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デート②

 2時間後、待ち合わせ場所のN駅の時計の前にいた。

 ここは待ち合わせスポットだ。

 多くの人がここで待ち合わせをしていた。


 しばらくすると月さんが現れた。

「ごめんなさい。待ちました?」

「待ってないよ。今日はありがとう」

「はい。美味しいデザート早く食べたいです」

「了解。じゃあ行こうか?」

「はい」


 N駅近くにも多くの店が立ち並ぶ。

 今から行くのはケーキバイキングの店だ。

 予約はしていたので簡単に入れた。


 スタッフからシステムの説明が有り、券売機でお好みのバイキングコースのチケットを購入。

 やはり若い女性のお客さんが多かった。

 スタッフが2人用テーブル席へ案内されて、スイーツバイキングのスタート。

 ドリンク付きで、70分食べ放題の店だ。


 ケーキを頬張る月さんを見ながら、私は話を切り出した。

「月さんはなんでメイドになったの?」

「メイド服が着れるからです。でも、転生しようか考えています」

「転生って?」

「他のメイド喫茶に移ることです」

「なるほど。メイド業界ではそういうんだ」

「はい」

「何で転生したいの?」

「はっきりいってまいさんにはついていけないからです」

「何かあったの?」

「お客は金だとか。私にはパトロンがいるとか。いろいろ自慢話を聞かされます」

「ああ〜。人の自慢話って嫌だよね。パトロンって誰?」

「ぐっさんです」

「ん!?彼氏じゃないの?」

「彼氏じゃないですよ。彼氏はしがらみさんですよ」

「は!?」

「しがらみさんが彼氏です。本人が言ってましたから。あと、タツさんって知ってますか?」

 タツは知っている。

 20代中盤くらいで人のことは言えないが、H市からわざわざK市まで通っている常連だ。

 そんなに話したことはない。

「タツさん、クレジットカードまいさんに渡しているんですって」

「何それ?」

「私も詳しく知らないですが、まいさんが言ってました。でもタツさん酔っ払っている時、俺はまいさんの彼氏だって言ってましたよ」

「意味がわからないけど他に何かある?」

「ぐっさんとまいさん同棲しています」

「意味がわからない」

「あと、まいさんの体を洗っているのぐっさんらしいですよ」

「意味がわからない」

「本人が自慢話のように言ってました」

「彼氏はしがらみさんなんだよね?」

「はい」

「パトロンと同棲しているってこと」

「そう見たいですね」

 衝撃な事実に私の頭は混乱した。

 しかしまあ、彼女もよくお客でもある私にペラペラと話をしてくれる。

 よほどまいさんのことが嫌いみたいだな。


「店の資金を出したのはぐっさんなんだよね?」

「そう見たいですね。でも、ぐっさんはまいさんと結婚したいみたいですよ」

「というと?」

「今年までに結婚できなかったら、地元に帰るみたいです。そういう話してくれました、まいさんから」

 ぐっさんの地元はK市からだいぶ遠い。

 今の仕事をほっぽり出して地元に戻るということは、相当結婚したいみたいだな。

「ぐっさん、パトロンだよね?」

「そう見たいですけど、ぐっさんは彼氏と思い込んでいるんじゃないですか」

 彼氏だと思い込んでいる!?

 キャバ嬢の色恋テクニックにそういうテクニックがあるが、長い期間騙し続けれるものだろうか。

 今考えていても答えは出ない。


 私は別の質問をした。

「あめさんって今月で辞めるみたいだね」

「よく知っていますね」

「あめさん、彼氏がいるの?」

「います。ぼうしさんライブ着てましたよね?そのライブでバンドマンいましたよね?」

「ああ、いたね」

「バンドマンのドラムの人と付き合ってます」

「なるほど。他には?」

「あとは、シンゴさん知っていますよね?」

「ああ。知っている」

 シンゴさんとはぐっさんと同じ年齢で、仕事は営業だった。

 どう考えてもメイド喫茶にはいかないような人種でもある。

「あめさんとシンゴさんつながってます」

「なるほど。あめさんから聞いた?」

「はい。シンゴさんからいろいろ買ってもらうんだとか言ってました」

 やっぱりか。

 いろいろ買ってもらうために近づいてきたな。

「ちなみに私はフリーです。嘘じゃないですよ」

「うん。わかった。ありがとね。どんどん食べていって。今日はもちろん俺のおごり。あと帰る際プレゼントをしたい。何か欲しいものある?」

 これだけ情報を渡してくれた女性だ。プレゼントの一つや二つ渡しても痛くもかゆくもない。

「ホントですか。ありがとう」

 私はそのあと、twitterで何でも買ってあげるからどんどん言ってねという意味深ツイートをした。

 そして、毎週行っていたメイド喫茶に行くことを今日はやめた。

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