20 次の温泉は 2
さてヴァイスの正体は?
翌朝,相変わらず美味しい宿屋のお魚ご飯を平らげた後,ヴァイスを呼んで待ち合わせの場所に行く。
のんびり歩く。
でも・・・ヴァイスが歩くだけで,人だかりが出来るのはにゃぜ?
よく見てたら,魚型獣人の中には,ヴァイスを拝んでいる魚型獣人もいるよ。不思議。
まちの外れに,草っぱらと砂が混じっている広いところがあって,そこが待ち合わせの場所だ。
「にゃんで,まちの蜥蜴型獣人のお家で,しないのかにゃ。」
そう言ったら,
「壊したら困るだろう。」
ってロートが言っていた。
「確かにヴァイスは大きいしにゃ~。」
そしたら,急にズィルバーが怒り出した。
「おまえもだ!!!」
「にゃんで~,あたしちいさいよ~」
ズィルバーはどうも怒りっぽい。
夕べ,宿屋の旦那さんが,奥さんのことを,更年期障害で怒りっぽいって愚痴っていた。
と言うことは,ズィルバーって更年期障害なのかにゃ~
そう言ったら,もっと怒ったのは,にゃぜ?
そんにゃことをいいにゃがら歩いていたら,もうまち外れだ。
いつの間にか魚型獣人達もいにゃくにゃっていた。
「彼らも忙しいからな。いつまでも付いて来れないさ。」
ロートが言う。
まだ,ちょっと早かったみたいで,蜥蜴型獣人はまだ来ていにゃかった。
待っている間,退屈にゃので,あたしはヴァイスと遊ぶことにした。
ヴァイスの背中に上っては滑り降りる遊びだ。
ヴァイスは後ろや前にあたしを滑り下ろす。
前に下ろすときがスリリング。
前に下ろすと見せかけて,長い首を持ち上げて,あたしを空中に放り投げる。
くるんってあたしは回って,地面に降り立つ。これが面白い。
ちゃっかりズィルバーも参加して,わいわい楽しんでいたら,ようやく蜥蜴型獣人が現れた。
「おおっ」
蜥蜴型獣人はヴァイスを見て,しばし黙り込んでいた。
それから口の中で何かぶつぶつ言いながら,ヴァイスの周りをぐるぐる回った。
しばらくして,やっと蜥蜴型獣人はあたし達のところに来たよ。
「この子はなんなんですか?」
ロートが聞く。
あたしもズィルバーも,もちろんヴァイスも蜥蜴型獣人を見る。
「これは,間違いない。ドラッヘ・・・本当にいたんだな・・・」
蜥蜴型獣人はすごく感激しているようだった。
いったいドラッヘってにゃに?
蜥蜴型獣人は,あたし達を前にして,このまちが,できた訳を話してくれた。
「おとぎ話だがね。」
昔々・・・・
簡単に言うと, 魚型獣人達が,まだ,海にいた頃,海の中で,大きな黒い魚が,毎日のように,魚型獣人達を襲うことがあったんだって。
魚型獣人達は,まだ,まちも作ってにゃくて,ただ群れているばかりで・・・そこに大きな黒い魚が来て,魚型獣人達を片っ端から食べてしまって・・・
そこに颯爽と現れたのが,真っ白いドラッヘ。
彼は,魚型獣人の一人である小獣と前から仲良しだったそうで,大きな魚を追い払い,魚型獣人達に陸に行ってまちを作るよう,言ってくれたらしい。
「その白いドラッヘは,『大きな黒い魚を凍らせ,北の海に強き翼で運んでいった。』と言われている。」
「確かにヴァイスはものを凍らせることが出来るな。」
「伝説のドラッヘ。こんなに間近に見ることが出来るとは。」
蜥蜴型獣人は,ほとんど,「うっとり」という感じでヴァイスをみつめる。
ヴァイスもまんざらじゃにゃいみたいだ。
にゃるほど,まちの魚型獣人達が拝むわけだね。
でも,ドラッヘってそもそもにゃに?
分かんにゃいよ。
「ドラッヘ・・・大きな・・・大昔いたとされる『恐竜』のようなものだよ。」
「ますます分かんにゃい。」
「温泉を掘っていると時々出てくる,あの『大きな獣の骨』か?」
ロートはちゃんと分かっているね。
ズィルバーは?
分かっている顔してるけど・・・ん?
きょうりゅう・・・そういえば,あたし思い出したよ。
ご主人様が,『○ル○ーとりゅう』って本を読んでくれたことを。
あのりゅうは,黄色と青だったような気がするけど。
だから結びつかにゃかったのかにゃあ。
ヴァイスは白いドラッヘなんだね。
すごいや。あたしもリュックを背負ってるし。
にゃんか楽しくにゃってきたよ。『ミャアコと白いドラッヘ』かっこよくにゃい?
はい。げんこつありがとう,ズィルバー。
『ほっと・すぷりんぐ・にゃあにゃあ』デス。
りゅう・・・ついにきた~
にゃんか「それ」らしくにゃってきたよね~




