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ほっと・すぷりんぐ・にゃあにゃあ  作者:
5 次の温泉は
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19 次の温泉は

やっぱり迷子

・・・・・

 あたしは,一人,町中で迷っている。

 にゃんでいつも迷子にゃの~?おっかしいにゃあ。


 ロート達と一緒に魔道具のお店を出て,美味しいお昼を食べさせるってお店に来たところまでは,大丈夫だった。ちゃんと美味しい海鮮丼とかいうご飯も食べた。美味しかったにゃ~。じゅるっ。あ,よだれが・・・


お店を出て,ゴルトお姉さんに連れられて,このまち一番の獣人まほうつかいさんの家に向かっていた。はず。

あたし,にゃんにも追いかけてにゃいよ。にゃのににゃぜ迷子?!


 正解は・・・


 ・・・・・すみません。きれいな小さい,丸いきらきらするものに目を奪われていたせいです。

 ちょうど,ご主人様が買ってくれたボールくらいの大きさだよ。


 このお店の店先にぶら下がっている,きらきら光る丸いもの。いろんにゃ色に見える・・・

 すっごくきれいで,目がはにゃせにゃい。迷子ににゃったって分かっていても,動けにゃい。これってどういうこと?!足を踏み出そうとするたびに,にゃにかがあたしを引き留める。


お店から,にゃんか大きな黒い布を体に羽織った人が出てきた。この暑いのに,頭からすっぽり布をかぶっている。初めて見る姿だにゃ。

長い杖をついているよ。足が悪いのかにゃ。


 その人は,入り口にかかっていたきらきら光る玉をひょいととると,歩き出す。

 ああああああ持っていっちゃう・・・足が勝手に付いていこうとする。さすがにまずい・・・あたしは,あわあわと慌てる。


 ちょっと歩いて・・・その獣人ひと?は,くるりと振り向いた。そして,あたしの前に来ると,足を止めた。しばらくあたしをのぞき込んでいるようにゃ気がするよ。布の影だからよく分かんにゃいけどさ・・・。

 にゃに?

「ほう。猫型獣人ねこ小獣こどもか。珍しい。」

 あにゃたも十分珍しいですよ。


 知らにゃい人とは話しません。ついて行きません。ご主人様がいつも言われていたことを思い出して,黙っていると,

「おまえ,虹だね。」

 と言う。

「にじ?」

「そう。虹。」

 にゃんかにやりと笑ったようにゃ気がするよ。


「こんなところで虹の猫型獣人ねこ小獣こどもに会えるとは。」

 しばらくあたしを観察しているみたい。嫌だにゃあ。

「おまえ,この玉が欲しいかい?」


うんうんうん・・・いやいやいや・・・

手が出そうににゃる。

 いやいやいやいや・・・・だめでしょう。

 あたしの・・・手が・・・玉をつかみ・・・


「あぁっ」

「君!!!!」

「ミャアコを離せ!!!」


あれ・・・どこかでこんにゃことにゃかったっけ。


今回は,見るからに怪しい感じの人にゃので,あたしもにゃんにも言わにゃいよ。

 ちゃっかり玉はあたしの手の中だし。にゃははは


「先生」

 ゴルトお姉さんが言う。

 え?!先生って?


結論から言おう。この人があたしの先生ににゃる人だった。

きりっ


「かっこつけてんじゃねえ」

この迷子娘が!!!

 ズィルバー,心配してくれたのかにゃあ

「わけねえだろ!!!」


・・・・・


 とりあえず,先生の家にみんにゃで向かうことににゃった。

お店屋さんがたくさん並んでいた場所から,狭い路地に入り,しばらく行ったところに家があるそうだ。


 先生の家は,この辺りでよく見る,普通の家だという,砂が固まったような外見の家だった。

 宿屋は普通の木だったのににゃ。

 珍しいから,つんつくしてみたけど,堅くて,岩みたいだったよ。


「こらぁ!!さっさと歩け!!!」

 怒鳴らにゃいでよ,ズィルバー。


 入ってすぐの部屋に通される。

 家の中はひんやりしていて気持ちいい。

 先生は,後ろにある棚の中からコップと壺を出してきた。

 とくとくと口の細い壺から,何かがコップに注がれる。

 

 甘い香り。

 ホーニヒ入りのお茶を冷やしたものだって。

 しばらくみんにゃで黙ってお茶を堪能する。

 

 ・・・のどを潤した後で,先生が言う。

「この虹の猫型獣人ねこ小獣こどもを教えて欲しいって言うんだね。」

「虹の猫型獣人ねこ小獣こども・・・・」

 ロートの目がきらりと光った。

「この小獣こどもは虹・・・想像でしかなかったんですが。やはり。」

「うむ。かなり珍しい。」

 にゃににゃににゃに?????

 あたしを置いて,勝手に話を進めにゃいで。


 先生は,着ていた黒い布を脱いだ。

 この黒い布は,マントと言うらしい。

 おまけに,暑さ寒さを防ぐ?らしい。

 暑いときは涼しく,寒いときは温かいと言っていた。うっそ~


マントを脱いだ先生は,白いシャツに赤い長いズボンをはいていた。

 不思議な感じがする獣人だった。

蛇のようにゃ・・・トカゲのようにゃ・・・

 

不思議そうに見ているのに気がついたのか,先生が言った。


「私は蜥蜴型獣人とかげだよ。」

 そしてマントの下に来ていたシャツをまくり上げてみせる。

「ちょっときらきらしてるだろ。

 私も君と同じ,虹色の属性を,ほんの少しだけ持っているのさ。

 そのおかげか,

 私は・・・こうして・・・目を見つめるだけで,だれがどんな力を持っているのか大体分かる。」


 そう言って蜥蜴型獣人とかげさんはあたしをのぞき込んだ。 


あたしきらきらにゃんてしてにゃいよ。


  ・・・・・・・・



 ともあれ,明日から,ロートとズィルバーは温泉探し,あたしとヴァイスは蜥蜴型獣人せんせいについて勉強することににゃった。


ヴァイスのことも,話だけしか聞いていにゃいから,分からにゃいけど,心当たりがあると言った。

 多分,まちの魚型獣人(ひとたち)も,何となく見当が付いているんじゃないかと言っていた。

 じゃあ町の人に聞いたら分かるんじゃないの?!

・・・

 確実じゃにゃいことは魚型獣人(あのひとたち)は,言わにゃいらしい。

 みんにゃでこそこそ言うより,はっきり聞いた方がいいと思うのににゃ。


・・・まあ。あたし達に聞いても,分かんにゃいとしかいえにゃいけどさ。



 ヴァイス・・・ついににゃんだか分かるんだね。楽しみかも。

 そう言ったら,明日はロートとズィルバーも一緒に来ることににゃった。二人ともやっぱり,気ににゃっていたんだね。



次回 ついに ヴァイスの正体が明らかに?!

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