこの間まで魔物が出てきてたっていう」


「そうだけど.....?」


「病み上がりでよくそんなこというねまったく.......」


「あの森の平和でのどかな感じが気に入っちゃって。病み上がりだからこそ行きたいんだ」


「ふーん?それもありかもね」


「動けるようになったらだけど」


「動けるようになったらね、ふふっ」


私はシンテイムに帰ってきてからというもの、ゼリオさんがくれた薬の副作用のせいで動けなくなってしまっていたのだ。まぁ効果が効果だったから仕方ないが。

なんだかんだ言いながらも、あの薬には感謝している。おかげでエールレイユという呪縛を解くことができた。


いま私と会話している黄緑色の髪の毛を持つ少女は、エールレイユの城で助けた奴隷の一人で、私が抱きしめたあの子だ。

シノンは私たちがシンテイムに帰ろうとした矢先、魔物に襲われているところを偶然見つけ、マリナに力をもらっている時の私を見て一目惚れしたらしい。話を聞いたところ、シノンも相当な魔力保持者らしく、組織に目をつけられて連れてこられたものの、わずかに魔力が足りなかったことで奴隷になってしまったらしい。

連れてこられる際に身内を全て殺されたため、帰るところがもう無いのだと聞き、私がミラさんに無理を言ってシンテイムまで一緒に連れきたのだ。

ミラさん曰く「フィオラちゃんとは違った可愛さがあるから全然いけるいける」だそうだ。理由はまぁ置いておいて、自分が人をたすけることができて私は満足している。


いまではすっかり仲良くなった。


「にしてもあの時のフィオラかっこよかったなぁ」


「もーシノンそればっかり」


「えへへー」





ーーーーーーーーーー




「よう、ゼリオ」


「お?なんだ街のヒーローさんたちか」


「その呼び方やめろ」


「はっはっはっ」


「もう終わりそうなんだな、店の再建」


「ああ、なんてったって俺の店だからな。立ち直り早く、ってね」


「なーんかお前の顔見たら色々すっきりしたぜ、ったく」


「そりゃ何よりだ」


「じゃ、また来くるよ」


「今度は飯食べにな!!最近腹が減ってしょうがねぇ」


「望むところだ」





「なぁアッシュ」


「んあ?」


「もっと強くなろうぜ」


「ったりまえだろ。そのためにも、まずはシンテイムを元気にさせないとな」


「ああ」




ーーーーーーーーーー





「姉さん紅茶入れたよー」


「ありがとうキール」


「..........で、あの人は?」


「どこか遠くに、旅に出るって」


「一体どうしたらその決断に......... 」


「色々悩んだ末のお父さんらしい決断だと思うわよ、私は」


「そうなの?」


「あと、フィオラのことを思い出しては大泣きしていたわね」


「え、なにその今更」


「ふふっ、いまは正気に戻れたことだけでも許してあげて」


「うーん......... 」


「多分二度とお父さんとフィオラが笑い合える日はこないでしょうけど、だからこそ私はあの人を見捨てたりしない。私が見捨てたら終わりだものね」


「姉さんのそういうとこ、嫌いじゃ無いよ」


「あらキール、あなたそんなこという子だったかしら?」


「たまにはねー、っはは」


「ふふっ」



ーーーーーーーーーー





「フィオラちゃん調子はどう?」


「あ、ミラさん。街の方はいいんですか?」


「なんかみんなして街のことはいいからフィオラちゃんの看病をしてやれーっていうんだよね。しょうがないからおとなしく帰っていちゃった。もーみんなして意地悪だよねぇ?」


「おーミラ姉が珍しく膨れてる」


「誰が太ってるってぇ!?」


「ち、ちがっそういうことを言ったんじゃーって痛い痛いほっぺた摘まないでぇ!!」


「あはは、シノン変な顔ー」


「ちょっおあふけてほぉぉぉ!?」

(ちょっとたすけてよぉぉぉ!?)



また来年も、再来年も、十年後も、こうして笑っていられたらいいな。


ずっと



ーーーーーーーーーーーー





「やっほーフィオラちゃん」


「えぇヒスイさん!?」


「あ、ごめんね寝るとこだったか」


「いやそうじゃなくて玄関から入ってきてください」


「細かいことは気にしなーい」


「えぇ...... 」


「そんで体はどう?」


「だいぶ良くなりました」


「そっか。いやー私も依頼こなして帰ってきたときは心臓飛び出るかと思ったよー」


「大変だったんですよ?」


「そんなのフィオラちゃんの体が物語ってるよ」


「あ」


「私はさ、正直悔しい」


「え?」


「故郷が大変なことになってるのに、私が来たのは全部終わった後。こんなのって....... 」


「なにを言ってるんですか、まだ終わって無いです」


「.......... そうだね、まだ再建が残ってる」


「私も動けるようになったらすぐ行きます」


「こら、病み上がりはおとなしくしてなきゃだめだぞ?」


「えー...... 」


「っはは、まさかフィオラちゃんに慰められるとは思ってもみなかった」


「失礼です」


「ごめんごめん。じゃあねフィオラちゃん、ゆっくり寝て早く元気になるんだぞー」


「おやすみなさい」


「.............ありがと」


「......? 」





ーーーーーーーーーーーー






「マリナありがとう」


「どしたの急に」


「マリナのおかげで、私は私の居場所を守ることができたから」


「ま、掴み取った人生、お父さんみたいに踏み外さないようにね」


「........うん」


「おおっとごめん、私ってば無神経でつい..... 」


「なんてね、もう吹っ切れてるよ」


「あぁなんだ、よかったぁ」


「マリナが無神経なことも知ってる」


「なぁにおぉぉ?」


「冗談だよ」




「マリナ」


「ん?」




「これからもよろしくね」

ここまで読んでくださってありがとうございました。


これにて、フィオラの物語は完結とさせていただきます。

気が付けば書き始めて一年半がとっくに過ぎていました。

エスケープキーを誤って押してしまって保存していなかった文章が1000字くらい吹っ飛んだのは一生忘れません(笑)


自分が読者の皆さんに伝えたいことは感謝と、誤字が多すぎたことへの謝罪です。読みづらくてすみませんでした。


この「底辺から這い上がる少女」で、自分はたくさんのことを学ぶことができました。次回作には少し自信を持っています。


色々書きましたが、いまは完結させることができて単純に嬉しいです。

あまりにも思いつきで書き続けていたために、オチは最後まで迷いっぱなしでした。ですが一度フィオラの気持ちになって考えてみると、やっぱり誰も死なない結末が無難かなと。おかげでうまく(?)まとめることができたような気がします。


まぁ長くなってしまうのでこの辺りで失礼させていただきます。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


それではまた

どこかで

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