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失った思い出  作者: ういもと
第2章 奈穂の物語
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19話 朝

朝、起きた私がリビングに行くとすでにお兄ちゃんは起きていた。


「おはようございます」


キッチンで朝食を作っているお兄ちゃんに挨拶をする。


「お、おはよう」


お兄ちゃんの少しよそよそしいと感じがして引っかかったが気のせいだと思い、手伝いをすることを述べる。


「大丈夫だよ、テレビでも観てて」


「いえ、手伝います!」


どうしてもお兄ちゃんに料理ができることをアピールしたくて譲れない。


しかしそんな私に託された仕事はお茶出しでつい突っ込んでしまう。


「私は小学生ですか」


「10円あげるよ」


「いえ、いりませんよ」


昨日と変わらないお兄ちゃんに笑う。


さっきのは気のせいだったみたいだった。


私は不満があったがお茶や箸の準備をする。


その間に朝食ができてお兄ちゃんが久美子さんを呼びに行った。



「いただきます」


その言葉で朝食を頂く。


「奈穂、昨日は寝られた?」


「はい、大丈夫です」


久美子さんの質問に答える。


「ごめんね、狭い家で」


「そんなことはないですよ」


久美子さんとの他愛の言葉。


その間、お兄ちゃんは考え事をしているのか黙々と食べていた。


「真輝、そろそろ時間じゃないの?」


そのため時間をすっかり忘れていたようで慌ててバイトに向かった。

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