89 再び蜥蜴型獣人のまちで 0.2
ズィルバーのお話の続きです。
目を覚ました俺はすっかり元どおりだ。
と言いたいが,ミャアコが可愛く見えるのは変わんねえ。これはやっぱりまだ病気だな。うんうん。だけどさっさと出かけたい。
・・・・・・・・う~ん。春だぜえ・・・俺も春らしいがな・・・
林だな。何かいい匂いのする林だな。この木を使った家なんかいいな。葉っぱも薄緑で日が差すときらきらして見えるぜ。
おや。草原か。あちこちに花も咲いてるな。何かそんなに急な山じゃねえな・・でも見た感じ・・高そうな山だな。明日,ここを登るのか。
朝の空気は気持ちがいいな。
ふうふう。ミャアコの奴、やたらふうふう言ってんな。
「ミャアコ,おまえ食い過ぎで太ったんじゃねえか?」
「にゃんで?」
「やたらフウフウ言ってるからさ。太りすぎたから,登るのが大変なんじゃねえか?」
からかったら腹の肉をつまんで悩んでいたぜ。こいつでも悩むのか。
そのうちにロートが言い出したぜ。
「ミャアコちゃん。あなたは,お勉強も最近しなくなってきてますしね。今日からお勉強と体を鍛えることを再開しましょうね。」
「はい。ロート・・・」
「ぼくも おべんきょ する」
「ボクモスルヨ」
「いいことですね。」
笑っていたら,ロートがいきなり俺の方を見て言うじゃねえか。
「ズィルバー,君もですよ。」
「ええ~!!!俺もかぁ?!」
「ええ。まず言葉遣いからですかね。」
ちぇっ分かってらあ・・
賑やかな俺たちの方に何か来る気配がする。
おっベアベアだ。え?俺に手を出すなって?!
ミャアコとヴァイスにやらせる?
面白くねえな・・・・なんかロートに考えがあるのか?
おやおやシュバルツがいつの間に・・・・・あああああヴァイス・・・・・
ぐちゃぐちゃのどろどろの真っ黒け・・・・
これ誰が始末するんだ?そうだよな。ミャアコがんばれよ。
後始末をしている間に飯でも作るか。ロート?何がっかりしてるんだ?しかたねえだろ。おまえが決めてやらせたんだからさ。
・・・うん。いつもの味だな。こっちの肉は焼き肉にするか?
ああそうだな。熟成させた方がもっとうまいけどな。
うまかった。
さて始末も済んだし行くか。
・・・・・
今日はもうここらでテントを張ろうか。
岩がこっちに転がってこないところがいいぜ。
この辺がいい?
ああ。そっち持ってって?!
おおよ。
竃ができたな。お前たち,上手に作れるようになったじゃねえか。
火をつけるぜ。
何?シュバルツが次から火をつけるって?いやあ・・・・・ちょっとなあ・・・・さっきのぐちゃぐちゃどろどろ真っ黒を思い出しちまったぜ。
・・・・・・・テントの中は平和だな。
スピピピピって・・・・ミャアコか。この3人は寝てるとかわいいよなあ。な,そう思わないかロート。
ははははもう大丈夫さ。でもよ・・・・・コントロールはどうかまだわかんねえけどな。
なあロート, ロートはこういう衝動をどうやって止めたんだい?
え?みやこばあさんのひとにらみで,いつでも,なんでも,何度でも萎えちまったって?!
ははははは。
でも,俺にはみやこばあさんがいねえからなあ・・・・・
え?ヴァイスやシュバルツがいるって?!確かに。奴らなら・・・
ん。ただなあ・・ちょっとだけ聞いてくれよ。
俺,最近ミャアコがやたら可愛く思えるんだ・・・・・これってどうなんだ?
お年頃?!
ミャアコが?!
違う?!
俺のこと?!
ああ。分かってる。抑えるよ。大丈夫さ。俺にできねえことはねえ・・・はずだ。
ロートもそういう気持ちになったことあるのか?
昔?!そんなに昔じゃないだろ。だいたいロートって何歳なんだ?!考えてみたら俺,知らねえ。
内緒って・・・まあいいや。俺の倍くらいなんだろ?
・・はいはい分かりましたよ。もう言いません。
ところで,明日はどこから見ていくんだ?!
え?この辺りから温泉の気配がするって?
熱そうな気配?温泉卵が作れそうか?
多分?
なんか嬉しくなってきたぜ。しっぽがバッサバッサ揺れちまった。
あの岩か。でかいよな。俺の手にかかればう〜ん一発・・・2発か?
何?あの岩はもろそう?じゃあ1発で終わりだな。
明日すぐにやっていいか?
ちょっと待てって?なんか嫌な予感がするって?なんなんだ?
それから,もう遅いって・・・まあ明日だな。おやすみ・・・・・・
この夜中,俺はミャアコの叫び声で目覚めることになる・・・・・・
ちょっぴり大人に近くなったズィルバー
能天気なミャアコが,自分のもやもやした気持ちの訳に気づくのは・・・まだまだ先。
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