夢の中のヨハネス
こちらも完結まで執筆済みです。順次公開していきます。
王宮らしい通路で、髭モジャのアストリッドがカイの方を向いている。
「アスティ、どうしたん?」
近寄ると、アストリッドは付け髭を外し、代わりに兎のたれ耳が生えている。
(可愛すぎて滅……)
アストリッドが手を差し伸べる。
カイはその手を取る。
しかし、気づけばアストリッドの手を取っているのは、
貴族の礼服を着たヨハネスだ。
カイは腕にたれ耳の兎のぬいぐるみを抱えたまま、
街の石畳の通りの上で、ひたすら拍手を続けていた……
パチリ
診療所兼自宅の一室で、カイは目を覚ます。
しばらく何が何だかわからない……
「夢?――夢か……」
(クッソ……ヨハネス、絶対許さへんぞ……)
カイは枕を抱えてゴロゴロ転がり回る。
――似合っていた。とてつもなく。
性格はとんでもなく悪いが、ヨハネスは、
自分の兄とは思えないほど、背が高く、気品もあって、美しく、強い。
金も地位もある。
アストリッドは、本当は、そういう男ですら釣り合わないような女性なのだ。
――夢の中のヨハネスは、アストリッドとお似合いだったが……
カイは枕を抱えて起き上がった。
「いつまで……宿屋の親父でいてくれるんやろ。」
これまでのお話▼
◆『元公爵令嬢の小さな宿屋―年下の町医者が、客でもないのに今日も会いに来ます』
https://ncode.syosetu.com/n8605mt/
★注目度ランキング(完結済)45位に入りました!
◆続・元公爵令嬢の小さな宿屋―陶器市で年下の町医者と手をつなぎました
https://ncode.syosetu.com/n0955mu/
お気に入りのキャラクター・場面がありましたら★評価・感想一言でも頂けるととても嬉しいです!




