6-8 コロナ禍の思い出
「修学旅行、俺は中学校が沖縄で高校が台湾だったなぁ」
大村はそう言った。僕はシンガポールだった。本郷は高校が沖縄だったらしい。当たり前だが学校によって結構違って面白い。
「いまだと行けないからねぇ」
本郷はそういった。高3の頃にコロナが出てきてから外にも行けなくなった。最近は昔よりは良くなってはいるが、それでも外国にまだ行けない現状なのは変わりないだろう。
「俺、今年明けくらいのタイミングでコロナになって大変だった」
大村はそう言っていた。熱が出たようだが、めまい・吐き気・頭痛・寒気などの症状が押し寄せてきたらしい。1つ1つは軽いためなんとかなりはしたようだが、それでも複数の症状が同時に押し寄せるのは怖かったと言っていた。
「ワクチン3回打ったはずなんだけど、もう切れたのかな」
彼は2021年夏と2022年3月にワクチンを合計3回摂取したらしい。僕も同時期に摂取したが、今のところコロナウイルスには罹患していない。結局のところかかるかかからないかは運要素が大きいと思う。気をつけていればかかりにくくはなるだろうが、それでも必ずかからないと言ったものでもないだろう。
本郷は2021年の6月に医療従事者の家族ということで受けられたらしい。母親が耳鼻科をやっているということで、それつながりで打ったようだ。ただ、3回目はめんどくさいことを理由に打っていないようだった。コロナにはまだかかっていないらしい。
そんな話をしていると料理がほとんどなくなっていた。僕は追加で鍋料理を注文した。一品あたりの量は多くないようだった。
「SNS見てるとみんな副反応がひどいみたいな話してたけど、自分は全然なかったんだよね」
「ファイザー? モデルナ? 僕は3回ともモデルナだったけど、39度とか熱出た記憶がある」
「俺も3回ともモデルナだったけど、全然だな」
そんな話題で盛り上がっていると、鍋が届いた。僕は尿意を催したので、一旦トイレに向かった。戻ってくると話題が変わっていたようだった。
「実際出会えるものなの?」
本郷は大村に対してそう言っていた。大村は、出会うまでは意外と行けると言っていた。どうやらマッチングアプリの話のようだった。
「凪はマチアプ使ってみたいとは思わないの?」
大村はそういった。どうやた大村がマッチングアプリを始めていたようで、来週デートの予定ができたらしい。自分はマッチングアプリそのものを否定したいわけではないが、それを使ってまで出会いが欲しいとも思っていないのが現状だ。
レイと別れてから恋愛をしたいと思えなくなっているのが現状だと伝えると、2人とも一途すぎと言って僕を笑っていた。
レモンサワーがなくなったのでハイボールを注文する。本郷も同じものを頼んでいた。




