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ギャルな元カノに裏切られて絶望した俺、学校一の冷徹美少女先輩に拾われてデレデレに甘やかされる  作者: Y.M


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5/5

学校に行ったら、高嶺の花にプロデュースされた俺がモテすぎる件

朝、目を覚ますと、如月先輩はすでに俺の部屋の前で待っていた。


「藤崎くん。起きた? 準備するわよ」


大学生になってから、こんなふうに誰かに起こされるなんて思ってもみなかった。

 昨日の夜、俺はリナと神谷の修羅場から逃げるように如月先輩の家に泊まった。

 もちろん何もなかった。ただ、先輩が「ひとりにしたくない」と言ってくれたから。


「準備って……何を?」


「あなたの外見を“完全に”整えるの。今日から藤崎くんは、もう昨日までの藤崎くんじゃない」


そう言って先輩は俺の腕を掴み、洗面所へ連れていった。


「まずは髪。あなた、素材はいいのに扱いが雑すぎるのよ」


先輩は器用に俺の髪を濡らし、ドライヤーで形を整え、ワックスで軽く動きをつけた。

 鏡を見ると、そこには“普通の大学生”から“ちゃんとした大学生”になった俺がいた。


「……すごい」


「まだよ。次は服」


先輩はクローゼットを開け、昨日のうちに買ってきたらしい服を並べた。


「これ全部……俺のために?」


「当たり前でしょ。あなたをプロデュースするって言ったのは私よ」


白シャツ、黒のスラックス、シンプルなジャケット。

 派手ではないが、清潔感と大人っぽさがある。


「着てみて」


言われるまま着替えると、先輩は満足そうに頷いた。


「うん。やっぱり似合う。藤崎くんは“整えれば”ちゃんと光るのよ」


「……ありがとうございます」


「礼はいらないわ。私はしたいからしてるだけ」


その言葉は、昨日も聞いた。

 でも今日は、昨日よりもずっと甘く聞こえた。


「さ、大学行きましょう。今日は……楽しみね」


「楽しみ?」


「ええ。あなたがどう見られるか」


先輩は微笑んだ。

 その笑顔は、どこか“確信”を持っているようだった。


大学に着くと、すぐにざわめきが起きた。


「え、誰あれ……?」


「藤崎……だよな? なんか雰囲気変わってね?」


「めっちゃ垢抜けてるじゃん……!」


視線が集まる。

 俺は居心地が悪くて俯きそうになったが、先輩がそっと腕を組んできた。


「胸を張って。あなたは今日から“見られる側”なのよ」


その言葉に背中を押され、俺は顔を上げた。


すると――


「……恒太?」


聞き慣れた声がした。

 振り返ると、そこにはリナが立っていた。


ギャルっぽいメイクに金髪。

 大学でも目立つ存在だ。


「なにその格好……てか、雰囲気変わりすぎじゃない?」


「そうか?」


「そうだよ! なんか……カッコよくなってるし……」


リナは唇を噛んだ。

 その視線は、俺ではなく如月先輩に向けられていた。


「……誰?」


「如月澪。藤崎くんの“パートナー”よ」


「パートナー!?」


リナの顔が一気に強張った。


「ちょ、ちょっと待ってよ。昨日まで恒太は――」


「昨日までの話をしてるの? あなた、もう彼女じゃないでしょう?」


如月先輩の声は冷たかった。

 リナは言葉に詰まる。


「で、でも……話したいことがあって……」


「藤崎くんは、あなたの相談相手じゃないわ」


「っ……!」


リナは悔しそうに唇を噛んだ。


「恒太……本当に、この人と……?」


俺はゆっくりと頷いた。


「……ああ。俺は、先輩と一緒にいる」


リナの目が揺れた。

 その瞬間――


「おい、何やってんだよ」


低い声が響いた。

 振り返ると、神谷が立っていた。


イケメンで、背が高くて、スポーツマン。

 でもその目は、どこか濁っていた。


「リナ、行くぞ。こんなやつに構うなよ」


「ちょっと待ってよ! 恒太が――」


「うるせぇって。お前は俺の女だろ?」


その言葉に、リナの顔が一瞬で曇った。


如月先輩は一歩前に出た。


「……最低ね」


「は?」


「あなた。自分が何を言ってるかわかってる?」


「は? なんだよお前」


「“俺の女”なんて言葉、時代遅れもいいところよ。

 それに、あなたはリナさんを大切にしていない」


「はぁ? 俺は大切にしてるし」


「大切にしている人間が、他の女とLINEするの?」


神谷の顔が引きつった。


「な、なんでそれを――」


「リナさんが泣いていたわ。昨日も今日も」


如月先輩の声は冷たく、鋭かった。


「あなたは、リナさんを“所有物”のように扱っている。

 でも藤崎くんは違う。

 彼は人を大切にできる人よ」


「……っ」


「だから、あなたが藤崎くんに嫉妬するのは当然ね。

 あなたにはないものを、彼は持っているから」


神谷は拳を握りしめた。


「調子に乗んなよ……!」


「乗っているのはあなたよ。

 自分が一番だと思っている。

 でも――」


如月先輩は俺の腕を取り、はっきりと言った。


「藤崎くんは、あなたよりずっと“魅力的”よ」


周囲がざわめいた。


神谷は顔を真っ赤にして叫んだ。


「ふざけんな!!」


「ふざけてないわ。

 あなたがどれだけ怒鳴っても、藤崎くんの価値は下がらない」


その瞬間、神谷は言葉を失った。


リナは震える声で言った。


「恒太……本当に、この人と……?」


俺は如月先輩の手を握り返した。


「……ああ。俺は、先輩と一緒にいる」


如月先輩は微笑んだ。


「藤崎くん。行きましょう」


俺たちはざわめくキャンパスを歩き去った。


背後で、リナの泣き声と、神谷の苛立った声が混ざっていた。


でももう、振り返る必要はなかった。


如月先輩が、俺の手を離さなかったから。

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また、別の作品でファンタジー日間227位をとれました。

とても頑張った作品なので、そちらもぜひ御覧ください。

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