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サンババサバイバル  作者: 夢丸力丸


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11/11

11好機到来・・・渡りに船

いよいよ本丸「ネオドミトリー構想」お披露目

「おめでとうございます」と若道さんは寄せ植えの鉢をプレゼントしてくれた

サンババと挨拶したのち、若道さんからの意外な相談を受けた


ある企業が近くのリゾートマンションを買い取りリフォームしたいとのこと

そこで何か新しい試みで注目されたいのでアイディアを出してくれと宿題を出されたそうだ。

今回の朝カフェのアイディアの延長で何かヒントがほしいともちかけてくれた。


「それなら私いいアイディアがあるの。以前マンション活用コンテストに出した企画があるんだけど聞いてくれる?」

「それはありがたいです、是非、是非」

場所を隣のガゼボに移して、まずはこちらから質問した

「ねえそのリフォームするマンションって何階建て?」「温泉浴場は何階にあるの?」「屋上はどうなっているの?」「間取りは?」

と物件の様子を聞き企画の内容を変更しながら「ネオドミトリー・シニア母子寮」の話を始めた。


「まず1階に24時間のカフェとコインランドリーそれからコンビニを入れるの

確か大浴場は一階にあるんだよね、じゃそれはそのままで

2階は内科、眼科、耳鼻科、歯科、整形外科などのクリニックと薬局をフードコートみたいに配置し、真ん中に共同の待合室を置くの、もちろんこれは住民だけでなく一般にも公開するけど。

3階は法律事務所、ファンナンシャルプランナー、行政書士などの事務所を入れプロ相談室の役目をするの、もしスペースが余っていたら、塾とかカルチャースクールの教室や作業室を作るの。

話ながらカフェのチラシの裏側にペンを走らせ想像図を書き足していった。


4階からは住居で、入居優先順位は一人暮らしのシニア、シングルマザー(ファーザー)、学生

屋上には保育園兼幼稚園とデイサービス、できれば家庭菜園と共同の憩いの庭みたいな場所が取れればベターなんだけど・・・

これで、大体のハードは揃うわけ。特別な施設を作るんじゃなくて既存の店や、クリニックを集めるだけだから初期投資は少なくて済むと思う。ここまでなんとなく想像できた?」

「はいわかります」

「で、ここからが売りなの」

「ふんふん」

「1階の24時間カフェでは、住民は朝食が無料なの、もちろん管理費に含まれてるけど。

だからみんな食べに来るよね、でシニアはそこで安否確認ができるわけ、それはここの朝カフェと同じかな。で、シングルマザーは朝食の用意をしなくてもそこで親子で食べればいいし、お弁当が必要な場合はそのカフェでお弁当も作ってくれるわけ。そうすれば、時間に余裕がでるよね。で、そこで働くのは早起きの元気なシニアで住んでいるシニアに働いてもらうわけ。」

「なるほど」

「で、シングルマザーはそのまま屋上に行って子供を保育園や幼稚園に預けて仕事に行けるわけ。洗濯物は朝コインランドリーに預けていくと、ここでもまたシニアがそれを畳むところまでやってくれるの。もちろん時給は払うので、そのサービスは有料だけど、そんなに高くない、これはすでに都会にあるクリーニングサービスと同じ」

「ああ、テレビで見たことあります、大きなバッグに洗濯物入れて出すと畳んで帰ってくるの」

「夕方になって保育園や幼稚園の延長保育にはシニアも手伝って、面倒をみたり、お風呂に一緒に入ったりして親の帰りを待つわけ、就学児童や生徒は2階の塾や作業室でワークショップなどに参加したりで過ごすわけ、そこでもシニアが講師になって教えたり、一緒に作ったりするわけ」

「ふむふむ」

「で、夕食はまた1階のカフェで食べれば、疲れて帰って来てもすぐ親子で夕食が食べれるよね」

「カフェで家庭的な定食を出せば問題ないですね」

「そうするとどうなるか。ねえシングルマザーって、今日本で一番疲弊してると思うのよ、子育て仕事、家事とね、もう一杯一杯でそしてそのしわ寄せが虐待なんかにつながるわけでしょ。

そのストレスを軽減して時間の余裕を産み子供とのスキンシップができれば親も子もゆとりが

できて本来の「家庭生活」ってやつができると思うのよ。

一方シニアにとっても、安否確認や社会とのつながり、生きがいなんかの社会問題も解決できて

三方よしのウィンウィンだと思うの、どう?」

「すばらしい!たしかに、母親の食事作りや洗濯、風呂掃除の時間が子供に向けられますね」

「そうそう忘れてた、風呂掃除!大浴場があるおかげで帰って来たらいつでもお風呂に入れるし、掃除しなくていいの、すんごく助かるじゃない、それそれ大事なウリを忘れてた。これぞリゾートマンションの良さを発揮できるっていうもんよね」

「ですね」

「これネオドミトリーって言って私が名付けたんだけど、要するに寮なの、母子寮とシニア寮。

お互い助け合うことで日常の家庭生活が快適になり、無駄や無理な時間が減り、コミュニケーションが豊かになる、どうよ」

「はい」

「それにね、このネオドミトリー構想が成功すれば、これをパッケージとしてそのノウハウを日本各地に販売できるんじゃない?」

「確かに不動産屋は土地の売買だけじゃない事業を模索してますからね、今」

「でしょ。地域の母子家庭やシニアの孤立などの社会問題を不動産で解決できるのよ、素晴らしいと思わない」(ハッタリも説得力として生かす!これぞプレゼンの極意!)。

若道さんは満足げにこの手土産を持って帰っていった


・・・・・・・・・

「あ~10か月か、長いと思ったけどもうすぐ応募締め切りだわ」

とパソコンに向かってキーをたたく。

プリントアウトされた分厚い原稿用紙の束を大きな封筒に入れ封をした。

宛名は ノンフィクション大賞「朝カフェで社会問題解決」とある。

やっぱり現物じゃないと応募したって実感がわかないよな~と言いながら、外に出た

「同時進行ながら、なんとか間に合ったかな」

封筒にちょっとキスしてから「よろしくたのんまっせ」と言って

応募原稿をポストの中へ押し込んだ。  




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