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11-3 時空研究所の正体


「なるほどです」


 僕はそうリアクションした。ただ、冷静に考えてみると、納得するべきではないことなのかもしれない。僕はふと思ったことを聞いてみる。


「そもそもあなた方はどのような存在なのでしょうか? 僕の世界ではない世界の存在だということはわかりますが、それ以外のことが一切わかりません」


 僕は彼女らに聞いてみた。彼女は話し始める。


「私も瀬尾も、第2時空研究所という組織に所属しています。読んで字の如く、時空というものの性質を研究している団体です」


 彼女はそう話した後、少し長くなります、と言って話を始めてくれた。


「あなた方はおそらく理解されていると思いますが、男女の凪さんがいる2つの世界の他にも、無数の世界が存在しています。あなた方がいる世界は比較的安定している方ですが、世界として存在がそもそも不安定であり、複数の世界からの干渉を受けている世界というものも存在しています。その世界からやってきたのが私良田と、彼瀬尾です。私たちの任務は、その世界の干渉を減らすことにあります。あなた方の世界が干渉しているのと同様に、他の世界でも干渉が起きており、それによって幾つかの問題が生じています。実際、その干渉の影響で崩壊してしまった世界もいくつかありました」


 彼女はそういった。


「私があなた方にこうやって声をかけているのも、その問題を解決するためです。今まで出会われた時空のおっさんは、あなた方が呼ぶところの時空のおっさん世界、つまりそのような干渉を防ぐための緩衝材の世界で世界のデバッグを行っています」


 そう説明を続けてくれた。僕は納得できるかは別として理解は示したつもりだ。


「もしあなたが望むのであれば、この世界で瀬尾と同じように働くこともできますよ」


 彼女はそう言った。僕はそれは望まない。どっちの世界を選ぶにしても、自分は普通に生きていきたいからだ。凪ちゃんも同じことを考えているようだった。


「もしここで選択して、2人が実際に統合されるまでの期間はどのくらいですか?」


 凪ちゃんはそう質問していた。良田さんは、今日から1週間程度を予定していると言っていた。

 

「実際あなたのどちらかが肉体的に死亡した扱いになることが確定したとして、それを周りに伝えたり、あった事象をまとめるために期間が必要なのは理解しています。特に女性の方の人生に統合されるのであれば、あなたが何かしら家族に伝えないといけないと思います。1週間あれば伝えられると考えていますが、もし伸ばしてほしければ伸ばします」


 彼女はそう言った。1週間というのは短いようで長く、長いようで短い。僕は、承知しましたと伝えた。

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