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失った思い出  作者: ういもと
第2章 奈穂の物語
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25話 ファミレス

病院を出た私たちは近くのファミレスに寄った。


「お昼まだだよね、適当に頼んでいいよ」


久美子さんにメニューを渡され、適当に頼む。


しばらく無言が続いたがお母さんが口を開いた。


「ねえ、奈穂、辛い思いさせてごめんね」


お母さんの寂しげな声に何を言えば良いのか私には分からなかった。


目の前に置かれた水を飲み、涙を堪える。


「ねえ、奈穂、お父さんのこと、憎む気持ちも分かるけどね、私たちが悪いから……」


お母さんから憎まないでねという言葉は出なかったがそう言いたいのは分かった。


だから私はお母さんの望んだ言葉を言った。


「大丈夫だよ、もう憎んでないよ」


「そう……なら良かった」


また無言が続く。


「おまたせしました、こちら熟成ベーコンのカルボナーラです」


そこにタイミングよく私の頼んだメニューが届いた。


「いただきます」


そう言い、器用にフォークでカルボナーラを口に運ぶ。


「カルボナーラ好きなんだね」


久美子さんが飲み物を飲みながら呟く。


「あ、この間もそうだったよね」


思い出したように久美子さんが言う。


「すみません、しばらく泊めてもらっちゃって」


「全然、良いですよもしかしたら今後そうなるので」


「え……」


私は顔を上げて、お母さんのことを見た。

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