84 再び蜥蜴型獣人(とかげさん)のまちで 3
次の日は晴れていた。で・・温泉探しに出かけようってことににゃったんだけど。
・・夕べ遅くにずぶ濡れで帰ってきたズィルバーが熱を出しちゃったんだ。にゃんでも熱を出すのは生まれて初めてのことだって言うズィルバーは,すっごく顔を赤くして,フウフウ言ってた。
・・・にゃんかかわいそう。
おでこに触ったらすっごく熱いんだ。ヴァイスとシュバルツったら,
「アッチッチ「あちぃあちぃ」」
なんて言って代わる代わるズィルバーに触ってるよ。遊んでんにゃあ・・でも,ズィルバーは怒る気力もにゃいみたい。大丈夫にゃのかにゃあ・・・
ロートが薬草を出そうとして,気が付いたようにあたしを見たよ。
「ミャアコちゃん。お得意のやつで治してあげておくれ。」
そうだね。この前,咳き込んでたお父さんが治ったんだもんね。
「れおな」
・・・・・
「マダアツイヨ」
・・・
「れがさつね」
・・・・
「まだあついよ」
・・・・
「れなにきんげ」
・・・
「うまくいかないようですね。」
・・・・
おかしいなあ。
・・・ほう。これにはミャアコちゃんの魔法も効かないんですね。
・・・ああ。知らないからか。
・・・って・・・ロートが言ってるのが聞こえたよ。
・・・確かにあたしには病気の原因が分からにゃいんだ。でも,あのお父さんは治ったのににゃあ・・・にゃぜ?・・・
ロートの薬草を飲ませて,しばらく様子を見ることにしたよ。
ロートは,多分知恵熱もあるんだろう・・・って言ってたけど知恵熱ってにゃんだろ・・
「ミャアコちゃん。僕は温泉を探しに行くけど,ミャアコちゃん達はここに残って診ていてあげてね。」
その言葉を聞いたとたん,ズィルバーが暴れ出したよ。三人で押さえつけたら,
「ぐほっぐほっ・・・づででげ・・」
ズィルバーがにゃんか言ってる。
「ボク カンビョウ スル」
「かんびょ ぼくも する」
「ぐほっぐほっ・・・やべろ・・ごいづら・・づででげ・・」
にゃんか必死に言ってるみたいだけど・・・ロートはにやりと笑ったよ。
「ズィルバー、たまにはゆっくり休みなさい。三人もの可愛い小獣が診てくれるんだから。幸せだろう?」
って言って・・あらあら・・・もう行っちゃったよ・・・
あたしたち?もちろんズィルバーの看病だよ。
「張り切っていこう!!」
「オウ!!「おう!!」」
「ばりぎだだくでいい・・・」
にゃに言ってんのかにゃ・・・
まず,氷だよ。ヴァイス!!!
・・・どかっ
で~ん・・・うまくズィルバーよけたね・・・
「ぶぁがやろ おでを ごろずぎが・・・」
枕元にでっかい氷・・・でも・・このままじゃ,ズィルバーの頭に乗せられにゃいね・・・ズィルバーがつぶれちゃうかもしんにゃいもんねえ。
「ぐほっぐほっ・・・」
ヴァイスはしばらく考えてたよ。
「ソウダ ドウクツガタニ シヨウ」
ほう・・・
頭を覆うように氷の山が出来たよ。うん。いい感じに頭を覆ったよ。
・・あれ・・・溶け出してる・・・このままじゃあズィルバーがずぶ濡れだよ。
「ぼくが やって みゆ・・」
シュバルツが,溶け出した水に優しく熱風を・・・
「あじいあじい・・・ごろずぎがあ・・・」
あらら・・ズィルバーが暴れ出した・・・
しかたないなあ。
「けわか」
そこに行きがけのロートに頼まれたよって,蜥蜴型獣人のお母さんがやってきたよ。
「あらあらあらあら・・・かわいそうに。」
ズィルバーはたちまち「こぎれいな病人姿」(蜥蜴型獣人のお母さんが言ってた。)に早変わり・・・
「今夜一晩寝れば治るよ。」
って言って,あたし達に持ってきたっていう,美味しそうにゃおやつとザフトをくれたよ。
ズィルバー?食べれにゃいから恨めしそうだったよ。でもね,ちゃんと蜥蜴型獣人のお母さんが持ってきた甘いザフトを飲ませていたよ。
美味しいおやつを食べにゃがら・・・
あたしの魔法もきかにゃい病気・・・にゃんて言うのかにゃあ・・・って思ってたら,
「ずぃるばの びょき なに?」
「ボクモ シリタイヨ」
って二人が聞いてたよ。
うんうん。あたしもだよ。
「あらあら・・おほほほほ・・・」
蜥蜴型獣人のお母さん・・・顔を赤くして笑ってるよ・・・
「この病気はねえ,思春期の少年獣人がかかる病気なんだよ。」
「ぐほ・・ぐほ・・ごほごほ・・・やべでぐで・・・」
蜥蜴型獣人のお母さんは,咳き込むズィルバーを見にゃがら
「長くて3日。短くて1日だね。」
って言ったよ。そしたらズィルバーが少し顔を上げて,
「ぼ・・ぼんどが?・・」
って言ったんだ。蜥蜴型獣人のお母さんには,何を言ってるのか分かったみたい。
「ああそうだよ。まあ・・・寝ているうちにコントロールも効くようになるし・・まあ・・・何より・・ほんとは結婚しちまえば治るのさ。」
・・・え?
「ロートハ ケッコン シテナイヨ」
「うん。してない。」
「ほほほほほ・・・とっくにコントロールが効くようになってるのさ。
・・・
後の話は,あんたたちが15になるまでお預けだよ。」
・・・う~ん。
今,ズィルバーは「思春期」の少年獣人だってことが分かったよ。
でもって,今はコントロールが効くようになるまでの体作りをしてるとこ・・・
でいいのかな?
「あんまり枕元で騒いじゃ駄目だよ。」
そう言って, 蜥蜴型獣人のお母さんが帰るのと入れ替わるようにしてロートが帰って来たので,確認してみたよ。
「・・・・まあ・・・そんなとこだね。」
それからしばらく黙っていたけど,急にまじめな顔をしてあたしに言ってきたんだよ。
「ミャアコちゃん,「思春期」の少年獣人の前では,少女獣人になりかけの小獣でも,服を脱がないこと。これは大事だからね。よく覚えておきなさい。」
ふうん。そう言えば,ズィルバーに昨日怒られたっけ。にゃんかよく分からにゃいけど,約束するよ。
「ボクタチハ イイノ?」
「ぼく ずぃるばと おふろ はいりたい」
ロートはにっこり笑って
「小獣はかまわないんだよ。」
「ええ?あたしも小獣だよ。」
「ミャアコちゃんは少女獣人になりかけの小獣なんだよ。
小獣同士ではかまわないけどね。」
にゃんかよく分からにゃいけど,小獣同士じゃにゃいと,お風呂に一緒に入ったり,着替えを一緒にしたりしちゃいけにゃいらしい。知らにゃかった・・
あれえ?でも今までも,ズィルバー達とはお風呂に入ってにゃかったよ・・・そう言ったら,ロートは笑ってたよ。いつも平気でぽいぽい脱いでただろって。
ズィルバーの病気も心配だけど・・・あたしにも面倒なことが増えたみたいだよ・・・
ズィルバー,思春期って大変にゃんだね。
ぐほっぐほっ・・・おばえだぢがなんもじなげりゃべいぎなんだあ!!!
・・・・・???・・・
明日は温泉を探しに出発・・・できるかにゃあ。




