第31話 馬車
ルリを抱っこしてハマルについていく、ルリを抱っこしてる理由は今にも飛びかかろうと隙を伺ってたから
今も虎視眈々とハマルを狙ってる、そんなに地雷だったの?知られてたのは驚いたけど詳しくは知られてないっぽいし、そこまで怒らなくても……
「嬢ちゃん……機嫌直してくれよ……」
「やだ」
「ほら、シーカウの串焼き買ってやるからさ」
「くしやき!
……だめ」
一瞬目を光らせて釣られそうになったけどすぐに我に返ったみたい、精神力高いな
「じゃあ僕がもらっちゃおうかな」
「ヨースケ、結構ちゃっかりしてんな」
そう言いながら串焼きの屋台に向かってる、多分あの顔は僕の意図理解してるな
串焼きを3本ハマルが買ってきた
「ほらよ、ヨースケお前の分の串焼き2本だ」
「ありがとう、ハマル
じゃあはいルリ、一緒に食べよ」
串焼きを1本ルリに渡す
「くしやき!…でも……」
「ルリ、これは僕がもらった串焼きだからハマルからもらったことにはならないよ」
「そう…かな?」
「うん、そうなんだよ」
ちょっとゴリ押し気味だけど受け取ってくれた、一口目はちみっとだけど一度口に入れてしまえばもうこの魅力には抗えない、かくいう僕もその1人、すぐに食べきってしまう
「回収箱あるから食い終わった串はここに入れろよ」
リテラシー高いな、鉄串だし溶かして再利用とかするのかな
【基本的に串焼きの串は再利用するように法で定まっています】
【回収箱も一定間隔で置くように決まっています】
法で決まってるのか、ポイ捨てはありえないわけだな、確かに王都はゴミ1つ見えないきれいな所だ、よく見ると回収箱のとなりにゴミ箱も見える、地球の観光地も見習って欲しい
「お、見えてきたぞ!あれだ!」
指でさして見せてくるのは3台ある、5頭立ての馬車、馬車のドアには家紋らしきマークが入っている
流星の中に大きな瞳が入っている、瞳にだけ青白い色が入っててどこか神秘的な雰囲気がある
「あれがファスト家の馬車?」
「あぁ、俺たちが乗るのは2台目だ」
そう言って2台目の馬車に向かう
「あら、ハマル?どうしてヨウくんとルリちゃんがここにいるの?」
ハマルが飛び上がって近くにあった木の上に着地する
「いきなり出てくんじゃねぇって言ってるだろ!怖ぇだろうが!」
アルレシャさんが後ろからいきなり出てきた、確かにこれは怖い!ルリも驚きすぎて尻尾と耳がへにゃ〜っと縮んで僕を強く抱きしめてる、あのルリさん怖いのはわかるのですが締め付けられて痛いんですけど……
「あら、ルリちゃんごめんね、怖がらせちゃったかしら…?」
「すご…すごくこわ…こわかったです」
半泣きになって、涙目で訴える姿に心が痛くなる、それはアルレシャさんも同じだったようで
「ごめんなさい!泣かないでルリちゃん!
あ、そうだ!ほら飴!飴あげるから!ね!」
懐から飴玉を出してルリにあげようとする
「や!くさい!」
「嫌だった?本当にごめんなさい……」
しゅんとなるアルレシャさん、でも気になるのがある
「それ何味の飴ですか?」
「ぶどう味よ、ハマルがこの味を好きなの」
ぶどう味、猫に食べさせてはいけない食べ物だ、猫の幻獣種であるルリもNG食物は同じなのかな、だとしたら玉ねぎとか食べないようにしなきゃ
そこんとこどうなの?叡智さん
【獣因子を含む生命体が該当動物の食べれないものを食べたとしても、毒にはなりません】
【ただ、具合が悪くなるのであまり食べさせないほうが良いです】
毒にはならないなら目くじら立ててご飯を調べるほどじゃないか、気をつけるだけ気をつけよう
「いつまで話してんだ?そろそろ乗ろうぜ?あとその飴いらないならくれよ」
「そうですね、ハマルの言うとおりです」
ハマルに飴を渡しながらルリの手を引っ張って先頭の馬車へ向かうアルレシャさん
「あの、なんでルリ連れて行くんですか?」
「それはもちろん、女子会をするためよ!」
女子会って……いやまぁ良いけどさ
「ルリはそれでいい?」
「ごしゅじんさまがいうなら」
「では行きますよ!ルリちゃん!」
この人さっき泣かせたこと忘れてんじゃないの?と思いながら見送る
「ありゃ泣かせたことすっかり忘れてんな」
「あ、やっぱり?」
ハマルの見立てと僕の見立てが一致してた
「まー俺たちも行こうぜ、女子会ならぬ男子会ってな!」
2番目の馬車に2人で向かう、ルリが近くにいないの久しぶりだな、ちょっと寂しい




