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現代にダンジョンが出来たので好色に生きようと思います  作者: 木虎海人


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 青色のきらめき


 リフェリアは雨木の視線を受けると、肩から離れるようにふわりと浮いた。

そのまま雨木の眼前を旋回する。


 言葉はない。

だが『何してるの? やるよ』とでも言いたげな動きに見えた。


 その姿に、雨木は少し腹が立った。


「是非もない。俺はやるつもりだった。

お前がどうするのか、確認しただけだ」


 前に見た事のある光景に、よく似た目の前の光景。

その時に出会ったのが、目の前を飛ぶ緑色の蝶の姿のリフェリアだ。


 なら今回も、お前も何か関係があるのか。

そう勘繰っただけの話である。


 別に、臆病風に吹かれた訳ではない。


「俺が突っ込んで引きつける。

お前は後ろから首ちょんぱ、で。


『ファイア』」


 短く告げると、雨木はロングバールの湾曲した先端へと火魔法を纏わせた。

そして一気に駆け出す。


 狙うは、青色のきらめきを囲む三匹の虫の魔物。


 どれも直視したくない類の見た目をしている。

手前にいた二匹へ向け、雨木は纏めて薙ぎ払うようにロングバールを振り抜く。


 だが、叩けたのは一匹だけだった。


 先頭にいた、黒色のそれ。

雨木が名前すら口にしたくない類の虫型の魔物。


 その硬い甲殻にバールの先端が弾かれ、軌道が逸れる。


 だが纏わせたレベル1の『ファイア』が、その黒い甲殻を焼いた。

しかしバールの火はそこで消える。続くゲジゲジ型の虫の魔物には届かなかった。


(……ちっ。やっぱレベル1だと、一体までか。

纏型はレベル×敵数って認識で良さそうだな)


「『ファイア』」


 再びロングバールの先端へ炎を纏わせ、雨木は虫たちへ向き直った。


 二匹目には避けられた。

だが飛び込んだことで、立ち位置は変わっている。


 雨木は通路奥へ。

虫たちは、その雨木へ向き直る形となった。


 そして雨木の火に焼かれた黒い虫は、今も炎に身を焼かれて暴れている。


 残る二匹の視線は、明らかに雨木ではなく、バール先端の炎へ向いていた。


「くくくっ……効果覿面じゃねーか。

意外と向いてるのかもな、このダンジョン――」


 雨木が炎を纏わせたバールを振り上げる。


 その動きに合わせ、残る二匹も身構える。


 ――直後。

その後頭部へ何かがぶち当たり、虫たちは前につんのめる。


「……はい、ゲームオーバー。

残念無念、また来週~」


 頭を差し出すような姿勢になった虫たちへ、雨木は連続してバールを叩き落とした。

一撃目で炎は消える。

だが二度と動かないよう、雨木は念入りにバールで二匹の頭部を叩き潰していく。


「『ファイア』」


 二匹の動きが完全に止まったことを確認すると、雨木は三度目の炎をバールへ灯した。


 背中を燃やされながら、滅茶苦茶な動きで暴れ回る黒色のそれへ視線を向ける。


 そして、その姿に思い切り顔を顰めた。


「……。


いや……やっぱもう……殴りたくねぇな。


リフェリア、寄って来ないように、二人で撃ち殺そう」


 そう告げると、雨木は左手で銃の形を作る。


「『エアハンマー』」






 ――しばらくして、黒色のそれは魔石へと変わった。


 雨木とリフェリアの風魔法を連続して叩き込まれ、壁際へ押し込まれたまま燃え尽きたのだ。


 そこでようやく、雨木は大きく息を吐いた。

少しだけ肩の力が抜ける。


「レベル1でも……遠距離攻撃は、こういう時便利だな」


 雨木の風魔法はレベル2。

だがスキルの使用回数は、《レコルド》に刺されたカードの枚数とレベルで決まる。


 リフェリアのおかげで手に入った風魔法だが、レベル2カードとしては一枚しかない。

レベル2の魔法を一度使えば、ダンジョンを出るまで風魔法は使えなくなる。


 その代わり、レベル1の『エアハンマー』なら十回使えた。


 そしてレベル2になったことで、レベル1魔法も強化されていた。

射程距離は以前の倍。

四メートル先まで届くようになっている。


 おかげで、雨木は大嫌いな黒色のそれへ触れることなく始末することが出来た。


 そのことを口にはしない。

だが内心では、雨木はリフェリアへ感謝していた。


 そうして振り返る。

昔のリフェリアと似た、青色のきらめきへと。


「さて……先に言っておく。敵対する気はない。


とりあえず、俺が聞きたいのは、一つだけ。

あなたは何ものなのか? ってことだな。

リフェリアと同じかい?


あ、リフェリアはこいつね」


 そう言って雨木は、横を飛んでいるリフェリアへ左手の人差し指を向けた。


 リフェリアが、その指先へそっと止まる。


 その姿に、なんとなく。

(こいつは大丈夫だよ)とでも伝えてくれているように思えた。


(……たすけて)


 すると、雨木の脳内へ声が響く。


 そんなところにも既視感を覚えて、雨木は少し笑いそうになった。


「……いいよ。


上に、奥に行くつもりなら、一緒に行こうか。

でも今日は五階層までな。


六階層のポータルで俺は帰る。

そこまでで良いなら、だけど」



※本作は作者による構成・執筆を基に、一部AIを補助的に利用しています。


すいません、今週も更新は今日だけとなります。


しばらくは週末(土日0時)更新を目標に進めていきます。

難しい週もあるかと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。

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