6-9 新しい出会い
本郷は大村に対してそう言っていた。大村は、出会うまでは意外と行けると言っていた。どうやらマッチングアプリの話のようだった。
「池下はマチアプ使ってみたいとは思わないの?」
大村はそういった。どうやた大村がマッチングアプリを始めていたようで、来週デートの予定ができたらしい。自分はマッチングアプリそのものを否定したいわけではないが、それを使ってまで出会いが欲しいとも思っていないのが現状だ。
レイと別れてから恋愛をしたいと思えなくなっているのが現状だと伝えると、2人とも一途すぎと言って僕を笑っていた。
レモンサワーがなくなったのでハイボールを注文する。本郷も同じものを頼んでいた。
「でも一途なのもいいのかもしれないな」
大村はそう言った。正直新しい恋愛を始めるのが面倒だと思っていることは否定できない。
「時空のおっさんの話、彼女にはしてたの?」
大村はそう茶化してきた。僕は時空のおっさんなどそういう話ができるきっかけて仲良くなって付き合い始めたということを伝えた。彼女が僕の話を信じてくれていたかはわからないが、それでもそれがあったから付き合ってたというのは事実だ。
2人とも初めて聞いたようで、その話について驚いていた。
「懐かしいな」
自分にとってはもう2年近く前だ。そんなに長い年月が経っていることに驚きが隠せない。
そんな話をしているともうすぐラストオーダーだ。自分は最後のアルコールと〆のラーメンを注文した。大村と本郷もそれぞれ食べたいと思っているものを注文したらしい。
お酒を飲むと自分は尿意が妙に近くなる。再びトイレに向かい戻ってくると、すでに頼んだアルコールが届いていた。2人は最近やっていることの話をしているらしい。
「こいつ最近トロンボーンを始めたらしい」
本郷は大村を指差してそういった。大村は音楽に興味があったが、管弦楽団などの共同でやりたいというよりは1人でやりたいタイプのようで、最近趣味で始めたようだ。
「あれ楽器いくらくらいするの? 高くない?」
僕は素直に思ったことを聞いてみる。どうやら金属の楽器を買うと数十万とかして非常に高いようだが、プラスチックの楽器だと2万程度に収まるらしい。
「それでも高いな」
僕はそういった。新しいものを始める際の費用だと考えれば異常に高いとまでは言えないかもしれないが、それでも値段はかかるだろう。独学で始めたようでまだ曲が弾けるレベルまでは達していないが、機会があれば聞かせてみたいと言っていた。
「なるほどね」
自分もやりたいと思うことは数多くあるが、手をつける気が起きずに今に至っているのが現状だ。




