vol.14... Epilogue and Endroll
『Bye Bye Mr...』
最後はこの言葉で終わらせよう。
無こそ詩的である。
私は、鵲さんと久しぶりに会った。島に休暇でやってくる機会があったらしい。そして、我々エリザと三人で、夏のエア・スポットにやってきた。花火大会は相変わらず盛況だった。パイロットが降りてくるシーンも圧巻で、彼女達は、イタリアのブランドのシルクのシースルーバングに包まれ、パイロットを出迎えた。
「覚えていますか?達朗です。そして、彼女達」
「覚えていますか?あたしあの時の彼女の鵲です」
「あたし、エリザと申します」
「はは、宜しく。夢で会えたかい?私とは」
「私、貴方に憧れてパイロットに成りました。仕事は上々ですが、お互い、苦労することがあるでしょうけれど、頑張って下さい」
「空は、呼応するんだ―――それを知るまでは、まだパイロットのひよこだな」
「分かりました。では頑張って追いつきましょう」
「子供のままでいた方が、色々と学んで面白いだろうね」
パイロットはそう言って笑う。
「じゃあ、子供も居るんだ?」
「ああ、おじさん誰?」そういうのは、一歳になったばかりのリボンを付けた女の子。
「おじさんは夢を追いかけているんだよ」
「夢ってなあに?」
「夢ってねえ、いつか見るものなんだ」
「そっかあ」
「そして、大事に心の奥底にしまうんだ」
「心ってなあに?」
「君はお父さん達が居なく成るとどう思う?」
「嫌だ!」
「それが心であり、意志っていうんだよ」
「分かった、おじさんありがとう」
「じゃあね、素敵なレディとジェントルマン。また会おう!」
そう言って、彼は帰る。大空の彼方へ、自由を探しに行く。
それを誰も引き止めはしなかった。
「あの―――」
エリザの言う言葉は闇に溶け込む。LEDのライトではきっと真実は映せないだろう。
「じゃあ、帰ろうか」
「ホットドッグ食べたい」
「良いね。食べよう」
「お父さん食べたい!」
「君は上品なモノしか食べないんじゃなかったか?」
「それとは別腹」
そう言ったら、女の子以外の皆は笑った。
桜は散る。
そして、またあの時の思い出がふと蘇る。
鵲と別れた夜も、エリザに出会った冬も、すぐに闇に染まる。




