表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された令嬢、辺境でドラゴンを育てる  作者: 木挽
アメリア・エルミナール

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

220/231

第118話:命令と作戦



黒魔土竜の口内は、外見からは想像もつかないほど整っていた。

魔導障壁が立方体状に展開され、淡い光を放ちながら内部を守っている。

壁面には複数の魔導モニタが浮かび、外の景色が揺らぎながら映し出されていた。


まるで巨大な魔導戦車の操縦席だ。


バックス本体はまだ意識が戻らないまま、ビショップの腕に抱えられていた。

しかし、分体であるコバックはしっかりと状況を把握していた。


ビショップが問いかける。


「バックス、これからどうしたらいい」


コバックは即座に答えた。


「エレン、作戦立てろ。

お前が適任だ」


突然の指名にも、エレンは一瞬も迷わなかった。


「ありがとうございます。

まずは──バックスさん、本体に戻れるなら戻りましょうあなたの全開が必要です」


コバックは頷き、ビショップへ手を伸ばした。


「だな。

ビショップ、それを下ろしてくれ」


ビショップは素直に従い、バックス本体をそっと床へ寝かせた。


その様子を見ていたクラリッサが、思わず声を上げる。


「え! コバックちゃん、消えちゃうの……?」


アメリアも慌てて首を振った。


「かわいいコバックちゃん消えちゃうのやだ!」


コバックは苦笑しながら二人を見た。


「あたりめーだろ、全く……

でも戻らねぇと本体が動けねぇんだよ」


そう言って、気を失ったままのバックス本体へ手を伸ばす。


指先が触れた瞬間──


光が弾けた。


コバックの身体は霧のようにほどけ、

そのまま吸い込まれるように本体へと戻っていく。


アメリアは息を呑んだ。


「……消えた……」


クラリッサは静かに首を振る。


「違うわ。

“帰った”のよ。

本来の姿に」


エレンは魔力の流れを感じ取り、頷いた。


「はい。

魔力が安定しました。

完全にひとつに戻っています」


やがて、バックス本体がゆっくりと目を開けた。


「……ふぅ。

やっぱり本体は落ち着くな」


ビショップは安堵の息を漏らし、微笑んだ。


「戻れてよかったな、バックス」


「おう。

心配かけたな」


エレンはすぐに次の指示を出す。


「アメリアさん、首飾りの方向を確認して下さい」


「オッケー」


アメリアが胸元の首飾りに触れると、

魔導モニタに赤い光の線が投影された。


その線は──

レヴィアス城とはまったく別方向を指していた。


クラリッサが目を細める。


「つまり……光はここじゃなかったってことね」


エレンはモニタを見つめながら、はっきりと言った。


「つまり──目的地はレヴィアス山脈が濃厚です。

整理すると、バックスさん本体の奪還は完了。

後はここにいる生成魔導士を人間に戻せば──

レヴィアス城でのミッションはコンプリートです」


そしてエレンは、ビショップへ向き直った。


「ビショップさん。

この黒魔土竜でレヴィアス城の最上階へ向かって下さい。

僕に考えがあります」


ビショップは目を細め、エレンを見た。


「……分かった。

お前の作戦、乗るぜ」


黒魔土竜は低く唸り、

進路をレヴィアス山脈へと切り替えた。


ズドドドドドドドッ──!


土竜司令室は大きく揺れ、

一行は次なる目的地へと突き進んでいく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ