20話 話
「慌ただしい子ね」
久美子さんが慌ててバイトに向かったお兄ちゃんに対して言う。
「ねえ、奈穂は朝の真輝違和感なかった?」
久美子さんは真輝の行動に違和感を感じていたようで朝食を食べながら私に質問する。
しかし、私は言葉にするほどの違和感は感じていなかったので伝える。
「あまり感じなかったです」
「そう……ならいいわ」
「なんか、すみません」
久美子さんの役に立てず謝る。
「気にしなくていいよ、ごちそうさま」
朝食を食べ終えた久美子さんが立ち上がり、食器を洗おうとした。
「あ、私やります」
それを阻止するため私も立ち上がり、キッチンに向かう。
「そう、じゃあ、お願いね」
すんなり久美子さんは引いたので私は食器洗を始める。
「慣れているねー」
久美子さんはそんな私を横でただ見ていた。
「ところで昨日はどうだった?」
「楽しかったです」
食器を洗いながら久美子さんと話をする。
「そう、良かった、何か困ったことがあったら言ってね」
「あの、早速ですけどスマホの充電器貸してくれませんか」
早速のお願いで申し訳なかったがスマホの連絡が入っていないか気になっていた。
「え、スマホ持っていたの!」
スマホを持っていたことに驚きつつも充電器を貸してくれたので充電する。
「携帯充電切れてて困ったでしょ」
「はい、正直困ってました」
食器洗いが終わったためリビングに移り、久美子さんと話を続ける。
「多分、連絡たくさん来てるでしょ」
久美子さんのその言葉通りお母さんからの連絡がかなり来ていた。
それと友達からもいくつかきていた。
お母さんからのは無視して友達からきたメールなどに返信する。
「ねえ、私もそろそろ仕事を行かないといけないから後は適当にテレビ見てたりしてゆっくりしててね」
久美子さんはそう言い久美子さんの部屋に入り、支度して仕事に向かおうとしていた。
「一応、鍵とお金渡しとくね、お父さんのとこ行きたかったら行っていいからね」
そう言って久美子さんは仕事に行ってしまった。




