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 立った時に腰ほどまである丈の草に身を潜めながら生物が居ないか慎重に周囲を見渡す。

 しかし昼間の森は不気味な程に静けさに溢れていてまるで生物が全て死んでしまったかのような感覚に陥る。


 そこかしこに生えている木の葉がザワザワと音を鳴らし男の緊張感を嘲笑っているかのようにも感じる。


 暫く警戒しながら森の奥へと進んでいると開けた場所が見えた小さいが湖もあり、動物が居ればここはとても賑やかになるのだろう。


 その景色を見て緊張が和らいだのかさっきまで感じなかった喉の渇きを覚え湖で水分補給をしようと考えた。


 本当ならばこの行為は無防備になってしまいとても危険なのだがずっと生物の気配すら無かったために少し位大丈夫だろうと考えたのだ。

 そして湖で水分補給をして探索を続行しようとした時後ろから風切り音が聴こえた。


 驚いて体が硬直してしまったが流石に本職だけあってか直撃する寸前に真横に転がることで事なきを得た。

 先程まで自分がいた場所をそのまま目で追っていくと気に鱗のようなものが刺さっていた。


 もし避け損ねていたらあれが当たったのかと思うと冷や汗が流れた。

 しかしそんなことばかりも考えていられないので鱗が飛んできた方向を見ると築かれたのを悟ったのか木々の中から魔物が出てきた。


 背丈は男よりも1mくらい高く灰色の鱗で覆われていてトカゲのような見た目だった。

 しかしトカゲのような見た目と言っても竜や龍では無いのでそこまで気にすることは無い。

 強いて気にするなら鱗なので刃物よりも予備で持っているメイスの方が通りやすそうなことくらいだろうか。


 そんなふうに考えているとふと別のことに気がついた。あの魔物は口に何かを銜えていてそれがじたばたと暴れている。


 「むきー!離しなさいこのトカゲもどきが!あんた如き本気を出せばこのあたしが塵も残さず消しされるんだからね!」


 なんてほざいている奴は見た目は数十センチ程しかなく寧ろあのトカゲが器用に銜えているのに驚きを隠せない。

 声からして女の子らしい。


 「離しなさーい!あっそこのあんた丁度いいこいつがあたしを銜えたまま離さないからどうにかして離して!そしたらこいつをぶっ飛ばすから」


 こちらに気が付いて助けを求めてきたやっぱりぶっ飛ばすとか言ってるけどそんなの出来るわけない。

 とは言え助けを求められている以上助けないわけには行かない。


 なかなかトカゲも動かないのでこちらから仕掛けようとした時、トカゲの姿が一瞬揺らいだ。

 もしかしたら幻覚かもしれないので警戒を強める。


 しかしトカゲは聞いていた通り突進してきた。それに加え魔法を受けた感覚もしなかったので違和感を感じたがこの際気にしてもしょうがない。


 トカゲの次なる攻撃に備えて体制を整えたがトカゲは突進のせいで体制を崩しまだ少しふらついている。

 ……思っているよりも弱い?

 この魔物から受ける威圧感や突進の威力からして強そうだが技術がおざなり過ぎる。

 つまり力に振り回されているような物だ。思っているよりも弱いかもしれない。


 兎に角今こそ最大のチャンスには代わりない、とは言え相手はある意味人質を撮っているようなものなのだ。一応慎重に殴ることにする。


 先ずはフルスイングで腹に一発。

 ドガァ!!

 次に振り上げた勢いのままスキルを使って全力で振り下ろす!

 メキャッ!!


 「GRURAAAAA!」


 魔物が痛みに耐えられずに大きく鳴いてそのままあの小人を吐き出した。


 「よくやったわ!こうなればあたしがぶっ飛ばすわよ!ーーーーーー《流れ星よシューティング・スター》」


 「は?」


 今のは魔法とその詠唱だ。とは言え今聞いた魔法の名前は聞いたこともない。

 しかしどんな魔法か分からない以上巻き込まれないように逃げた方がいいかもしれない…

 なんて考えているあいだに空からヒュィィィという音が聞こえてきた。そしてその音はだんだん大きくなってきて……


 シュドン!という音が聴こえたと思ったらトカゲの体に大きな穴が開きそのままトカゲが灰になって消えた。


 普通は魔物を倒したら遺体が残って素材になったりするのだが、まあクエストとしてはどうやっているのか分からないが達成感扱いになる筈なので大丈夫だろう。


 「そう言えば君は大丈夫だったか?」


 「あたしは全然よゆーだけど。ていうかあたしのような妖精は実体がないから傷なんてつかないよ?知らないの?」


 妖精というのは自然の力が具現化してできた生命と呼ばれていて自然を使った魔法をよく使う。そして妖精を見たものは暫く幸運が訪れると言われているのだ。


 「いやー本当助かったよ魔法を使おうにも動きすぎてなかなか詠唱出来ないしどうしようかと」


 「いやあんまり気にしないでくれ俺は当然のことをやったまでだ」


 「そんなこと言われて引き下がったら種族の恥だよ!折角だからあたしが嫌になるまで力を貸してあげよう」


 「いやべつにだいj「あたしが決めたの!」えぇ」


 よく考えればとてつもない戦力か手に入ったから良いのだが何となく面倒なかおりがする…


 とは言え依頼は終わったので帰還することにした。




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