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5-4 パラレルワールドの彼氏

 僕は彼女に聞いてみた。彼女は答える。


「そっちでも誰かと付き合ってる?」


 彼女には付き合って来年の2月で2年になる彼氏がいると言っていた。名前を聞いてみたが自分は知らない人だった。もしかしたらこっちの世界にいる人かもしれない。自分はその彼氏の名前をメモした。


 その瞬間自分の周りが暗くなる。気づいたら自分の世界の自分の部屋にいた。


 彼女がいた痕跡はさっぱりなくなっていたが、先ほどメモした彼氏の名前は残っていた。自分は先ほどまで経験していた話を書き起こした。そして彼氏の名前で検索してみたところ、インスタグラムで彼の名前を発見した。大学も同じだったので自分はそのアカウントをフォローした。


 彼はフォローバックしてくれたが、特にメッセージを送ったりとかしなかった。僕はベッドで横になった。


 向こうの世界の方がうまくいっているのだろうかと考える。考えてもどうにもならないことかもしれないが自分はふと悲しくなってしまった。


 2つの世界を自由に行き来できる存在になりたい。なんとなく自分はそう願っていた。


 次の日、自分はいつも通り授業を受けにいった。授業は大学の専門科目ではなく文系教養の枠の授業だ。前の席に座った人が凪ちゃんの彼氏だということに気がついた。5人1グループで行われる授業のワークは毎回ランダムなのだが、そのとき初めて同じチームになった。一人一人が自己紹介をする。自分の名前を読み上げたとき、彼は聞いた。


「どこかで会いませんでしたっけ?」


 自分は記憶にないです、と言った。彼も本気ではなく見覚えがある程度だったようで、人違いでした、と言っていた。


 もしかしたら2つの世界で記憶が混ざっているのかもしれない。とは言っても僕を認識できるのは不可解だ。凪ちゃんと僕は性別が違う以上、面影はあるかもしれないが似ているというほどではないはずだ。


 自分はあまり考えすぎないようにした。自分は授業に集中して、大学で課題を済ませたのちそのまま家へと帰っていった。


 彼の学部は生命系だった。彼が向こうでも同じ学部だったのかは調べていない。それについても今度また向こうに行けた時に聞いてみたいことリストに追加した。


 自分はレイがアイドルとして活躍している姿を想像して,少し悲しくなってしまった。

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