↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A  作者: a
PR
8/14

8

二十五日は午後七時半に仕事を終えてすぐに石神井公園駅で電車に飛び乗り、一時間半ほどかけて千葉の天王台駅まで行き彼女に落ち合う。車内にて『寺山修司青春歌集』読み終える。「無名にて死なば星らにまぎれんか輝く空の生贄として」「夕焼の空に言葉を探すよりきみに帰らん工場沿いに」。到着して彼女から出会いがしらに「遅えよ!」と言われ、みぞおちを殴られる。こういう即物的な暴力に訴える女は詩情を解さないと思った。酒を呑んで予約していたホテルにチェックインして酒を呑んで夜が更けるまで性交して酒を呑んで寝た。お互いに抗鬱剤を服んでケミカル・セックス、今日も薬の副作用のせいで射精せず。彼女から「本当にあんたは不能だよね!」と言われる。傷つく。でもクリスマスプレゼント貰う。中身は、内緒。



二十六日は僕は休み、彼女は仕事だったので午前九時頃に駅で別れて僕はそのまま池袋へ行ってブックオフに入る。珍しい本を105円で買い漁る。奥泉光の『バナールな現象』は何年も前から捜しているが今回も発見できず。代わりというか同じ著者の『モーダルな事象』を購入。奥泉さんの本は高い。他、丸谷才一のエッセイ二冊、川端康成の『花のワルツ』。今回もやはり丸山健二の『争いの樹の下で(下)』『虹よ、冒涜の虹よ(下)』ともに見当たらず。両方とも上巻だけ持っている。下巻だけ見つからない。畜生め。僕がツイてないだけなのか。帰りに喫茶店で本を読んでから拙宅へ。酒を呑んで寝る。



坂井君から電話。「死にたい。一緒に死んでくれ。」との由。後、彼女から電話。「死にたい。一緒に死んで。」との由。何故なのか知らないが僕の周りには僕と心中したい人が多い。僕に股を開く女はほとんど皆無なのに。世の中どうなってんの? 順序が違うだろ。自殺する前に僕に股を、じゃねえや心を開くべきだぜ。胸襟開いて語り合うべきだぜ。

まあ僕は面倒だからそんなことしないけど。



これも順序を間違っていると思うんです。こんな世の中ですから、「死にたい。」とストレートに言っても(書いても)、「勝手に死ね。」と返されるのが落ちです。それよりも、例えば坂井君の場合、「今、自分の働いている会社が倒産しかかっています。そのうえ弟が働きません。」とでも書いた方が世間の同情を集められると思います。世間の同情を集めたいのなら。僕はどうでもいいんですけどね。このブログも凄くプライベートなものですし。そも誰も読んでないですし。僕はとりあえず彼や彼女に「酒でも呑んだら?」といい加減なアドバイスしてお茶を濁しています。人に偉そうにアドバイスしようなんて考えたくもありません。馬鹿馬鹿しい。だいたい僕は身銭を切って何十万も金を突っ込んで本を読んで、それらしい言葉を蒐集して、ようやく生きながらえているんです。それをタダで、簡単に「秘密」を教えるほど、僕は優しくありません。誰だってそうじゃないですか? たぶん。



今日も酒を呑んでハッピーな気分。あとは本を読んで寝るだけです。今日も幸か不幸か生きながらえた! 年末年始も仕事だ! 死にてえ! あっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。