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MとRの異世界創造☆この星がつまらないなら、創りなおせばいいじゃない!  作者: 小雪光(超プリン体)
異世界憲法の神 球状まりも
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第二十六話 女神アマテラスの復活

MとRは球状まりもを、砂漠の町に待機させることに決めた、まりももアンノもそれに同意した。まりもは無言で東に向かって飛んだ。Rがパーティーの設定画面を確認すると、まだまりもはパーティーに参加したままとなっている。この状態なら、いわゆる「パーティー・チャット」での遠距離通話も可能なはずだ。Mの太い腕に乗って北の港町に飛びながら、Rはまりもに問いかけてみた。


(まりもさん? 聞こえる?)


(ええ、何?)まりもがすぐさま答えた。


(あのね……)RはMによる催眠スキル、『八塩折ヤシオリ』の副作用であるバーサク効果のことを気にしていて、それをまりもにつたえるべきかどうかで迷っていた。スキルの効果が続いている間はまりもはMに対して従順であるが、その効果が切れた時、まりもはバーサク化(狂戦士化)する。Mはそれを止めるためには、最悪の場合、まりもを殺すしかないと考えている。Rは出来ればそうはしたくなかった。だがそれよりも心配なのは、Mのコントロールできない場所で、まりもがバーサク化してしまうことだ。まりもも心配だけれど、まだ見ぬ砂漠の町の民のことも心配だった。そんなRの逡巡しゅんじゅんを見てMが念話でRにだけ話しかけた。


(R……、バーサク化のことは、今はまりもには伝えなくていい。どうやらまりもには、『八塩折』の効果が異常なほどよく効いているようだ。恐らく3日ほどは催眠効果は持続するだろう。夜明けまでにクトゥルフだけでも倒せれば、まりもの様子に集中できるようになるはずだ)


(Mさん? そのことだけど……)


(うん……)


(もう一匹の神、『地の王デュノワール』のことも、忘れないでね)


(む!!)Mはすっかり、『地の王デュノワール』のことを忘れてしまっていたのだが、そんな様子はみせずに、ああ……、とだけ答えた。デュノワールは今の所、死亡したキャラの蘇生率を100%から80%に変更した程度しか目立った動きはない。その設定以外はRがロックをかけているから、まあ大して問題はないだろう、とMは考えた。ただ、クトゥルフと戦って誰かが死亡した場合が、少しやっかいだなとは思った。いやそもそも……、神vs神の戦いでの死亡時に、蘇生など可能なのだろうか?


(そうだ……、R、女神アマテラスを、復活させてやってくれないかな?)


(あ、そうだったね。神社の守護神にっていう話だったけど、前の宇宙と同じ、女神さんに復活でいいよね?)


(ああ、その上でアマテラスが仲間になってくれれば、俺達のパーティーに四柱目の神が加わることになる。そうすれば残る敵はクトゥルフとデュノワールのみ。万が一、別の神が生まれるとしても追加で一体のみだ。そうなれば状況は俺達にとって断然有利だ)


(それ、女神さんが仲間になってくれれば、だよね? 私のことを恨んでいて、復活した途端に襲いかかってくるかも……)Rがペロ、と舌を出した。


(大丈夫、あいつはそんなに恨み深い奴じゃない。俺とあいつにとっては、この世界での戦いなど、ただのゲームにすぎないのだからな)


(うん……。じゃあ、復活させてみていい?)


(ああ、できたらそうしてくれ)


Rは右手人差し指を立て、それを左肩に当てた。次に弧を描きながらその手を前へと差し出し、斜め上を指さした。空気が震え、上空からピンクと白の光が降り注ぎ、その中央に、女神アマテラスが降臨した。彼女は目を閉じていた。Mはスピードを落とした。後ろから続いていたアンノもそれに従った。


「あれは……」アンノが驚嘆の声を上げた。


「あれは女神アマテラス。私が前に住んでいた宇宙で、私の住む国をおさめていた女神さまよ」Rが言った。アマテラスは目をあけ、MとRに気づいて近寄ってきた。その眼は不気味に、きらきらと輝いている。


(Mさん、怖いよ……)


(大丈夫だ)


やがてMとRのすぐ近くで停止し、アマテラスがRに声をかけた。


「Rちゃん……、私を蘇らせてくれたのは、もしかしてあなた?」


「う、うん……。ごめんね女神さん。ひどいことしちゃって」


ふ、とアマテラスは笑った。彼女は指を天に向けた。その指から白い砂金のような輝きがこぼれ落ち、彼女の全身をやわらかく包んだ。Mはその技が、失恋した女性の心を癒す技、「かげろう」であることを知っていた。Mは、自分と目を合わせようとしないアマテラスに告げた。


「神よ……、今では俺も神となった。だから今後はお前のことを、神とは呼ばずにアマテラスと呼ぶことにしよう。女神アマテラスよ、もしよかったら、これからも俺達に力を貸してくれ……」


「神、だと?」アマテラスは眼を赤く光らせMをスキャンした。


「変身技スサノオとは……。Mよ、あなたは皮肉なスキルを手に入れたのですね」


「皮肉? どういうことだ」


「今はわからなくてもいい、そのうちにあなたはきっと思い出すから」


「思い出す?」Mは首をひねったが、それ以上の追及はしなかった。Mが巨大な右手をアマテラスに向けて差し出すと、アマテラスがその手にそっと触れた。その瞬間、アマテラスはMの思考を受け取った。


「北の港町の神、クトゥルフ……。よくわからないけど、やっかいな敵のようね」アマテラスの顔が、緊張に輝いた。


「よし、これで戦力は充分だ。急ごう!」


RはMに抱かれて夜空を飛びながら、設定画面でパーティーを確認した。


 アンノ  LV3 勇者 男

 M    LV1 神 男

 R    LV1 神 女

 アマテラス LV1 神 女

 球状まりも LV1 神 女


勇者と四柱の神という、超豪華メンバー! これならいくら相手がクトゥルフと言えども、ひとたまりもないだろう、敵もレベル1であれば、だが……。


北に進むにつれ、空にはどんよりとした雲が立ち込め、しとしとと雨が降り始めた。その陰鬱な雰囲気の中、「北の港町」が見えて来た。家もまばらなその町は、不気味な呪いにかけられたかのように、静まり返っていた。

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