14 温泉を探そう 5
次の朝,遅くにゃってから,大人達が帰ってきた。ひとっ風呂浴びてきたって,みんにゃさっぱりした顔をしている。
ズィルバーとロートも帰ってきた。ロートはさっぱりした顔をしているけど,ズィルバーは疲れた顔だ。おまけに,にゃにか抱えている。
く~んく~んって・・・まさか・・・まさかだった。
あの,にゃんだかわかんにゃかった子が,ズィルバーの上着に包まれていた。
「おしつけられた。」
ズィルバーが言う。上着から出た子は,よく見たら,羽も生えていた。でも,鳥じゃない。鳥の顔じゃないもん。
ロートにも分かんにゃいらしい。
ちゃんと足も4本あって,後ろの足の方が大きい感じ。しっぽも生えていた。頭には,白い毛が上に向かって突っ立ってふさふさと生えている。でも,全身には毛は生えていにゃい。白い,でもって温かな,あたし達みたいなつるつるの皮膚だ。
その謎の生き物は,にゃんでも食べるらしい。ご飯の残りをぺろりと食べて,さらに,温泉のお湯もがぶがぶ飲んだので,みんにゃ慌てて,ちょうどそのとき風呂に入っていたズィルバーの上着に包んだらしい。
「ひでぇ・・・」
俺の上着に勝手に包んで・・・ぶつぶつ言っている。ちょっとかわいそうかにゃ。
ロートも,これからまた旅に出るのに・・生き物はにゃあ~と珍しく困っていた。
で,この生き物は何か・・・
村長さんも,村で一番の年寄りのおばあさんにも分かんにゃかった。
あたしは,また声がどこからか,聞こえてこにゃいかにゃ~,と思ったけど,そうそう都合良く聞こえてこにゃい。
ま・・・いいか。
この村にはあと2週間くらいいて,温泉がきちんと機能するかチェックするらしい。
毎日湯量を測定して,湯の質を見て,(あたしに分かるように言って欲しい)にゃんともにゃければ,お金をもらって,次のところに行くんだそうだ。
その前に,この子のお父さんとお母さんを見つけてあげにゃくていいのかにゃ?
名前がにゃいと不便にゃので,あたし達はこの子をヴァイスと名付けた。白いって意味にゃんだって。白い子だからちょうどよいね。
そう言ったら,
「だからヴァイスってつけたんだろう。」
って。ズィルバー,にゃに怒ってんのさ?
最初の日は,ヴァイスと呼んでも知らん顔していたけど,2日目からは分かったみたいで,呼ぶとそばにやってくるようににゃった。お利口な子だ。
村の小獣人は,結構忙しいみたいにゃので,あたしは毎日ヴァイスと遊んだ。ヴァイスは,食べたら食べただけ大きくにゃっていく。
卵から孵ったばかりの頃は,手のひらサイズだったのににゃ。
ズィルバーにつれられてきたときは,腕の中に入るくらいだったし・・・。
大きくにゃるの早くにゃい?
温泉のチェックにも欠かさず付いてきて,お湯に真っ先に飛び込み,かにゃらずお湯をがぶがぶ飲む。飲むと,飲んだだけ,また大きくにゃるみたいにゃ気がする。
ズィルバーは,見間違いだろって言うけど。絶対大きくにゃってるよ。
不思議な子。でもあたしと仲良しににゃったよ。
出発する頃ににゃると,ほぼあたしとおんにゃじくらいの大きさににゃっていた。
そんでもって,あたしを乗せて歩くようににゃった。これはラクチン。
「これなら連れて行ってもいいかな。」
「荷物も持たせられるしな。」
と言うことで,ヴァイスも一緒に行くことににゃったよ。よかった。
・・・
お別れする日,お姉さんがあたしに薄いきれいにゃピンクの布をくれた。
この辺りの盛装に使う布らしい。頭に巻くんだよって教えてもらった。ここら辺の山に住む蜘蛛の糸を使って織れているその布は,ここいら辺りの名産品って言うものにゃんだって。これから温泉と一緒にこれも売り出すんだって。きれいだから,きっと売れるよね。
みんにゃに手を振りにゃがら,ゆっくり山道に向かう。
ベァーさんが,また一緒に歩いてくれる。
この道の先にある村までは,結構道が入り組んでいるから,道案内してくれるんだって。
ベァーさん,大好き。
ベァーさんは,来たときと同じように,のんびり歩きにゃがら,温泉のことをいろいろ聞いてくる。
今度はロートがいろいろ答えている。
その間にも,ベァーさんは,あたしが不思議に思いそうな,草や木などについても教えてくれる。
ヴァイスは,時々あたし達から離れては,また戻ってくる。にゃにをしているのかにゃ。
ズィルバーは,あたしの引き留め係だ。そんにゃに襟をつかまにゃくても・・・
次の村に来て,ベァーさんとは別れた。ベァーさんはこれから猪豚の肉をこの村で売るんだそうだ。
「猪豚ってにゃに?」
「そういうと思ったよ。この辺りでとれる獲物さ。ミャアコちゃんも食べていただろう?」
猪豚の肉だったのか。今度は覚えたよ。
「さよにゃら,ベァーさん。また会えるといいね。」
「ミャアコちゃんも,今度会うときはすごい美猫さんになっているだろうなぁ」
がっはっはっは・・・
笑わにゃければいいのにさ。
そういえば,
今度はどこに行くのかにゃ。
ロートのところに,昨日,次の依頼先が届いたそうだ。
どうやって連絡って届けられているのかにゃ。そのうちに教えてもらわにゃければ・・
「今度は海のそばだぞ。」
ってズィルバーがうれしそうに教えてくれた。
にゃんで海だとうれしいのかにゃ?
そんでもって,海ってにゃに?
「しょっぱい大きな池だぞ~」
「どのくらいおっきいの?」
「この山くらいかなぁ・・・いやもっとおっきかったぞ。」
ズィルバーの言うことだしなぁ・・・・・
山の中から,今度は海へ向かいます。
謎の生き物・・・さて何でしょう。もう少し後のお話で,なにものか分かります。