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僕の彼女は自殺願望がある。僕の友人の坂井にも自殺願望がある。この二人に面識はないけれど、僕を介して互いのことを多少、知っている。電話口で彼女が言う。
「あなたより坂井君の方がわたしに理解があると思うわ。」
また坂井も言う。
「おれはもう駄目だ。お前と、お前の彼女と一緒に樹海で心中しようぜ。」云々。
坂井の馬鹿たれはともかく、彼女の言は僕には少し面白くない。そこで僕は悪いと思いつつ真実を告げた。
「でも坂井は風俗狂いだぜ。」
僕は彼の多国籍パブで行った数々の所業を縷々述べ立てた。
「……最低、一気に冷めた。」
彼の気づかぬところで彼の株が暴落した瞬間だった。
すまん、坂井。これも男の沽券を固守するためだ。犠牲になってもらおう。




