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En-gi  作者: 奇文屋
16/71

湯狭到着

「で、これからどうする?」

 ボク達は湯狭に到着。その直後に夕音襲撃を聞いた。

「どうするって」

 酷かもしれない事だが、一刻を争う事態だという事ぐらい分かっているだろう。

「しばらくは状況を見ましょう」

 歩き出す由宇。

冷静さを装っていても動揺しいるのはよく分かる。

「いいの? 行くなら付き合うけど」

「いえ……史紀さん一人なら大丈夫だろうけど。僕がいたら」

 ふむ。一理ある。

「写真とかある? ボクが行って探してきてあげるよ」

 ふるふると横に振る由宇。

「とりあえず……警察とかに行って非難した人達の事聞きに行こうか」

 由宇の手を引いて行く。


 警察に到着。

避難民と警察官で身動きが取れない。

本来なら行かないのだが、今はそんな事言ってる場合じゃない。

 人込みをかき分けて、汗だくになって玄関に到着した。

「ふぅ、まったく」

 通り抜けてきた後ろを振り返る。

「史紀さん」

 袖を引っ張る由宇と一緒に中に入る。

「由宇っ!」

 入った途端に名前を呼ばれる。

「おばさん!!」

 奇跡?


 騒がしいと言ってはなんだが、警察署から静かな公園に移動しこれまでの事情を説明し終わり、今後のことに話が移行する前に、

「じゃ、ボクはこれで」

「あ、史紀さん」

「なんですか?」

 親戚の方が声を掛けてくれる。

「貴女も一人なんでしょ、だったら」

「いえ、ご好意は嬉しいのですが」

 頭を下げて断って、背を向ける。

「ありがとうございました」

 由宇の声を背中に聞いて公園を出る。


 さて、これからどうしようか。

とりあえず街を歩く。物騒な奴等があちこちにいる。

「おい、夕音守備隊が来たらしいぞっ!」

 夕音守備隊か。

ボクと同じ事を聞いた市民達が走っていく。

その流れに逆らうのも面倒だし、暇だから見に行こうかな。



 街の入り口まで歩いていくと、案の定かなりの野次馬が取り囲んでいた。

「何、何」

 後ろの方でぴょんぴょん飛び跳ねてる。

ちっとも見えない。くそ。

「ちょっと……退い……て」

 野次馬共の間を強引に割って入る。

苦しいがその先にある光景への興味だけがボクを突き動かす。

 これで大した事なかったらどうしようか……。

否! この先にはとてつもない事が起こっているのだ!

 人垣で挟まれ揉まれ、挫ける心を奮い立たせてその先に見た光景は、

「うわっ」

 警察や軍らしき人達が忙しく動き回り、その先にはぼろぼろの車が三台。

傷だらけの人が手当されたり担架で運ばれたりしている中、一人の女と目が合った。

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