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6-7 新しい趣味


「ChatGPTもすごいけど、過去を振り返るとそれくらいすごいものっていくらでもあったんだろうな」


 本郷はそういった。歴史的にも世界3大発明(火薬・羅針盤・活版印刷)や産業革命、最近でいえばインターネットの普及など、世界そのものを大きく変えたような発明は枚挙にいとまがない。AIもそれらと同じ枠に入る気がしている。


 そうはいってもそれらと同じ枠に入るだけでも驚きなのは事実だ。


 高校の頃、我思う、故に我ありという話を聞いた。自分は考えているから、自我は存在する、ということだ。しかしながら、AIを見ていると、我々は単にニューロンの電気信号を「考える」と呼んでいるだけではないか、と感じてしまう。


 AIは考えていないというが、人間が考えていると思っているものも同様に、実際には考えていると錯覚しているだけなのかも知れない。そう思うと怖くなる。


 自分はそんなことを考えて運ばれてきたものを食べていった。


「最近ちょいちょい話を聞くけどさ、Transformerって何なの? 情報系の池下ならわかるんじゃないかと思って聞いてるんだけど」


 本郷はそういった。


「なんか今のAIの基盤?にあるモデルらしくて、長い文章でも単語間の関係をうまく取れるらしいけど、それ以上のことはよくわかってない」


 僕はそう答える。本郷はわからないならわからないで良いと言っていた。


 自分は運ばれているお酒を飲んだ。そして、食べ物を1つずつ食べた。唐揚げは量は多いが脂っこくなく食べやすい。大村はきゅうりの味噌漬けを注文していた。


「俺さ、最近写真にハマってるんだよね」


 本郷はそう言った。僕は彼の話に耳を傾ける。


「父親が持っていた10万円くらいのカメラを、父親が新しいのを買ったからという理由で譲ってくれて、それが結構画質よくて写真撮るのが好きになったんだよね」


 彼はそう言って,スマートフォンに映した写真を見せてくれた。今年の頭に千円札のモデルになっている本栖もとす湖に行ってきたらしく、そこで写真を撮ったらしい。晴れ渡る空と、水面に綺麗に反射した富士山が映っていた。


「綺麗だね」


 自分は小学生並みの感想しか出てこなかった。


「天候にも恵まれたってことか」


 大村はそういった。確かに天気自体が良く映っているように見える。本郷はいった。


「カメラを始めたての自分にもこんなに綺麗に撮れるから、技術以前にそもそも場所自体が綺麗なのかもしれない」


 僕はなるほどと付け加える。中学生の頃金閣寺に行った時、適当に撮った写真が綺麗に見えたのを思い出した。

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