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02

 二話目です。

 カルロを家の中に入れ、入ってすぐのキッチンの付いたリビングに通した。もちろん風邪薬をつくっていた部屋ではない。

 リビングの方はあの部屋とは違って大きめの窓から光が入ってきていて明るい。

 

「ちょっと待ってて、今お茶入れるから。ミルクティーでいい?」


 カルロをテーブルにつかせて、先程受け取った籠をキッチンの隅に置きながらそう聞くと肯定がかえってきたのでそのままミルクティーと自分用のハーブティーを淹れる。


 茶葉を蒸らしている間に切り分けておいた木苺のタルト、そしてカルロの座る席の前にの前には蜂蜜入りのミルクティーを、私の席の前には自分用のハーブティーをおく。


「さあ、どうぞ」


 席についてそういうと、カルロは早速タルトを一口食べ、


「――っ、うま~!」

 と顔を綻ばせて言う。


「ありがとう、そう言ってもれえると作り甲斐があるよ」

 私は前世から趣味で簡単なお菓子作りを時々していた。なので、カルロが来る時にはいつもお菓子を作って振舞っている。いつもこんな風に美味しいと笑顔で喜んでもらえるのは作る側としてはなかなか嬉しいもので、初めの頃はクッキー位だったのが、段々試行錯誤して手の込んだ物も作る様になってきた。生クリーム等の保存も魔法で割となんとかなるからついついね~。


 ハーブティーを一口のみ、ほぅ、と息をつく。

 スウッとした爽快感がすこしあって自分好みのそれは、家の庭に植えているハーブから作った自家製だ。これは乾燥させてブレンドした物をストックしている。

 紅茶の茶葉の方は、時々大きな町に薬を売りに出る時に砂糖などと一緒にまとめて買っている。


「それにしても魔女って良いな~、こんなお菓子毎日食べられるしさ」

 カルロはタルトをつつきながらそんなことを言い出す。


「まあ実入りはいいけど。この辺じゃお菓子は作らなきゃないよ」


「むぐむぐ…じゃあサラ姉の弟子になれば毎日食べられる!」


「お菓子目当て!?……ふふっ、ほんとにお菓子好きだねえ」


「あははは……」

 私に若干呆れつつ言われ、少し照れたのかカルトはごまかす様に目をそらして笑うとミルクティーを飲んだ。


 というのもお菓子作りに欠かせない砂糖、この世界では少々高級だったりする。なので、一般家庭ではいつもいつもお菓子に使って食べられるものではないのだ。

 魔女の作る魔法薬は出回る数が多くなく、良い値段で売れる。なので私は趣味のためにその砂糖を沢山買っていてもお金には困らない、という訳だ。


 ああ、でも魔法薬が出回らない理由が魔女が引きこもr…ごほんっ、社交的でなく自分の趣味最優先な生活をしている者が多いため、というのが何とも微妙な気分になってしまう。だから不気味だとか言われるんだよ!

 とりあえず私は一般的な魔女よりはるかに社交的だ、とは言っておく。村の人たちと付き合っているし、町にも良心的な価格で薬を卸しているのだから。まあ、森の中に一人で住んでいるという時点でもう一般の人とは微妙に外れてるんだろうけれども。


 それは置いとくとして。

 軽い気持ちでそう言ったカルロ本人は気付いてないけど、実はカルロの魔力量はかなり多い。


 うーん、どうしよう。将来的なことを考えるとなあ……


 まあ今日はいいや、また今度マリーさんとあった時に相談でもしようかな。

 

 あ、タルト食べ終わったみたい。



「タルトもう一つ食べる?」


「食べる!」


 カルロの元気の良い返事に笑みが零れた。



 誤字脱字あれば教えていただけると嬉しいです。


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