26話 久美子さんの思い
お母さんは言ってはマズイことだったのか目をそらされてしまった。
「あ、いいんじゃないの、言っても」
久美子さんの言葉に私は不安しかなかった。
お母さんは久美子さんの言葉で深く考え始めた。
私は食べるのをやめ、お母さんの言葉を待った。
「ねえ、奈穂は久美子さんのことどう思う?」
お母さんの意図が読めず素直に答える。
「優しい人だなと」
「じゃあ、これからずっと一緒に暮らすことになってもいい?」
「一緒に暮らすの?」
その答えをお母さんは言おうとせず、目で答えてと訴えていた。
「真輝も一緒なの?」
その質問には頷いてくれた。
「うん」
私はよく分からなかったが嫌ではなかったため頷いた。
「そう、なら良かった、多分ないと思うけど一応考えといてね」
その言葉が普段のお母さんとは違って力強くて、何かを願っているようで私は嫌な考えが浮かんだ、
しかしそれは飛躍しすぎたことだと思い、打ち消す。
お父さんが亡くなったら一緒に暮らすことを考えているなんてことないよね。
私は止まっていた手を動かし、残りのカルボナーラを平らげる。
「真輝はこのことは知っているの?」
久美子さんのほうを見る。
久美子さんは何か言いづらそうにしていたため
知らないことは一目瞭然だった。
「知らないから、しばらくまだ居てくれないかな」
久美子さんの意外な提案に私だけではなく、お母さんも驚いたようだった。
「私から真輝にはちゃんと伝えたいから」
まっすぐな目に私は居たいと思った。
しかし、まだいたいと言ったらお母さんはどう言うのか不安だった。
それはお母さんも同じで私に意見を求める。
「奈穂はどう思う?」
「私はまだ居たい」
悩んだ挙句、気持ちを言葉にした。
「なら、悪いけど奈穂のこともう少しお願いしてもいいかしら」
お母さんは私のことを聞いてくれてほっとする。
「ほんと、良かった、ありがとね」
それは久美子さんも同じだった。
「じゃあ、よろしくお願いします」
そう久美子さんが言って、私はお母さんとファミレスで別れ、久美子さんの家に戻ることにした。




