76 北の国で 20
ばっちゃんばっちゃんって言う凄い音であたし達は目が覚めたよ。
「にゃににゃににゃににゃに????」
「落ち着け,ミャアコ。」
「ああ。卵が孵ったんですね。」
慌てて湯船の方に行くと,ヴァイスがお風呂に入っていた。たまごは?
黒い物がお風呂に浮いてる。たまご?
ひょこっと頭が出てきた。
「く~んく~ん」
ってヴァイスの時と同じじゃにゃいの。やっぱりお湯をがぶがぶ飲んでるよ。飲む間にどんどん大きくにゃってるのも同じ・・・。あっという間にミニカイサルピングウイン位の大きさににゃったので,あたし達は慌ててシュバルツを引き上げた。このままじゃヴァイスよりでっかくなっちゃうかも・・・
ヴァイスも一緒に上がってきたよ。
シュバルツ・・・抱っこしたらこれはまた最初の頃のヴァイスそっくりで色だけ違うんだよ。かわいい~
思わずすりすりしちゃうよ。嫉妬心にゃんかどっかにいっちゃったよ。
「にゃに食べるのかにゃあ?!」
「ボクトオンナジダヨ」
「ってことは,何でも食べるってことですね。」
ズィルバーはほっとしたみたい。
「よし。飯を作るぞ。ヴァイス,ミャアコ,手伝え。」
「は~い」「ハ~イ」
あたし達はいつものように切ったり入れたりのお手伝いだよ。その間,ロートはシュバルツと話が出来ないかいろいろ試していたよ。
そうそう。魔物の気配は全くないそうで,シュバルツはこのままここで2ヶ月位過ごせば,ヴァイスみたいにゃ立派(?)なりゅうににゃるらしいよ。ちょうどあたし達も後2ヶ月はここにいにゃくちゃにゃんにゃいから,ちょうど良かったね。
肉食植物もいにゃくにゃったし・・・カイサルピングウインも,卵の回収が進めばきっといにゃくにゃる・・・よね?
ヴァイスはかいがいしくシュバルツのお世話してるよ。まだ小獣型ににゃれにゃいシュバルツは,く~んく~んって言うだけにゃんだけど,言ってることがなんとにゃく分かるみたい。
「コノ ヴルスト オイシイッテサ」
「へえ。このブロートは?」
「コレモ スキミタイ ダヨ。」
「この干したアプはどうにゃのさ?」
「コレガ イチバン スキ ダッテサ。」
へえ。やっぱり果物とか野菜が一番好きなのかにゃ。でも,新鮮なのはあんまりにゃいからねえ。オランの実とか・・・アプとか・・まだ丸っこいよく分からない野菜はロートが買ってたと思うんだけど。
「野菜が足りないと病気になっちゃうからね。ミャアコちゃん,ヴァイス。」
「俺のシチューに必ず入ってるだろ,カルトッフル。あれはなかなかいいんだぜ。」
「そうだね。あれは,煮ても焼いても,中に入ってる僕たちの体にいい物が壊れないからね。」
へええ・・・・そんにゃものがあのカルトッフルに入ってんのかあ・・・・・・
あたしとヴァイスがシチューの中のカルトッフルをつつきだしたので,ロートが,
「残念ながら,目には見えないんだよ。」
って教えてくれた。世の中には目に見えない物が沢山あるんだって。へえ・・・・
「ミャアコ!!見えるようになれなんて思うなよ。」
「そうですよ。ばい菌とかが,いきなり大きくなったら困りますからね。」
・・・・ばい菌ってにゃに?え?病気を引き起こすモノだって?目に見えた方が楽にやっつけられにゃい?え?だめ?
「沢山いすぎるから,大きくしたら僕たちがいるところがなくなりますよ。」
目に見えにゃい生き物は沢山いて,大きくしたら,あたし達が住むとこがにゃくにゃるくらいにゃんだって。おまけに体の中にもいるから・・・へえ・・知らにゃかった。・・・・体の中にいるモノが大きくにゃったら,あたし達の体が破裂しちゃうんだって・・・こわっ・・・・・・危にゃい危にゃい・・・
こんにゃ感じでお勉強もしにゃがらあたし達の夜は過ぎていく。
昼間は温泉とミニカイサルピングウインのお世話と・・・排水溝の周りに咲いてる,もと食肉植物を見るのも忘れにゃいよ。この植物,ズィルバーが「クチビルソウ」って呼べって言うんだけど・・もう唇じゃにゃいんだけどにゃあ。
「よく見て見ろ」
って?
「ミャアコチャン チッチャナ クチビルダヨ」
え~そう?
よ~くみると黄色い小さな花びらは・・・小さな小さな口の形だったんだね・・・ははは。大丈夫。この子達はもう大きくなれないよ。温泉のお湯も吸ってるしさ。もう魔物じゃあにゃくにゃってるよ。
時々ヴァイスに乗ってお散歩にも行くよ。そういうときは大概ズィルバーも一緒だよ。
「おまえたちだけだと何をしでかすか分からん。」
って言うんだけど・・失礼だよねえ。素直に一緒に行きたいって言えばいいのにさ。
そういうときは,ロートはシュバルツとお留守番。シュバルツもヴァイス以外にはロートに一番なついてるみたいだよ。
こんにゃ感じで2ヶ月が過ぎたよ。
吹雪もだんだん少にゃくにゃってきて,いつの間にか毎日晴れているようににゃってきて・・・雪がどんどん溶けてくよ。
ある日,ロートが久しぶりに往復伝言鳥を飛ばしたよ。
返ってきた伝言鳥が
「もうじき山に入れるようになるから,食料とか持って視察に行きます。」
って言ったよ。
いつ来るのかにゃあ・・・その人達が来たら,じきにあたし達のここでのお仕事も終わって,前に約束した蜥蜴型獣人さん達のまちを目指すんだって。あの面白そうにゃ洞窟のまち。探検したかったんだよね。
シュバルツはそろそろテントに入らにゃくにゃってきた。でも虹色の玉がにゃいからお話できるようにしてやれにゃい・・・そうロートに言ったら,
「もうミャアコちゃんは媒体なんてなくても,魔力を他の者に与えることが出来るはずだよ。」
ってロートが言うんだ。媒体ってにゃに?・・・そんにゃことできるかにゃあ・・
「ミャアコチャン,オネガイダヨ。ボク オトウトト ハヤク オシャベリ シタインダヨ。」
ってことで,まちのみにゃさんがやってくるって言う日の前日・・・あたしは期待に満ちたヴァイスとシュバルツを前に,ロートに言われたとおり,手に魔力を集める。ヴァイスの時みたいに話が出来て・・・小獣の姿ににゃるといいにゃあ
「にもどこつるばゅし」
「ばとこ」
ぽんって音と一緒に黒い煙が上がり・・・
可愛い3歳位の裸ん坊の男の子が現れたよ。
うわ~ヴァイスそっくり。ちょっと色黒だけど。かにゃり色黒だけど・・・。
「ありあと みんな ありあと おにいちゃんたち ありあと みゃあこちゃん。」
口が回ってにゃいよ。可愛すぎる~。ってみんにゃも思ったんだね。
ロートにゃんか抱き上げてぎゅってしてるよ。
「これで,まちのみんなも魔物だとか,何の生き物だとか詮索しねえだろうぜ。」
抱っこをようやくやめたロートも,
「そうですね。道々日拾った子どもだとでも言っておきましょう。」
「不自然じゃねえ程度の作り話を考えねえとな。」
それから二人してあたしを見たよ。
「ミャアコ!!」「ミャアコちゃん!!」
え・・
「「余計なことは」」言うな!!」言っちゃ駄目ですよ!!」
・・・・・
信用がにゃいにゃあ・・・かにゃしくにゃっちゃうよね。ぐしゅん・・・




